【歴代まとめ】映画「ドラゴンボール」シリーズ21作品を最新作『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』まで一気に紹介!あらすじや見どころも解説

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目次

はじめに

ドラゴンボールの劇場版アニメーションは、1986年の『ドラゴンボール 神龍の伝説』から始まり、2022年の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』まで全21作品がリリースされています。テレビアニメシリーズの放映と並行して制作されたこれらの映画作品は、原作の人気エピソードを映画用にアレンジしたものや、完全オリジナルストーリーのものなど様々ですが、どれも「ドラゴンボール」の魅力が凝縮された秀作揃いとなっています。

本記事では、「ドラゴンボール」劇場版を第1期(1986年〜1996年)と第2期(2013年〜)に分けて紹介します。それぞれの作品のあらすじを簡単にまとめつつ、作品の見どころや当時の興行成績など、ファンなら知っておきたい情報もお届けします。テレビシリーズとは一味違う、スクリーンで繰り広げられる「ドラゴンボール」の世界をお楽しみください!

ドラゴンボールの映画シリーズ第1期(1986年〜1996年)

『ドラゴンボール 神龍の伝説』(1986年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

本作は、鳥山明の人気漫画「ドラゴンボール」初の劇場版アニメーション作品です。7つ集めると願いを叶えてくれるドラゴンボールを巡る、主人公・孫悟空とブルマの冒険の旅が描かれています。悟空とブルマの出会いや、ヤムチャ、ウーロンといったおなじみのキャラクターも登場。原作1〜2巻の内容をベースにしつつ、劇場版オリジナルの要素も盛り込まれた作品となっています。

映画は、天下一武道会編のクライマックスから始まります。激闘の末、ギリギリのところでジャッキーチュンに敗れた悟空でしたが、最後まで諦めずに戦う姿は多くの観客の心を打ちました。また、ブルマとの出会いから始まる旅では、原作にはないグルメス王国の冒険が描かれます。グルメス王の圧政に立ち向かう少女パンジーを助けるため、悟空は持ち前の強さと正義感で王国の平和を取り戻します。

TVアニメでもおなじみの名曲「マッキーナの歌」が劇中歌として使用されているのも本作の聴きどころ。主題歌「ロマンティックあげるよ」は、当時人気絶頂だった米米CLUBが担当し、大ヒットを記録しました。

『ドラゴンボール 魔神城のねむり姫』(1987年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

魔神城に眠る「ねむり姫」を巡る、悟空とクリリンの活躍を描いた作品です。亀仙人の家に弟子入りしたい悟空とクリリンは、亀仙人から試練として魔神城に眠るねむり姫を連れてくるよう命じられます。意気揚々と魔神城に乗り込んだ二人でしたが、そこには悪の魔導師・ガシャットが封印されていました。ガシャットの企みを阻止すべく、悟空とクリリンの死闘が始まります。

原作にはないオリジナルストーリーながら、豊かなファンタジー性や怪奇性あふれる本作は、「ドラゴンボール」の新たな一面を開拓した意欲作と言えるでしょう。特に、これまでのギャグテイストから一転、終盤の激しいバトルシーンは必見。悟空の真剣な姿や、クリリンの驚きの活躍ぶりなど、この頃の二人の凄みを存分に味わえます。

本作の大ヒットを受け、この後「ドラゴンボール」劇場版は毎年夏に新作が公開されることになります。1980年代の「東映まんがまつり」を代表する人気コンテンツに成長したのです。

『ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険』(1988年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

原作の「レッドリボン軍編」をベースに、オリジナル要素を加えた作品。ドラゴンボールを狙うミーファン国王が主催する武道大会に悟空とクリリンが出場します。その目的は、大会優勝者にドラゴンボールを授ける「四星球」を手に入れることでした。しかし、大会の裏には国王の弟・桃白白の陰謀が渦巻いていたのです。

本作は、原作では描かれなかった悟空とクリリンの修行時代の活躍を描いた人気エピソード。原作を知らない観客でも楽しめるよう、物語を一新。スピード感あふれるストーリー展開と、迫力のバトルシーンが売りとなっています。特に、ラスボス・桃白白との死闘は圧巻の出来栄え。「かめはめ波」と「どどん波」のぶつかり合いは、スクリーンならではのスケール感です。

