【ネタバレあり】テリファーの衝撃のラスト!全ての伏線と意味を解説

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テリファーとは?

ストーリー概要

『テリファー』は、2016年制作のアメリカ合衆国のホラー映画です。ハロウィンの夜にピエロの扮装をした連続殺人鬼「アート・ザ・クラウン」が巻き起こす惨劇を描いた作品で、全編にわたり残虐なゴア描写が盛り込まれています。マイルズ郡を舞台に、仮装パーティ帰りの若い女性たちが「アート・ザ・クラウン」に狙われ、次々と惨殺されていく様子が克明に描写されます。

登場人物

  • アート・ザ・クラウン:連続殺人鬼。ピエロの格好をしている。
  • タラ:若い女性。仮装パーティ帰りに「アート・ザ・クラウン」に襲われる。
  • ドーン:タラの友人。彼女もまた「アート・ザ・クラウン」の標的となる。
  • ビクトリア:タラの姉。妹を助けようとして「アート・ザ・クラウン」と対峙する。

キャスト・スタッフ

本作の監督と脚本は、デイミアン・レオーネが務めています。レオーネは本作に先立ってショートフィルム版の『テリファー』を制作しており、その後フィーチャー版として本作を製作したとのことです。キャストは以下の通りです。

  • デイビッド・ハワード・ソーントン:アート・ザ・クラウン役
  • ジェナ・カネル:タラ役
  • ケイトリン・スタシー:ドーン役
  • サマンサ・スカフィディ:ビクトリア役

映画「テリファー」ネタバレ解説

(C)エピック・ピクチャーズ・グループ

テリファーの衝撃の展開

物語序盤から中盤にかけて、「アート・ザ・クラウン」は容赦なくタラたちを追い詰めていきます。古びたアパートの中で繰り広げられる壮絶な追跡劇は、見る者の息を止めずにはいられません。

中でも衝撃的だったのは、ドーンの最期のシーンです。タラの目の前で、「アート・ザ・クラウン」はドーンの顔面を何度も何度もナイフで刺し続けるのです。ここまでの残虐さに、さすがのホラーファンも度肝を抜かれるはずです。

ラストシーンの意味

ラストシーンでは、タラの姉ビクトリアが「アート・ザ・クラウン」に立ち向かいますが、彼女もまた彼の手にかかって無残な最期を遂げてしまいます。

しかし、その直後、警察の目の前で「アート・ザ・クラウン」が自殺を図るのです。一連の殺人の首謀者である彼が、何故自ら命を絶ったのか。それは彼の「使命」が全うされたからだと考えられます。「アート・ザ・クラウン」にとって殺人は芸術活動であり、自身の作品が完成した時、彼もまた「作品」の一部となる必要があったのでしょう。

つまり、ラストの衝撃的な自殺シーンは、「アート・ザ・クラウン」という恐るべき殺人芸術家の究極のフィナーレだったのです。彼の犯行の理不尽さ、そして芸術家としての徹底ぶりを見事に象徴するエンディングと言えます。

伏線の回収

本作では、物語開始時点ですでに「アート・ザ・クラウン」による連続殺人「マイルズ大虐殺」が起きていたことが示唆されていました。

テレビに出演した生存者ビクトリアが、「犯人が死ぬのを見た」と証言するシーンがあります。ビクトリア自身はその後番組内で錯乱し、ラストシーンでは「アート・ザ・クラウン」に惨殺されてしまうのですが、彼女は最初から事件の全貌を知っていた重要人物だったのです。

また、検死官のシーンでは、「アート・ザ・クラウン」はすでに死亡していたことが明かされます。しかしその直後、彼は蘇生し検死官を襲撃。つまり、彼は一度死亡していたのです。

「アート・ザ・クラウン」の不死性を示唆するこのシーンは、ビクトリアの証言とも合致します。彼女が番組内で語った「犯人の死」とは、検死官襲撃前の出来事だったのでしょう。「アート・ザ・クラウン」の超常的な存在性は、終盤まで曖昧に描かれていましたが、このように伏線を回収することで明らかになっていくのです。

作品の評価と魅力

テリファーが評価される理由

『テリファー』は、その尋常ならざる残虐描写によって、公開当初から大きな話題を呼びました。あまりにもショッキングな内容ゆえに賛否両論ありましたが、ホラー映画としての完成度の高さは多くの批評家から評価されています。

本作の最大の魅力は、緻密に計算された演出にあります。単なるスプラッター映画に留まらず、「アート・ザ・クラウン」の狂気を丁寧に描き切ったその手腕は見事の一言。彼が単なる殺人鬼ではなく、一種の芸術家であるというコンセプトを、あらゆる場面で徹底しているのです。

また、出演者の熱演も特筆に値します。「アート・ザ・クラウン」役のデイビッド・ハワード・ソーントンは、一切の台詞なしで、身体表現のみでキャラクターを表現。ダンサーでもある彼の動きは、不気味でありながらどこか美しくもあり、「殺人芸術家」たる存在感を見事に示しています。

こんな人におすすめ

『テリファー』は、かなりハードなホラー映画であることは間違いありません。残酷シーンが多分に含まれているため、苦手な人にはおすすめできません。

しかし、ホラー映画に造詣が深く「際どい作品」を求めているのであれば、ぜひ本作を見て欲しいと思います。他では味わえないほどの衝撃と斬新さを、存分に堪能できるはずです。

また、ラストまでしっかり伏線を回収している脚本に、映画ファンとしても注目して欲しい作品です。本作によって、「ホラー映画」の新しい可能性を感じていただけると思います。

ホラー映画における意義

『テリファー』は、2010年代のホラー映画の中でも特に重要な作品と言えるでしょう。当時のホラー映画は、『パラノーマル・アクティビティ』に代表されるようなファウンド・フッテージ形式のものが主流でしたが、本作は正統派のスラッシャー映画としてそれに真っ向から挑戦。ホラー映画の可能性を大きく切り拓いた記念碑的な1本と評価できます。

また、ゴア表現の過激さにおいても、本作の影響は小さくありません。近年のホラー映画では、リアリティを追求するあまり、より生々しい残酷表現が求められるようになっていますが、その源流の1つと見ることもできるでしょう。

『テリファー』は、ホラー映画の新たなバロメーターを打ち立てた作品であり、ジャンルの歴史に刻まれる1本だと言えます。過激さゆえに誰にでもおすすめできる作品ではありませんが、ホラー映画の進化と深化を目の当たりにしたい人には、必見の映画だと思います。

まとめ

『テリファー』は、残虐ながらも洗練された演出と、卓越した映画的表現力を併せ持つ、極めて挑戦的なホラー映画です。本記事では、ネタバレを恐れずにあらすじや見どころを詳説してきましたが、言葉だけでは伝えきれない凄みがあるのもまた事実。グロテスクな表現に耐性のある人は、ぜひ実際に本作を見て、その衝撃を体感していただきたいと思います。

『テリファー』という革新的な作品が、ホラー映画の歴史に大きな一石を投じたことは間違いありません。スプラッター描写という側面のみにとらわれることなく、作品全体を通して本作の挑戦的姿勢を味わっていただければと思います。