【余命10年】感動の物語!あらすじを徹底解説

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『余命10年』とは?

小坂流加による感動作

『余命10年』は、2007年に小坂流加によって書かれた感動小説です。小坂自身も原因不明の難病を患っており、闘病生活の中で本作を執筆しました。2022年3月時点で小説の発行部数は80万部を突破する大ベストセラーとなっています。

余命宣告をきっかけに人生を見つめ直す

本作は、難病に侵され余命わずか10年だと宣告された20歳の女性・茉莉を主人公に、残された時間を懸命に生きる姿を描いた物語です。2022年には小松菜奈と坂口健太郎の主演で映画化もされ、「彼女は最後の10年を生きる。まるで、人生の始まりみたいに」というキャッチコピーとともに大きな話題を呼びました。茉莉の姿を通して、私たち一人ひとりが残り少ない人生をどう生きるかを考えさせられる、心に残る作品です。

『余命10年』のあらすじ(小説)

20歳で難病と診断された茉莉、余命10年の宣告

小説『余命10年』の主人公は、20歳の夏に難病を発症し、余命10年の宣告を受けた高林茉莉です。国の難病に指定されている遺伝性の肺の病を患った茉莉は、何度も発作に襲われ、手術も受けましたが、病状は改善せず、21歳の誕生日は朦朧とする意識の中で迎えてしまいます。

病と闘いながら夢を追い、懸命に生きる茉莉

それでも茉莉は諦めません。22歳の春、自宅療養が許可されると、茉莉は病と闘いながらも懸命に生きていきます。親友の藤崎沙苗に誘われ、アニメのコスプレイベントに参加したり、沙苗の同人誌に自分の漫画を載せてもらったりと、夢中になって過ごす日々。少しずつ描いた漫画は、やがて同人誌として完成させるまでになりました。

純粋な愛で結ばれる茉莉と和人

25歳の春、茉莉は地元の同窓会で初恋相手だった真部和人と再会します。「昔から茉莉のことが好きだった」と告白する和人に、茉莉も次第に惹かれていきます。しかし、余命わずかな自分の病気を和人に明かした茉莉は、和人から結婚を申し込まれても「最後の時間を一緒に過ごしてほしい」と言われても、身を引いてしまうのでした。

親友との絆、家族の愛情に支えられて

姉の桔梗が結婚して群馬に戻ったことをきっかけに、茉莉は疎遠になっていた小学校時代の親友・美幸とも再会。病気のことを隠し続けながらも、沙苗や美幸、そして姉の桔梗など、周囲の大切な人たちの愛情に支えられ、茉莉は前を向いて生きています。親友の沙苗が結婚する際には、心を込めてウエディングドレスを仕立てるなど、かけがえのない絆を築いていきました。

最期まで全力で漫画家の夢を追いかける

残された時間を大切に、茉莉は漫画に全力で打ち込みます。ついに茉莉の漫画は雑誌に掲載され、単行本も出版される夢を叶えました。しかし病状は悪化の一途をたどり、和人への叶わぬ想いを胸に、茉莉は27歳の冬、ついに息を引き取ります。ちっぽけで儚くとも、愛おしく尊い茉莉の人生。最期まで夢と愛を追い続けた茉莉の生き様は、私たちに問いかけます。残された時間をどう生きるのか…と。

映画『余命10年』のキャスト

小松菜奈演じる主人公・茉莉

(C)映画「余命10年」製作委員会

2022年公開の映画『余命10年』で、主人公の茉莉を演じたのは小松菜奈。難病に侵された茉莉が、残された時間を懸命に生きる姿を繊細に演じ切りました。小松の透明感のある演技で、茉莉のひたむきで儚げな人生が一層印象的に描かれています。

坂口健太郎演じるもう一人の主人公・和人

(C)映画「余命10年」製作委員会

茉莉の初恋相手で、彼女を深く愛する和人を演じたのは坂口健太郎。穏やかで優しい和人の佇まいを好演し、観客の共感を集めました。茉莉の病気を知っても変わらず愛し続け、最期まで支えようとする和人は、まさに理想の恋人像そのもの。坂口の演技で、2人の切ない恋模様に一層の深みが与えられています。