この頃には、全国各地に「ドラゴンボール」ブームが到来。本作の劇場公開時には、前売り券の売上枚数が100万枚を超えるなど、社会現象に発展しつつありました。大ヒットによって「ドラゴンボール」の人気と地位は不動のものとなり、以降の展開にも大きな弾みをつけたのです。

『ドラゴンボールZ オラの悟飯を返せッ!!』(1989年) あらすじと見どころ

「ドラゴンボールZ」としては初の劇場版にして、悟空とピッコロの共闘が見どころの作品です。ラディッツ戦から約1年、悟空とチチの息子・悟飯がさらわれてしまいます。犯人はガーリック Jr.とその一味。永遠の命を手に入れ、地球征服をたくらむガーリック Jr.に、悟空とピッコロが立ち向かいます。

TVアニメでは、この頃からサイヤ人編が始まったばかり。本作は、そのTVシリーズの流れに沿いつつ、劇場版オリジナルの物語を展開しています。登場キャラは原作に忠実ながら、悟飯誘拐の黒幕としてガーリック Jr.が登場するのが本作の肝。伏線もほとんどない唐突な設定ながら、強敵としてしっかり役割を果たしています。

見どころは、なんといっても悟空とピッコロのタッグバトル。もともと宿敵同士だった二人が息子を救うため手を組み、ガーリック Jr.に挑む姿は爽快そのもの。悟空とピッコロの掛け合いも絶妙で、「ドラゴンボールZ」の新しい一面を感じさせてくれます。公開から30年以上たった今なお色褪せない、第1期を代表する名作アクション映画です。

『ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ』(1990年) あらすじと見どころ

人造人間が初登場する、「ドラゴンボールZ」を代表する人気作。ドクター・ウィローとその助手・コーチンの企みにより、亀仙人やクリリンが次々に襲われます。やむなく出動した悟空でしたが、なんとピッコロまでもが洗脳されてしまい、最大のピンチを迎えることに。

原作では、トランクスの登場と同時に人造人間の存在が明らかになりました。しかし、本作では、それよりもかなり前の時期に人造人間が登場。悪の科学者ドクター・ウィローが、ドラゴンボールの力を得るために、より強力な人造人間を作り出すのです。この映画オリジナルの設定は、のちの人造人間編へのつなぎとしても機能しています。

見どころの一つは、ドクター・ウィローの研究所が舞台となる終盤の展開。全身サイボーグ化したウィローと、悟空の死闘シーンは迫力満点です。また、一時は悪に染まったピッコロがラストで悟空に協力するシーンも感動的。「ドラゴンボールZ」屈指の人気キャラクター・ピッコロの魅力をたっぷりと堪能できる作品と言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦』(1990年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

本作の最大の敵は、サイヤ人の戦士・ターレス。惑星ベジータが壊滅する以前に地球に降り立ったターレスは、「神の樹」を植え、全人類の生命エネルギーを奪って不老不死の力を得ようと企みます。ピッコロをはじめ、地球の戦士たちがターレスに挑みますが、誰もその圧倒的な力敵わず、瀕死のピンチに。そこへ、「界王拳」を習得した悟空が駆けつけ、宿命のサイヤ人対決が始まるのでした。

公開当時のキャッチコピーは「悟空が二人!?」。そのフレーズ通り、悟空にそっくりなターレスの登場が最大の注目ポイントです。対の存在として描かれた、正義のサイヤ人・悟空と、悪のサイヤ人・ターレスの戦いは、まさにこの映画のために用意された夢の一戦。「界王拳」を駆使する悟空のパワーアップシーンと、そこから繰り広げられる大迫力のバトルは、「ドラゴンボールZ」映画の中でも屈指の盛り上がりを見せてくれます。

