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ハンガーゲーム(映画)の基本情報
原作と製作陣
「ハンガーゲーム」は、アメリカの作家スーザン・コリンズによるベストセラー小説を原作とした映画作品です。監督は、「プレジデンツ・メン」などで知られるゲイリー・ロスが務めました。脚本は、原作者のスーザン・コリンズをはじめ、ビリー・レイ、ショーン・クリステンセンらが担当しています。
キャストと公開日
主人公のカットニス・エヴァディーン役には、オスカー女優のジェニファー・ローレンスが抜擢されました。共演には、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、エリザベス・バンクスらが名を連ねています。「ハンガーゲーム」は2012年3月23日に全米で公開され、日本でも同年9月28日に公開されました。
興行成績
「ハンガーゲーム」は全米公開週末3日間で1億5,200万ドルを稼ぎ出し、春公開作品としては史上最高の初登場成績を記録しました。最終的には全米で4億860万ドル、全世界では6億9,460万ドルを超える大ヒットを達成。日本でも興行収入16億円を突破し、大きな話題を集めました。
ハンガーゲームの世界設定
パネムという国の成り立ち
作品の舞台となるのは、近未来の架空の国・パネムです。パネムは、かつてアメリカ大陸にあった国が崩壊した後に誕生しました。中央に位置する首都・キャピトルを中心に、12の地区が存在します。キャピトルは豊かで贅沢な暮らしぶりの一方、各地区は厳しい監視下に置かれ、貧困にあえいでいます。
ハンガーゲームのルールと目的
ハンガーゲームは、12地区から毎年12〜18歳の少年少女を1人ずつ、計24人選出し、野外の特設会場で最後の1人になるまで戦わせる残酷な祭典です。これは、かつてキャピトルに反旗を翻した12地区に対する見せしめであり、圧政への恐怖心を植え付ける目的で行われています。参加者(トリビュート)たちには、殺し合いを強要されるのです。
ハンガーゲームのストーリーあらすじ
物語の発端 – ヒロインの選出
主人公のカットニス・エヴァディーンは、炭鉱で有名な最貧地区の一つ、第12地区に住む16歳の少女です。ハンガーゲームのトリビュート選出の儀式で、妹のプリムローズが選ばれてしまったカットニスは、妹の身代わりとして志願し、ゲームに参加することになります。
キャピトルでの準備期間
カットニスは、同じ第12地区の少年ピータ・メラークとともに、キャピトルへ向かいます。そこではスタイリストによるイメージチェンジや、スポンサー獲得のための戦略を練ります。一方で、ピータがインタビューで「カットニスへの片思い」を告白したことで、2人の関係は複雑になっていきます。
ゲーム開始 – 殺し合いの始まり
いよいよハンガーゲームが始まり、カットニスは弓矢の腕前を生かして活躍します。サバイバルのために、時に非情な行動を取ることもありますが、本質的には優しい心の持ち主。弱い立場の少女ルーと手を組んだり、負傷したピータの介抱をしたりと、状況下でも人間性を失わない姿が印象的です。
ヒロインの活躍と試練
ゲームが進行する中、カットニスは数々の危機に見舞われます。敵対するトリビュートたちとの戦い、予想外の自然災害、さらにはゲームメーカーの意図的な妨害など、様々な試練が彼女を待ち受けています。特に、ルーを失ったショックからカットニスが見せる人間的な葛藤と成長は、物語に深みを与えています。
ルールの変更と終盤の盛り上がり
後半、カットニス人気に便乗したゲームメーカーが「最後まで生き残った2人をペアで勝者とする」という特例ルールを導入。カットニスとピータは協力関係を深めながら、他のトリビュートたちを退けていきます。しかしクライマックス間際、ルールが再度覆され、結局1人だけが生き残らなければならなくなります。
クライマックスと意外な結末