茉莉を支える親友・沙苗や姉・桔梗の姿

茉莉を支える親友・沙苗役の奈緒、姉の桔梗役の黒木華ら脇を固める俳優陣も素晴らしい演技を披露。原作よりも存在感のある描かれ方となっています。沙苗とのわきあいあいとした日常や、姉・桔梗の結婚と妊娠のエピソードなど、茉莉と周囲の人々との心温まる交流が、丁寧に積み重ねられていきます。

『余命10年』の見どころ5選

残された時間をどう生きるか

『余命10年』最大の見どころは、「残された時間をどう生きるか」という問いかけにあるでしょう。若くして余命宣告を受けた茉莉が、それでも夢や愛を追い続け、希望を失わずに生きる姿は、私たち一人ひとりに「人生とはなにか」「今をどう生きるべきか」を考えさせずにはいません。茉莉の選択は、生きることの意味を問う重要なメッセージとなっています。

家族や友人との絆の大切さ

親友や家族、恋人との絆もまた、本作の大きなテーマ。茉莉を支え続ける親友の沙苗や美幸、姉の桔梗、変わらぬ愛を注いでくれる和人。彼らとの何気ない日常や触れ合いが、茉莉の人生の支えとなり、深い意味を与えていきます。人と人との繋がりのかけがえのなさ、その尊さを心に響くように伝えてくれる、珠玉のヒューマンドラマと言えるでしょう。

障害を超えて結ばれる2人の純愛

茉莉と和人の恋愛模様にも心打たれます。病を抱える茉莉を、それでも変わらずに愛し続ける和人。2人の揺れ動く感情が丁寧に紡がれ、ついには運命の恋人同士として結ばれていく様は、胸が熱くなるほどの純愛譚。障害という壁を乗り越え、魂と魂で繋がり合う2人の姿に、愛の真髄を見る思いがします。

夢を追う勇気と覚悟

漫画家になることを夢見る茉莉の姿からは、夢を追うことの意味も感じ取れます。余命わずかな中でペンを走らせ続ける茉莉。その健気なまでの情熱は、「今を精一杯生きる」ことの大切さを私たちに語りかけているよう。たとえ叶わぬ夢でも、それを追い続ける勇気と覚悟こそが、人生に深い意味を宿すのだと、茉莉は身をもって教えてくれるのです。

美しい四季の移ろいと共に刻まれる思い出

儚くも美しい茉莉の人生は、春夏秋冬の美しい情景と共に描かれていきます。桜吹雪の春、波打ち際の夏、紅葉めく秋、雪の舞う冬。移ろいゆく季節と共に刻まれる一瞬一瞬の思い出は、生命のはかなさ、そして愛おしさを感じさせてくれます。儚げでありながら力強く生きる茉莉の姿は、四季の彩りを背景に一層の輝きを放っているのです。

まとめ:命の尊さと愛の深さを描いた感動作

『余命10年』が伝えたいメッセージ

余命わずかな中で、夢や愛を追い続ける茉莉の物語。『余命10年』が私たちに伝えたいのは、人生とは何か、生きるとは何かという普遍的なテーマです。茉莉が体現したのは、限られた時間をどう生きるべきかという問いへの一つの答え。希望を失わず、今を精一杯生きることの尊さを教えてくれる作品と言えるでしょう。

愛する人と過ごす一瞬一瞬の大切さ

『余命10年』が描くのは、茉莉と周囲の人々との絆の物語でもあります。彼女を支える家族や親友、恋人との何気ない日常が、茉莉の人生に深い意味を与えていきます。人と人が繋がり合うことのかけがえのなさ、愛する人と過ごす一瞬一瞬の尊さを、心に染みるように伝えてくれる珠玉のヒューマンドラマです。

限りある命をどう生きるか

そして何より、『余命10年』は「限りある命をどう生きるべきか」を問いかける作品です。最期まで夢を追い、愛する人を想い続けた茉莉。一瞬一瞬を愛おしむ彼女の生き様は、人生の意味とは何かを考えさせずにはいません。儚くとも愛おしい人生を力強く生ききった茉莉の姿は、私たちに生きるための深い示唆を与えてくれているのです。

茉莉が私たちに残してくれた勇気と希望

茉莉という一人の少女の物語を通して、『余命10年』は私たち一人ひとりに問いかけます。残された時間をどう生きるのか、人生で本当に大切なものは何なのかと。最期まで輝き続けた茉莉の生き様は、私たちに勇気と希望を与えてくれます。彼女が遺してくれたメッセージを胸に、前を向いて生きていく力をもらえる。そんな気持ちにさせてくれる感動作です。