もう一つ見逃せないのは、悟飯とクリリンの活躍。互いに助け合いながらターレスの配下と戦う二人の姿は、師弟コンビの絆の深さを感じさせてくれるでしょう。TVアニメ本編では、まだまだ悟空頼みだった彼らが、映画の中ではすっかり頼もしい戦士へと成長しているのです。

『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』(1991年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

「ドラゴンボールZ」の象徴とも言える、悟空の「超サイヤ人」化がついに劇場版でも描かれた記念碑的な作品。フリーザを倒して平和を取り戻した地球に、最強のサイヤ人と謳われるスラッグが襲来。ナメック星人と地球人を奴隷にするため、地球を氷の惑星へと変えようと企むスラッグに、悟空たちが立ち向かいます。

TVアニメでの「フリーザ編」が本作の数か月前に完結したばかりのタイミングでの公開だったこともあり、観客の期待値は非常に高かったと言えるでしょう。まさに、その期待に応える形で描かれたのが、劇中でのスラッグとの戦いです。当時の観客を熱狂させた、悟空の「超サイヤ人」化シーンは圧巻の一言。怒りをバネに覚醒する、金髪で青い眼をした悟空の姿は、今なお「ドラゴンボールZ」を代表する名シーンとして語り継がれています。

また本作では、超サイヤ人となった悟空との対決以外にも、見どころが満載。スラッグの配下であるアンガイラ、ドロドリアとの戦闘では、ピッコロが大活躍。巨大化したスラッグとの最終決戦では、悟飯とクリリンがアシストに回るなど、脇を固めるキャラクターたちの見せ場も十分に用意されていました。興行収入13億円を記録した大ヒット作であり、「ドラゴンボールZ」ブームを決定的なものにしたと言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強』(1991年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

悟空亡き後の地球を舞台に、フリーザの兄・クウラが引き起こす惨劇を描いた作品。クウラは、かねてからサイヤ人を脅威に感じ、その抹殺を狙っていました。復活を遂げた悟空たちサイヤ人に復讐すべく、地球に襲来。超パワーを誇るクウラに、悟飯やベジータがどう立ち向かうのか、そして復活した悟空が間に合うのかが見どころとなっています。

本作では、宿敵フリーザを倒したことで平和になったかに思えた世界に、再び強敵が現れるという衝撃的な展開が用意されています。しかも、その強敵はフリーザの兄というだけあって、圧倒的な力を誇るクウラ。まだ超サイヤ人への変身を果たしていない悟飯やベジータにとって、クウラは絶望的な存在として立ちはだかります。

そんな中でも、悟飯の活躍ぶりは特筆すべき点と言えるでしょう。ピッコロと力を合わせてクウラと渡り合う姿は頼もしいの一言。一方のベジータは、クウラとの一騎打ちを通じて、「超ベジータ」へと変身を遂げます。この形態は劇場版オリジナルの設定でしたが、TVアニメ本編でも「超ベジータ」の活躍が描かれるなど、ファンの間で広く浸透した人気の変身です。

『ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち』(1992年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

メタルクウラ軍団が地球に攻めてくる中、孫悟空とベジータの共闘が描かれた作品。再生を果たしたクウラは、メタルクウラと呼ばれるサイボーグとなり、配下の人造人間軍団とともに地球侵略を開始します。最強のタッグを結成した悟空とベジータが、この窮地をどう切り抜けるのかが注目ポイントです。

前作で超サイヤ人となったベジータが、劇場版では悟空とバディを組むというのが最大の見どころ。ライバル関係にあった二人が、強敵メタルクウラに挑むため、互いの実力を認め合いながら戦いに挑む姿は爽快そのもの。お互いに負けじと戦う、まさに「最強対最強」の対決は、当時の観客の興奮を大いにかき立てました。

本作のもう一つの注目ポイントは、地球の危機に応じて立ち上がる面々の活躍ぶり。悟飯やピッコロはもちろん、天津飯やクリリンも大活躍。既に超サイヤ人の力に目覚めていたトランクスの参戦シーンも必見です。TVアニメでは脇役に回ることも多かったキャラクターたちが、存分に暴れまわる痛快なバトルアクションは、劇場版ならではの魅力と言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人』(1992年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

