【ネタバレあり】映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のあらすじと見どころを解説!

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「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」基本情報

監督・キャスト

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は、イタリアの巨匠セルジオ・レオーネが監督を務めた作品です。主演はロバート・デ・ニーロ、共演にジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジョー・ペシ、ジェニファー・コネリーなど豪華キャストが名を連ねています。

主要キャラクターのキャストは以下の通りです。

  • ヌードルス(演:ロバート・デ・ニーロ
  • マックス(演:ジェームズ・ウッズ
  • デボラ(演:エリザベス・マクガヴァン
  • フランキー(演:ジョー・ペシ

興行収入・受賞歴

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は公開当時、作品の魅力が十分に伝わらず北米での興行成績は芳しくありませんでした。しかし、その後、監督自身の編集による完全版が高い評価を得ます。主要な受賞歴は以下の通りです。

  • 英国アカデミー賞 作曲賞(エンニオ・モリコーネ)
  • ロサンゼルス批評家協会賞 作品賞・監督賞・脚本賞・作曲賞
  • ニューヨーク批評家協会賞 作品賞・監督賞

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のあらすじ【ネタバレ注意】

(C)ワーナー・ブラザース(C)エンバシー・インターナショナル・ピクチャーズ(C)ラッド・カンパニー

少年時代〜青年時代

1920年代、ニューヨークのユダヤ人移民街。ヌードルスとマックスは少年時代からの付き合いで、仲間とともに次第にギャングへの道を歩み始めます。ヌードルスは恋人デボラへの想いを募らせつつも、悪事を重ねていきます。仲間同士のいさかいから、ヌードルスはやむなく殺人を犯し、刑務所に送られることになりますが、出所後はマックスたちと再会し、禁酒法下の闇取引に乗り出します。

老年時代

時は流れ、1968年。ヌードルスはある日、昔を思い出させる手紙を受け取り、ニューヨークに戻ってきます。事件から逃亡した彼は、友人の裏切りにより、最愛の女性を失ったのでした。すべての因果が分かり、ヌードルスは長い眠りにつこうとしますが──

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の見どころ4選

巧みな回想シーン

本作は、老年のヌードルスの回想から始まり、少年時代、青年時代が交錯しながら物語が進みます。各シーンをつなぐ小道具の数々や、登場人物の成長を同じ俳優が演じ分ける手法は見事の一言。過去と現在を行き来する曖昧な構成が、ヌードルスの人生を色濃く反映しています。

ロバート・デ・ニーロとジェームズ・ウッズの名演技

若きギャングを情熱的に演じたデ・ニーロと、親友であり宿敵でもあるマックス役のウッズ。二人の確かな演技が、悲劇的な男たちの友情を深く印象付けます。特に、事件のキーマンとなるデボラ役のエリザベス・マクガヴァンとの三角関係は、ニューヨークを舞台に繰り広げられる男たちの生き様そのものです。

時代考証の緻密さ

1920年代から60年代までのニューヨークの街並みや、登場人物の衣装、小道具の数々は、およそ1年をかけて時代考証が行われました。雰囲気を最大限に引き出したセットの美しさは、観る者を時代にいざなう魔力を持っています。

エンニオ・モリコーネの印象的な音楽

ニューシネマパラダイス」「ウエスタン」など、数々の映画音楽で知られるイタリアの巨匠エンニオ・モリコーネ。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」でも、ヌードルスの心情を表すかのようなメロディを生み出しました。パンフルートの旋律は一度聞いたら忘れられない名曲です。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の舞台

1920年代のニューヨーク

舞台は1920年代のニューヨーク。第一次世界大戦後の好景気に沸く街では、闇取引や犯罪も横行していました。作中では、当時のニューヨークの雰囲気を生々しく切り取っており、ギャングたちの活躍の場としての街を如実に描いています。

ユダヤ人移民街

ヌードルスたちが生まれ育ったのは、ユダヤ系移民の多く住むブルックリンの下町です。故郷を離れ、貧しくも力強く生きる人々の姿は、ギャングに身を置く若者たちの原風景として物語の根底を流れています。

象徴的なシーンと衝撃的なラストシーン

作品を象徴するシーンの一つが、少年時代のヌードルスとデボラが別れ際に交わすキスシーン。二人の淡い恋心と、非情な運命を暗示するかのようなシーンは、後に大人になったヌードルスの心の奥底に強く焼き付いています。

ラストシーンは本作最大の見せ場です。ネタバレは避けますが、悲しみに暮れるヌードルスのアップから意味深なラストカットまで、レオーネ監督の真骨頂とも言える演出は見る者の脳裏に長く残ります。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の評価と影響力

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は、セルジオ・レオーネの集大成とも言える大作であり、一人の男の壮絶な人生を通して、時代や友情、愛憎の諸相を描き出しました。公開から30年以上経った現在でも色褪せることのない映像美と音楽、役者たちの熱演は、多くの映画人に影響を与え続けています。

近年ではマーティン・スコセッシ監督が「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」から強い影響を受けたことを公言。ジョーカー」を製作したトッド・フィリップス監督も、本作から着想を得たと語っています。また、「ブレイキング・バッド」のヴィンス・ギリガンは、物語のトーンの参考にしたと明かしました。

まとめ:「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は傑作ギャング映画

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は、ロバート・デ・ニーロ演じるヌードルスの波乱の生涯を通して、愛と友情、裏切りが交錯する男たちの生き様を映し出した傑作です。セルジオ・レオーネ監督の手腕が遺憾なく発揮された映像と、エンニオ・モリコーネの音楽が織りなす圧倒的な没入感。一人の男の人生の光と影が詰まった、類まれな大作です。

現在、本作はAmazon Prime Videoで視聴可能。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を通して、愛すべき男たちの生きざまを目撃してみてはいかがでしょうか。