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映画の基本情報
『ポセイドン・アドベンチャー』は、1972年に公開されたアメリカ映画です。ポール・ギャリコの同名小説を原作としており、ジャンルはディザスター映画とサバイバルに分類されます。
製作国はアメリカで、上映時間は117分。ロナルド・ニーム監督がメガホンを取り、ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、シェリー・ウィンタースなど豪華キャストが出演しています。大晦日に豪華客船が大津波に襲われ、転覆するという衝撃的な設定が当時の観客の心をつかみ、大ヒットを記録しました。
ストーリーのあらすじ
発端:大晦日のパーティーと津波
大晦日、豪華客船ポセイドン号では、新年を祝うパーティーが開かれていました。乗客たちは明るい未来に思いを馳せ、歓談に興じています。しかし、そこへ突如巨大津波が襲来。一瞬のうちに、ポセイドン号は未曾有の危機に見舞われるのです。
転覆したポセイドン号内の様子
津波の衝撃により、ポセイドン号は180度回転し、完全に転覆してしまいました。この災厄により、多くの乗客が命を落としました。生存者たちは、パニックに陥りながらも何とか生き延びようともがきます。しかし、彼らの目の前に広がるのは、崩壊しかけた船内という地獄絵図でした。
スコット牧師を中心とした脱出の試み
絶望的な状況の中、一人の人物が立ち上がります。それがスコット牧師です。牧師は、現在の位置よりも船底(転覆前の最上階)を目指したほうが助かる可能性が高いと提案。これに賛同した乗客たちが、牧師のもとに集まりました。一方、独自の判断で行動を始める人々も。生存者たちは、二手に分かれることになります。
乗客たちが直面する困難と葛藤
スコット牧師率いるグループの前に立ちはだかったのは、想像を絶する困難の数々でした。天井や床に引っかかる瓦礫をかき分け、崩れかけた狭い通路をはいつくばって進みます。時には水没した個所を泳いで渡らねばならず、仲間を失うこともしばしば。肉体的にも精神的にも限界が訪れようとしていました。
クライマックスと結末
幾多の苦難を乗り越え、ついに牧師らは船底へとたどり着きます。生還へのラストチャンス。彼らは協力して船体に穴を開けることを試みます。果たして、全員無事に脱出することができるのか。壮絶なサバイバルの行方は、衝撃のうちに明かされます。
登場人物紹介
スコット牧師(演: ジーン・ハックマン)
本作の主人公であり、乗客たちをまとめ、生還へと導く存在がスコット牧師です。信仰心の篤い彼は、聖書の言葉を引用しながら、人々に希望を与え続けました。リーダーシップを発揮し、的確な判断を下す牧師の姿は、まさに頼れる存在そのものでした。
ベル・ローゼン(演:シェリー・ウィンタース)
夫マニーとともに客船に乗り合わせていたベル・ローゼン。太め体型ながら、実は水泳の心得があります。この技能が、脱出行で重要な役割を果たすことに。優しく包容力のある彼女は、夫を愛する良き妻であり、皆の精神的な支えとなりました。
マニー・ローゼン(演:ジャック・アルバートソン)
元デリカッセン経営者のマニー・ローゼンは、妻想いの心優しい男性です。しかし過酷な状況の中、徐々に体力的な限界が訪れます。妻ベルを気遣いながらも、次第に脱出行から取り残されていく彼の姿に、胸が締め付けられずにはいられません。
リンダ・ロゴ (演:ステラ・スティーヴンス)
ニューヨーク市警の刑事、マイク・ロゴとその妻リンダ。頼れる体格のマイクと、美しいが過去を秘めたリンダという対照的な夫婦です。この非常事態の中で、二人の絆もまた試されることに。特にリンダの元娼婦という設定が、物語にスパイスを加えています。
シェルビー兄妹
ティーンエイジャーのスーザン・シェルビーと弟のロビン・シェルビー。両親との再会を楽しみにしていた二人でしたが、悲劇に巻き込まれてしまいます。それでも時に無邪気に、時に勇敢に振る舞う兄妹の姿は、絶望的な状況に希望の光を投げかけてくれます。
ジェームズ・マーティン(演:レッド・バトンズ)
臆病者で皮肉屋の雑貨屋主人、ジェームズ・マーティン。災難に遭っても毒舌を撒き散らす彼ですが、必死に生き延びようともがきます。次第に勇気ある行動を見せるようになる彼の変化も見逃せません。
ノニー・パリ―(演:キャロル・リンレイ)
ナイトクラブ歌手のノニー・パリー。美貌の持ち主である彼女は、スコット牧師に好意を寄せているようです。極限状態の中で芽生える淡い恋心。果たして二人の行方は?
見どころと重要シーン
圧巻の転覆シーン
本作を語る上で外せないのが、冒頭の客船転覆シーンです。巨大津波に襲われ、あっという間に船が180度回転してしまう様は、今見ても圧巻の一言。当時の特撮技術の粋を集めたその映像は、スケールの大きさとリアルさで観る者を圧倒します。一瞬にして地獄と化した船内に、人々の運命を予感させる衝撃のオープニングです。
サバイバルの醍醐味
転覆後の船内を舞台に、乗客たちの壮絶なサバイバルが繰り広げられます。天井や壁に引っかかる瓦礫の山、浸水した通路、炎上する個所など、生還への道のりには様々な障害が待ち構えています。文字通り命がけで、これらの困難に挑む乗客たちの姿は、非日常的な緊張感に溢れ、まさにサバイバル映画の醍醐味といえるでしょう。
スコット牧師の名演説
絶体絶命のピンチの中で、乗客たちの心の支えとなったのがスコット牧師です。「神は我々を見捨てたりしない」と語りかける彼の言葉は、絶望に打ちひしがれた人々に希望の灯をともします。聖書を片手に人々を鼓舞する牧師の姿は、ジーン・ハックマンの渾身の演技によって、今なお色あせることのないカリスマ性を放っています。
衝撃の結末
ラストの脱出シーンは、本作最大の見せ場のひとつ。生還をかけ、決死の覚悟で船体に穴を開ける乗客たち。はたして、彼らに救いの手は差し伸べられるのか。予想外の展開が続くクライマックスは、息をつく暇もないスリリングさです。ネタバレは避けますが、ラストカットの衝撃は、観る者の脳裏に焼き付くこと必至。あなたもぜひ劇場でその目に焼き付けてください。
豪華俳優陣の熱演
主演のジーン・ハックマンをはじめ、脇を固めるのは実力派俳優陣です。特に印象的なのが、シェリー・ウィンタースの体当たり演技。太った体を張った彼女の熱演ぶりは、スクリーンから伝わってきます。また、レッド・バトンズ演じる臆病な雑貨屋の存在感も絶妙。名バイプレーヤーたちが生み出す、味のあるキャラクターにもご注目ください。