正義のために戦う人造人間が登場する、シリーズ屈指のSFアクション大作。ドクター・ゲロによって造られた人造人間13号、14号、15号の目的は、なんと孫悟空の抹殺でした。しかし、悟空たちとの交流を通じて、人造人間たちは悟空に対する尊敬の念を抱くようになります。そんな中、人造人間13号は悟空を「ターゲット」に定め、地球に戦いを挑んでくるのです。

人造人間というと、これまでの作品ではどちらかというと「敵」として描かれてきました。しかし、本作では人造人間が「正義の味方」として登場。13号、14号、15号はそれぞれに個性的なキャラクター性を与えられ、悟空たちとの友情や信頼関係が丁寧に描かれています。中でも、ラストでの13号の心情の変化は感動的。自らの意志で悟空への尊敬を貫き通す姿は、人造人間の新たな魅力を開拓したと言えるでしょう。

バトルシーンでは、悟空とベジータに加え、未来から来たトランクスが大活躍。13号との戦いで「未来」トランクスが超サイヤ人になるシーンは、本作の名場面の一つです。人造人間との対決以外にも、ブロリーと初めて対峙するシーンなど、後のシリーズ作品への布石も多数登場。「ドラゴンボールZ」の歴史の中でも重要な1本と位置づけられる作品と言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』(1993年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

伝説の超サイヤ人・ブロリーを迎え撃つ、悟空たちの戦いを描いた長編アクション大作。かつて惑星ベジータで悟空と同じ日に生まれたブロリーは、驚異的な戦闘能力を秘めていました。そんなブロリーの力を悪用しようと企む父親のパラガスは、ブロリーとともに新惑星ベジータで復讐を果たそうと目論みます。その陰謀に気づいた悟空たちは、ブロリーの猛攻を食い止めるべく、新惑星ベジータに乗り込むのでした。

公開当時、「ドラゴンボールZ」の劇場版としては初の長編作品となった本作。その見どころは、何と言っても圧倒的な存在感を放つブロリーの登場です。幼少期の悟空への恨みを抱き、常軌を逸した破壊行動に及ぶブロリーは、「ドラゴンボールZ」史上最強の敵とも称されるほどのインパクトを残しました。その強大な力は、悟空やベジータ、トランクスの超サイヤ人パワーをもってしても歯が立たないほど。まさに、絶望的な状況下での死闘が、本作の大きな魅力となっています。

また、惑星ベジータ消滅時の悟空とブロリーの確執、そしてそれが現在に至るまでの因縁など、重厚なドラマ性も本作の見どころ。TVアニメ本編では登場しないキャラクターながら、ブロリーは瞬く間に絶大な人気を集め、その後も「ドラゴンボールZ」の象徴的なキャラクターとして君臨し続けています。まさに、「ドラゴンボールZ」映画の金字塔と呼ぶにふさわしい名作と言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴』(1993年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

孫悟空の息子・悟飯が主人公となって活躍する、青春アクション作品。高校生となった悟飯は、ミスター・サタンの娘・ビーデルや、トランクスたちとともに天下一武道会に参加します。そこでは、かつて悟空によって倒された宇宙海賊ボージャックが、腹心の部下たちとともに優勝を狙っていました。果たして、悟飯はその強敵を退けることができるのか。そして、あの世で修行に励む悟空は、息子の危機に駆けつけることができるのか。

本作は、原作漫画完結後の世界が舞台。超サイヤ人の力に覚醒し、セルを倒した悟飯が主役を務めるのが最大の特徴です。父・悟空の背中を追い、正義のために戦う悟飯の姿は、もはや頼れる一人前の戦士。その成長ぶりを描くとともに、高校生らしい等身大の日常や、ビーデルとの恋の行方なども丁寧に描かれています。

バトルシーンでは、悟飯VSボージャック軍団の激闘に注目。特に、ボージャックとの一騎打ちは必見です。圧倒的不利な状況で、持ち前の頑張り屋精神で戦い抜く悟飯の姿は、観る者の胸を打つこと間違いなし。さらに、ラストでは悟空の魂が息子を鼓舞するという感動的な場面も。親子の絆の強さ、そして「ドラゴンボール」の真髄たる「守るべき者のために戦う」というテーマを見事に表現した作品と言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』(1994年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

