【3分でわかる】スーホの白い馬のあらすじと感動の名シーン

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『スーホの白い馬』とは?作品情報まとめ

物語の概要と舞台設定

『スーホの白い馬』は、中国北方のモンゴル草原を舞台にした物語です。遊牧民の少年スーホと彼が育てた白い馬との深い絆が描かれています。原作は中国で1950年代に発表された『馬頭琴』という作品ですが、日本では絵本作家の赤羽末吉による挿絵とともに広く知られるようになりました。

『スーホの白い馬』が日本で有名になった理由

1961年、絵本作家の赤羽末吉が本作に出会い、挿絵を手掛けたことで日本での知名度が高まりました。赤羽による美しく迫力のある挿絵は物語の世界観を見事に表現しており、読者の心を捉えて離しません。また、小学館の国語教科書にも度々採用されたことで、多くの子供たちがこの物語に親しんできました。

主人公スーホと白い馬の絆の物語!あらすじを時系列順にまとめ

1. 少年スーホが白い子馬を助けて育てる

ある日、主人公のスーホは帰り道で倒れていた白い子馬を見つけます。一目惚れしたスーホは、子馬を家に連れ帰り、大切に育てることを決意。白い馬は、スーホの愛情を受けてすくすくと成長していきました。

2. 成長した白い馬でスーホが競馬大会で優勝

月日は流れ、白い馬は見事に成長します。ある日、町で競馬大会が開かれることに。スーホは白い馬に跨り、大会に参加。見事な走りを見せ、堂々の優勝を飾ります。しかし、こ の優勝をきっかけに、悲しい運命がスーホを待ち受けていました。

3. 殿様に白い馬を奪われ絶望するスーホ

競馬大会の優勝馬を欲しがった殿様は、家来を遣わしてスーホから白い馬を奪い取ります。必死に抵抗するスーホでしたが、殿様の命令には逆らえず、結局白い馬を引き渡すことに。スーホの胸は張り裂けんばかりの悲しみで満たされました。

4. 逃げ出した白い馬がスーホのもとへ戻るが傷だらけで死んでしまう

白い馬もまた、スーホと離れ離れになったことを嘆き悲しみます。そして、ある日のこと。殿様の元から逃げ出した白い馬は、スーホの元へと必死で帰ってきます。しかし、その身体は 家来たちの矢に打ち抜かれ、血まみれで絶命寸前。スーホは白い馬を抱きしめながら、深く深く悲しみに暮れるのでした。

5. 夢の中で白い馬がスーホに馬頭琴を作るよう伝える

白い馬を失ったスーホは、毎日その無念を嘆き悲しみます。ある夜、白い馬がスーホの夢枕に立ち、こう告げました。「私の四蹄と皮と尾と鬣で馬頭琴を作ってください。その音色に私は永遠に生き続けます」。目覚めたスーホは、すぐさま白い馬の遺骸を用いて馬頭琴を作り始めます。

6. スーホが奏でる馬頭琴の音色が草原にこだまする

こうしてスーホの手によって「馬頭琴」が生まれました。馬頭琴を奏でるスーホの姿はまるで白い馬に跨っているよう。音色は雄大なモンゴルの草原にこだまし、白い馬の面影を偲ばせます。今もなお、スーホの馬頭琴の調べは、遥かモンゴルの地で人々の心を打ち続けているのです。

『スーホの白い馬』の見所は?感動の名場面3選!

1. スーホが初めて白い馬に乗る場面

「ほら、白い馬、きみならできる!」。幼い白馬にスーホが初めて跨る場面は、絵本の中でも特に印象的です。ぎこちなく馬上に立つスーホ少年と、それを気丈に受け止める白い馬の姿。運命的な出会いと絆の強さを感じさせるシーンです。

2. 白い馬が死ぬ間際にスーホの元へ帰ってくる場面

矢に倒れた白い馬が、最期の力を振り絞ってスーホの元へ帰ってくるシーン。「ああ、よく帰ってきてくれた」と涙するスーホと、苦しそうに横たわりながらもスーホを見つめる白い馬。2頭の別れがこれほどまでに悲しく、そして美しいものだったとは。思わずハンカチが手放せなくなります。

3. ラストで馬頭琴を奏でるスーホの描写

物語のラストを飾るのは、馬頭琴を奏でるスーホの雄姿です。「聞こえるか。私はいつもここにいる」。悲しみを力に変えて馬頭琴を奏でるスーホの姿は、読む者の心に深く深く突き刺さります。白馬の面影を感じさせる馬頭琴の音色にも、思わず胸が熱くなる名シーンです。

モンゴルの文化と異なる『スーホの白い馬』の設定

物語に登場する「殿様」や「競馬大会」はフィクション

『スーホの白い馬』は、モンゴルの馬頭琴伝説をベースにしたお話ですが、物語の細部には作者のフィクションが多分に含まれています。例えば、「殿様」や「競馬大会」といったモチーフは、当時の中国的な要素が反映された創作と言えるでしょう。

スーホの境遇や生活習慣の描写にリアリティを欠く部分も

また、主人公スーホの暮らしぶりや、モンゴルの遊牧民の描写にも違和感を覚える方も多いはず。実際のモンゴルの遊牧民の営みとは異なる部分が目立ちます。とは言え、フィクションだからこその面白さもある作品だと言えるでしょう。

『スーホの白い馬』のもう一つの見所は心に残るメッセージ

悲しい別れを乗り越える強さ

『スーホの白い馬』という物語が多くの読者の心を打つ理由。それは、愛する者との別れ、そして別れを乗り越える強さが描かれているからではないでしょうか。白い馬を失ったスーホ少年の悲しみは計り知れません。しかし、彼はその悲しみをバネに、馬頭琴を作り出すのです。

最愛の存在を失った悲しみが新しい希望を生む

そうして生まれた馬頭琴の音色は、白龍の面影を留めるもの。スーホにとって、馬頭琴を奏でることは白い馬への想いを馳せる大切な時間なのです。最愛の存在を失う悲しみを、新しい希望に変えていく。『スーホの白い馬』は、そんな普遍的な物語のメッセージを語りかけてくれます。

まとめ:『スーホの白い馬』を読んだ後にしたいこと

馬頭琴の音色を実際に聴いてみよう

『スーホの白い馬』を読み終えたら、ぜひ実際の馬頭琴の音色を聴いてみては?モンゴル独特の馬頭琴の旋律は、雄大な草原の風景を思い起こさせてくれるはず。スーホと白龍の物語を、リアルに追体験できるかも知れません。

モンゴルの雄大な草原の映像を見てみよう

物語の舞台となったモンゴルの壮大な草原の風景も、画像や映像で味わってみるのがおすすめ。スーホと白龍が駆け抜けた草原の美しさを知れば、本作への愛着もより一層深まるはず。ぜひ読後にチェックしてみて下さい。