最後の2人となったカットニスとピータ。しかしカットニスは、2人で自殺をすることをピータに持ちかけます。これに焦ったゲームメーカーは、再び2人同時優勝のルールに戻す判断を下します。こうしてカットニスとピータは、ゲームの矛盾を突いて、見事に生き残ることに成功したのです。
ハンガーゲームの主要登場人物
カットニス・エヴァディーン(演:ジェニファー・ローレンス)
主人公の16歳の少女。貧しい12地区で、狩猟の才能に長けて育った。家族思いの強い意志の持ち主だが、不器用な一面も。ゲームでは類まれな生存能力を発揮し、次第に反体制のシンボル的存在となっていく。
ピータ・メラーク(演:ジョシュ・ハッチャーソン)
カットニスとともに12地区からゲームに参加した少年。パン屋の息子で、ゲームでは偽装工作に長けている。カットニスに思いを寄せており、ゲームの中でも常に彼女を気にかけている。
ゲイル・ホーソーン(演:リアム・ヘムズワース)
カットニスの幼馴染で狩猟仲間の18歳の青年。カットニスの親友であり、理解者でもある。ゲームに参加するカットニスを見守るほか、後のシリーズでは反体制派のリーダーとしての一面を見せる。
ハンガーゲームのテーマと見所
作品の持つテーマ性
「ハンガーゲーム」には、全体主義への警鐘、メディア操作、若者の反逆といった、リアルな社会問題が色濃く反映されています。特に、ゲームに駆り出される若者たちの姿は、現代社会の縮図とも捉えることができるでしょう。また、カットニスの行動からは、困難な状況下でも失ってはならない人間性や尊厳の大切さを読み取ることができます。
印象的な名場面と名セリフ
名場面 | 名セリフ |
---|---|
オープニングのトリビュート選出シーン | 「私は、私の妹、プリム・エヴァディーンの代わりにトリビュートに志願します!」 |
開会式でのカットニスとピータの衣装 | 「12地区の炭鉱をイメージさせる炎の衣装、会場は大盛り上がり!」 |
ピータのインタビュー | 「ここにいる女の子で特別な人がいます。しかしずっと片思いでした」 |
ルーの死とそれを悼むカットニス | 「ルー、あなたの勇気と優しさに感謝します。さようなら…」 |
最後の審判 – 毒果実 | 「じゃあ、一緒に(毒果実を)食べよう。2人とも勝者になれないなら…」 |
ハンガーゲームが問いかけるもの
作品の社会的メッセージ
「ハンガーゲーム」は、架空の物語ながら、私たちの社会に多くの問題提起を投げかけています。特に、メディアによる情報操作や、権力者による弱者の搾取といったテーマは、現代社会と重なる部分が少なくありません。また、カットニスたちの反逆は、理不尽な社会システムへの一石を投じるものとも言えるでしょう。
現実の問題との関連性
作中では、豊かな人々と貧しい人々の格差、そこから生まれる差別や偏見が描かれています。これは現実社会における富の偏在や、社会的弱者の問題を思い起こさせます。また、ハンガーゲームそのものは極端ですが、視聴者の興味を引くためなら倫理を踏みにじるメディアの在り方は、現代社会への風刺とも受け取れるのです。
ハンガーゲームシリーズと関連作品
シリーズ作品の紹介
- ハンガーゲーム(2012年)
- ハンガーゲーム2(2013年)
- ハンガーゲーム FINAL:レジスタンス(2014年)
- ハンガーゲーム FINAL:レボリューション(2015年)
- ハンガーゲーム0(原題:The Ballad of Songbirds and Snakes、2023年公開予定)
原作小説について
映画の原作は、アメリカの作家スーザン・コリンズによる同名の小説シリーズです。全3部作として完結しており、第1巻「ハンガーゲーム」(2008年)、第2巻「ハンガーゲーム2 燃える炎」(2009年)、第3巻「ハンガーゲーム3 嘲笑鳥」(2010年)が刊行されています。また、前日譚にあたる「The Ballad of Songbirds and Snakes」が2020年に発表され、話題を集めました。