悟空亡き後の地球で再び平和が脅かされる中、悟飯とトランクス、そして悟天の活躍が描かれた作品。かつて悟空によって倒されたブロリーが、ナタデ村への隕石落下とともに復活を遂げます。一方、高校生となった悟飯は、ビーデルや弟の悟天と共にドラゴンボール探しの旅に出ていました。そんな中、悟空への復讐に燃えるブロリーが悟飯たちの前に立ちはだかるのです。

本作では、前作でも活躍した悟飯が、さらなる成長を遂げた姿で登場します。かつてのように父・悟空の助けを借りることなく、自らの力で平和を守る立派な戦士へと変貌を遂げているのです。また、幼い頃から天才的な才能を見せていた悟天やトランクスも、ここでは悟飯とともに戦いの前線に立つ頼もしい存在として描かれています。

そんな彼らの前に立ちはだかるのが、怒りと憎しみに身を焦がすブロリー。かつて悟空に敗れたことで増幅された執念が、更なるパワーアップを生み出しているのです。そのブロリーに挑む悟飯やトランクス、悟天の奮闘ぶりは、TVアニメでは描かれなかった「ドラゴンボールZ」の新たな一面と言えるでしょう。父の意志を継ぎ、仲間と力を合わせて戦う若き戦士たちの姿は、「ドラゴンボール」シリーズの新しい可能性を感じさせてくれます。

『ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』(1994年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

バイオ戦士を率いるジャガー・バッター男爵の野望に、悟天とトランクス、人造人間18号が立ち向かうバトルアクション。ミスター・サタンの昔なじみであるバッター男爵は、かねてからサタンへの恨みを抱いていました。その鬱憤を晴らすべく、バイオ戦士を送り込んでサタンに決闘を挑んでくるのです。しかし、そこへ現れたのは、サタンに同行していた悟天、トランクス、18号の3人でした。

本作の注目ポイントは、なんといっても悟天とトランクスの活躍ぶり。幼いながらも超サイヤ人の力を発揮し、次々とバイオ戦士を撃破していく二人の姿は爽快そのもの。強敵に挑む真剣な眼差しと、仲間を守るために戦う勇気は、まさに孫悟空の面影を感じさせます。また、クリリンの妻となった18号も大活躍。クールな佇まいながらも、仲間想いの熱い心を垣間見せる姿は、ファンにとってはたまらない魅力と言えるでしょう。

物語のクライマックスでは、なんとブロリーの生体サンプルから生み出されたバイオブロリーが登場。悟天とトランクスは、その圧倒的な力の前に苦戦を強いられます。しかし、二人は決して諦めることなく、最後まで戦い抜く力強さを見せつけてくれました。その姿は、「ドラゴンボール」の真髄である「仲間との絆」と「諦めない心」を体現するものと言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ』(1995年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

魔人ブウ編のその後を描いた作品であり、「フュージョン」の力で悟空とベジータが合体する姿が見どころ。ある日、あの世の閻魔大王のところで働く赤鬼と青鬼が喧嘩をし、赤鬼が地獄の底にいたジャネンバを釈放してしまいます。するとたちまち、現世と冥界の区別がつかない大混乱に。そこで、かつての強敵たちも復活し、地球に襲来するのでした。窮地に立たされた悟飯たちの前に、悟空とベジータが現れ、「フュージョン」によって合体。最強の戦士ゴジータとなって、事態の収拾に乗り出します。

本作最大の注目ポイントは、なんといっても悟空とベジータの「フュージョン」です。ライバル関係にあった二人が、戦いの中で徐々に信頼を深め合っていくさまは、まさに「ドラゴンボールZ」の醍醐味。そして、ゴジータとなった二人が見せる圧倒的な強さは、観る者を興奮のるつぼに引きずり込むこと間違いありません。必殺技「ビッグバンかめはめ波」の迫力は、スクリーンならではのインパクトです。

