【ネタバレあり】感動の人間ドラマ!『ベイビーブローカー』のあらすじと見どころを解説

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『ベイビーブローカー』基本情報

キャスト・スタッフ

『ベイビーブローカー』は、是枝裕和監督が脚本・編集も務めた作品です。主演は韓国の名優ソン・ガンホ、共演にカン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、IU(アイユー)、イ・ジュヨンといった豪華キャストが集結。ソン・ガンホは第75回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞するなど、本作での演技が高く評価されました。

公開日・上映時間など

『ベイビーブローカー』は、2022年6月8日に韓国で公開され、同年6月24日より日本でも上映が開始されました。上映時間は129分。第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、是枝裕和監督の韓国映画界初進出作となる話題作です。

『ベイビーブローカー』のあらすじ【ネタバレ注意】

物語の発端 – 赤ちゃんポストに預けられた乳児

(C)CJ ENTERTAINMENT AND MERCHANDISING(C)ギャガ株式会社

雨の夜、教会にある赤ちゃんポストに一人の女性が赤ん坊を預ける姿が映し出されることから物語は始まります。赤ん坊の名前はウソン。母親のソヨンは、ウソンに「いつか必ず迎えに来る」とのメモを残していました。その後、ウソンは教会のボランティアスタッフ・ドンスと、クリーニング店主のサンヒョンの手によって引き取られます。しかし彼らの真の目的は、赤ちゃんを闇ルートで養子に出すブローカーとして金儲けをすることでした。

ブローカーたちとソヨンの出会い – 母と息子、そしてブローカー

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ソヨンはウソンを取り戻すために、ドンスとサンヒョンを追いかけます。ウソンを違法に取引しようとしていることを知ったソヨンでしたが、金銭的に困窮していたため、自らもブローカーに加担することを選択。息子・ウソンの養子縁組の成功報酬を目指し、ドンスやサンヒョンとともに新たな里親探しの旅に出ます。

その一方、警察官のスジンとデグは、ブローカーたちの不正を追うことになります。ウソンの違法取引の証拠をつかもうと、スジンは執念を燃やします。ソヨン、ドンス、サンヒョン、そしてスジンとデグ。それぞれの思惑が交錯する中、ウソンの運命やいかに。

養護施設での新たな家族の形成

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次なる里親候補を探すため、一行は養護施設に身を寄せることに。そこで、ドンスの幼少期を知る施設長や、ドンスを慕う男の子・ヘジンと出会います。ヘジンもまた、一緒に旅をすることになります。

時間を共にする中で、ソヨン、ウソン、ドンス、サンヒョン、ヘジンの5人の間には、次第に家族のような絆が芽生えていきました。特にドンスは、かつて自身も捨て子だったことから、ソヨンの心情に共感。彼女を理解し、支えようとします。

里親候補との面会と葛藤

ついに見つかった養子先の夫婦。しかしその夫婦が提示した条件は、ソヨンとの面会を二度と許さないことでした。我が子との永遠の別れ。それでもウソンの将来を考え、養子に出すことを決意するソヨン。

だがソヨンの心の内には、迷いが生まれていました。ドンスとサンヒョン、ヘジンとの時間を通して、ウソンとの絆を実感していたからです。母としての責任と、子を手放す苦しみ。ソヨンの胸の内は引き裂かれんばかりです。

ラストシーン – 3年後、ウソンを巡る話し合い

それから3年後。事件の全容が明らかになり、ソヨンとドンスはそれぞれの罪を償い、刑務所から出所します。二人を待っていたのは、ウソンの養母となった夫婦でした。スジンの呼びかけにより、ウソンの今後を話し合う場が設けられるのです。

ソヨン、ドンス、ウソンの養母、そしてヘジン。めぐりめぐって再会した彼らは、ウソンにとっての幸せを真剣に話し合います。一同の思いが一つになったとき、一台の車が彼らの前に現れるのでした。

『ベイビーブローカー』の見どころ3選

是枝監督ならではの繊細な人間ドラマ

映画『ベイビーブローカー』は、『万引き家族』などで知られる是枝裕和監督が、初めて韓国で製作した作品です。家族の形やつながりをテーマにした是枝監督ならではの視点が、本作でも発揮されています。

血のつながりのない者同士が織りなす家族のような絆。親子の情愛。法では裁けない人間ドラマ。登場人物たちの心の機微を丁寧に描写した脚本は、観る者の心を揺さぶります。

社会問題への向き合い方

本作は、赤ちゃんポストや養子縁組、ブローカー問題など、韓国の社会的課題を浮き彫りにしています。

是枝監督は、登場人物たちの生き様を通して、それらの問題に多角的に迫ります。社会の仕組みにはまらない彼らを、単に善悪で裁断するのではなく、理解しようとする姿勢が作品に表れています。観客もまた、一人ひとりの事情に思いを馳せずにはいられません。

韓国の名優たちの熱演

『ベイビーブローカー』には、韓国映画界を代表するソン・ガンホをはじめ、実力派俳優陣が集結。個性豊かな登場人物たちを、渾身の演技で体現しています。

母親役のイ・ジウンは、ソヨンの葛藤と愛情を繊細に表現。カン・ドンウォンとペ・ドゥナの名コンビぶりも見逃せません。IUはアイドルから女優へ、新たな一面を見せています。彼らの演技あってこそ、作品世界に深みが増していると言えるでしょう。

まとめ『ベイビーブローカー』を一言で表すと

『ベイビーブローカー』は、血縁を越えた絆を示す感動の人間ドラマです。直面する困難や悲しみ。登場人物たちはそれぞれの過去を背負っていますが、出会いを通して、互いを思いやる力を得ていきます。

提示された社会問題の答えは、簡単には出せません。しかしだからこそ、人と人との心のつながりが、かけがえのないものだと教えてくれる作品だと言えます。