また、本作では魔人ブウ編で活躍したキャラクターたちも多数登場。悟飯をはじめ、ピッコロ、悟天、トランクスなどが、それぞれの個性を存分に発揮しながら戦います。中でも、悟飯の奮闘ぶりは見応え十分。TVアニメ本編で不遇とも言えた扱いを受けていた彼ですが、ここでは文字通り「一家の大黒柱」としての貫禄を見せつけてくれました。「ドラゴンボール」シリーズに欠かせない名脇役たちの熱演も、本作の大きな魅力と言えるでしょう。

『ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』(1995年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

シリーズ完結編として位置づけられた劇場版第16弾。ある時、魔導師ホイの策略によって、異次元から伝説の戦士・タピオンが呼び出されます。しかし、それは破壊神・ヒルデガーンの封印を解くための罠でした。怪物の脅威にさらされる地球を守るため、悟空やベジータ、悟飯たちがタピオンとともに立ち上がります。はたして、Z戦士は最強の敵・ヒルデガーンに打ち克つことができるのか。

本作は、原作漫画の完結から10年以上の時を経てつくられた、まさに「ドラゴンボールZ」の集大成とも言える作品。その見どころは、何と言っても悟空の「龍拳爆発」です。ヒルデガーンとの決戦で、悟空が放つ究極の技は、まさに圧巻の一言。「元気玉」をも凌ぐスケールと迫力は、「ドラゴンボールZ」の歴史に新たな1ページを刻んだと言っても過言ではないでしょう。

また、本作では「時の界王神」や「フュージョン」など、TVアニメ本編の人気エピソードを上手く取り入れているのも魅力。タピオンとの友情や、トランクスの成長物語なども丁寧に描かれ、「ドラゴンボールZ」の集大成にふさわしい感動的なストーリーが展開されます。26億円の興行収入を記録した本作は、まさに「ドラゴンボールZ」の歴史に輝かしい幕引きを飾った記念碑的な作品と言えるでしょう。

『ドラゴンボール 最強への道』(1996年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)鳥山明

原作の「サイヤ人編」までをダイジェストで振り返る、「ドラゴンボール」の集大成的な作品。悟空の幼少期から、ラディッツ、ベジータ、ナッパとの戦いまでが、迫力のアニメーションで描かれます。過去の名シーンの数々が、最新の映像技術で美しく蘇生。「ドラゴンボール」の歴史を振り返るには最適の1本と言えるでしょう。

注目ポイントは、何と言っても悟空の成長物語。純粋で正義感の強い少年が、数々の修行と戦いを通じて、地球を守る立派な戦士へと成長していく過程は、今なお多くのファンを魅了してやみません。特に、悟空とクリリンの師弟コンビは、「ドラゴンボール」の心温まるエッセンスそのもの。亀仙人の下で共に汗を流し、ライバルとして切磋琢磨する二人の姿は、「友情」という言葉の真の意味を教えてくれます。

また、ピッコロ大魔王との死闘や、天下一武道会での活躍なども、原作の名シーンを忠実に再現。「ドラゴンボール」の原点回帰を目指した本作は、昔からのファンにとっては往年の興奮が蘇る作品であり、新しいファンにとっては入門編としても最適の1本と言えるでしょう。「ドラゴンボール」の持つ普遍的な魅力が凝縮された、まさに不朽の名作と呼ぶにふさわしい映画です。

ドラゴンボールの映画シリーズ第2期(2013年〜)

『ドラゴンボールZ 神と神』(2013年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)20世紀スタジオ(C)鳥山明

「ドラゴンボール」シリーズ復活の狼煙を上げた第2期第1弾にして、破壊神ビルスが初登場する記念碑的な作品。かつて東の界王神を倒した伝説の破壊神・ビルスが目覚め、夢の中で見た「超サイヤ人ゴッド」を探すため地球にやって来ます。はたして、悟空はビルスが探し求める「超サイヤ人ゴッド」になれるのか。そして、全宇宙の危機を救うことができるのか。

本作最大の注目ポイントは、なんといっても「超サイヤ人ゴッド」の登場です。これまでの「超サイヤ人」の概念を覆す、新たな変身がここに誕生しました。六人の「純粋なサイヤ人」の力を一人に集中させることで発現するその姿は、赤い髪とオーラが特徴的。その圧倒的なパワーは、破壊神をも凌駕するほどで、まさに「神」の名にふさわしい存在と言えるでしょう。

また、破壊神ビルスというキャラクターも本作の大きな魅力。一見すると気まぐれで我儘そうな彼ですが、その胸に秘めたるものは「破壊と創造」のバランス。最強の破壊神でありながら、美食家でもあるというギャップも魅力的です。ビルスと破壊神の師・ウイスとの掛け合いなど、コミカルな部分にも注目です。シリーズ復活という大役を担った本作は、「ドラゴンボール」の新たな可能性を切り開いた記念碑的な1本。興行収入は、歴代1位の50億円を記録しました。

『ドラゴンボールZ 復活の「F」』(2015年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)20世紀スタジオ(C)鳥山明

かつて悟空に倒されたフリーザが、ドラゴンボールによって復活し、悟空たちに再戦を挑む超大作。復活したフリーザは、独自のトレーニングによって更なるパワーアップを遂げていました。悟空とベジータは界王神の世界で修行に励み、新たな力を手に入れます。そして、地球の命運をかけた壮絶な戦いの火蓋が切って落とされるのです。

本作は、「ドラゴンボール」の代表的な宿敵・フリーザの復活という、ファン待望の展開が大きな見どころとなっています。ゴールデンフリーザと呼ばれる新たな姿は、その名の通り黄金色に輝く体が特徴。その圧倒的な戦闘力は、悟空たちにとって未曾有の脅威と言えるでしょう。また、フリーザ軍の残党によるドラゴンボール強奪など、かつてのフリーザ編を彷彿とさせる展開もファンの興奮を掻き立てます。

一方、本作のもう一つの注目ポイントは、悟空とベジータの新形態です。界王神の世界で修行を積んだ二人は、それぞれ「超サイヤ人ゴッドSS」と「超サイヤ人ゴッドSSエボリューション」へと変身。青く輝く髪と、ゴールデンフリーザを上回る戦闘力は、まさに圧巻の一言です。宿命のライバル対決と言える、悟空VSフリーザの戦いは必見。「ドラゴンボール」史上最高のバトルアクションが展開されます。前作を上回る興行収入52億円を記録した本作は、「ドラゴンボール」人気の不動性を証明した金字塔と言えるでしょう。

『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)20世紀スタジオ(C)鳥山明

かつて劇場版オリジナルキャラクターとして登場し、圧倒的な人気を誇ったブロリーが、全く新しい設定で再登場する作品。惑星ベジータでは、ブロリーとその父親のパラガスが、王であるベジータに反逆の疑いをかけられ、辺境の惑星に追放されていました。一方、現代の地球では、フリーザ軍の生き残りが、かつてフリーザが探していた「超サイヤ人」の伝説をたどるため、ブロリーの居場所を突き止めようとしていたのです。そんな中、悟空とベジータがブルマの依頼でドラゴンボールを探しに出かけたことから、全ての運命が動き始めます。

本作最大の注目ポイントは、言うまでもなくブロリーの再登場です。これまでの「伝説の超サイヤ人」という設定から一新され、悟空やベジータ、そしてフリーザとの因縁が丁寧に描かれています。幼少期から驚異的な戦闘力を持っていたブロリーが、父パラガスの過酷な環境下で、いかにして最強の戦士へと成長を遂げたのか。その過程は、「ドラゴンボール」ファンのみならず、多くの映画ファンの心を震わせずにはいられないでしょう。

加えて、本作では新ブロリーの戦闘シーンにも大きな注目が集まっています。怒りをエネルギーに変える「狂戦士」の力を得たブロリーは、悟空やベジータを圧倒する強さを見せつけます。互角以上の勝負を演じる悟空とベジータの「超サイヤ人ブルー」との激闘は、まさに圧巻の一言。スクリーンを埋め尽くす迫力のバトルアクションは、「ドラゴンボール」シリーズの新たな金字塔と言えるでしょう。

また、本作では「ドラゴンボール」の過去の歴史にも大きく迫っています。ブロリーと悟空、ベジータの父親たちの関係性が明らかになることで、これまで謎に包まれていたサイヤ人の歴史の一端が垣間見えます。まさに「ドラゴンボール」の集大成とも言える内容は、長年のファンにとって堪らない魅力となっているのです。

『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(2022年) あらすじと見どころ

(C)東映株式会社(C)Crunchyroll(C)Sony Pictures Entertainment Inc.(C)鳥山明

ピッコロと悟飯の活躍が描かれた最新作。かつて悟空たちに敗れ去った「レッドリボン軍」の生き残りを率いる、ドクター・ヘドが登場。彼が生み出した究極の人造人間・ガンマ1号、ガンマ2号が、地球に甚大な被害をもたらそうとしていました。窮地に立たされたピッコロと悟飯は、自らの誇りと信念を胸に、地球の平和を守るため立ち上がるのです。

本作は、これまでの劇場版とはひと味違うCGアニメーション作品となっています。3DCGで描かれたキャラクターたちの躍動感あふれるアクションは、「ドラゴンボール」の新たな魅力を引き出すことに成功。特に、ピッコロのダイナミックな戦闘シーンは、長年のファンをも唸らせる出来栄えです。また、親子二代で悪に立ち向かう悟飯とパンの姿も、本作のハイライトと言えるでしょう。

ストーリー面では、「レッドリボン軍」や人造人間といった、原作の人気エピソードを上手く取り入れているのが特徴です。往年の名シーンの数々が、最新の映像技術で鮮やかに蘇ります。加えて、ピッコロと悟飯の絆や、父となった悟飯の心境の変化なども丁寧に描写。バトルアクション以外の部分でも、大人のファンの心を揺さぶる要素が満載なのです。

そして、本作最大の見どころは、やはりラストの盛り上がりでしょう。窮地に陥った悟飯のピンチを救うべく、ピッコロが放つ最後の力。その圧倒的な強さと、ピッコロの男気あふれる姿は、多くの観客の涙を誘ったと言います。まさに、「ドラゴンボール」の真髄とも言える感動のクライマックスです。公開から1か月足らずで興行収入40億円を突破した本作。「ドラゴンボール」の人気は、今なお衰えることを知りません。

まとめ

「ドラゴンボール」シリーズの劇場版アニメーションは、1986年の第1作から2022年の最新作まで、実に21本もの作品が公開されてきました。テレビアニメ本編とは異なる展開や、オリジナルキャラクターの登場など、ファンを飽きさせない工夫が随所に凝らされているのが特徴です。また、最新の映像技術を駆使した迫力のバトルシーンは、スクリーンならではの魅力と言えるでしょう。

そして何より、「ドラゴンボール」の普遍的なテーマが、各作品に脈々と受け継がれているのが見どころです。「強さを求める」「仲間を大切にする」「諦めない心」……。孫悟空たちが体現するこれらの価値観は、年代や国境を越えて、多くの人々の心を打ち続けています。まさに、「ドラゴンボール」という作品が持つ魅力の核心部分と言えるでしょう。

35年以上にわたって愛され続ける「ドラゴンボール」。その歴史の中で、劇場版アニメーションが果たした役割は決して小さくありません。新旧のファンが一堂に会し、スクリーンの中の悟空たちと一緒に冒険できる貴重な機会を提供し続けてきたのです。本記事で紹介した以外にも、TVアニメの劇場版や共同制作の海外版など、まだまだ語り尽くせない作品が数多く存在します。それだけ奥深く、多彩な魅力を秘めているのが「ドラゴンボール」という作品なのです。

繰り返し観ても色褪せない驚異のエンターテインメント。世代を超えて楽しめる冒険と感動。「ドラゴンボール」の劇場版アニメーションは、そんな魅力に溢れた作品群だと言えるでしょう。ぜひ、この機会にあなたも劇場版「ドラゴンボール」の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。きっと、新たな発見と興奮が待っているはずです。