『サウンド・オブ・ミュージック』のあらすじを10分で理解!重要な登場人物とテーマも解説

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『サウンド・オブ・ミュージック』とは?

制作背景と興行成績

本作の原作となったのは、オーストリアから亡命したゲオルク・フォン・トラップ一家の実話。一家は合唱団を結成し、アメリカで成功を収めました。妻マリアが1949年に出版した自叙伝『トラップ・ファミリー合唱団物語』がベストセラーとなり、ロジャース&ハマースタインの名コンビによってミュージカル化。1959年のブロードウェイ初演は大ヒットを記録しました。

映画版も1965年に空前の大ヒット。『風と共に去りぬ』の記録を塗り替え、当時の歴代興行成績2位に輝きました。アカデミー賞では作品賞を含む5部門を受賞。今なお愛され続ける不朽の名作ミュージカル映画として、その地位を不動のものとしています。

映画の基本情報

  • 公開年:1965年
  • 監督:ロバート・ワイズ
  • 主演:ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー
  • 上映時間:174分
  • 製作国:アメリカ合衆国
  • 配給:20世紀フォックス

『サウンド・オブ・ミュージック』のあらすじ【前半】

マリアとトラップ大佐の出会い

オーストリアのザルツブルク。大自然に囲まれた山の中腹に建つノンベルク修道院で、見習い修道女のマリアは周囲とはなじめずにいました。ある日、マリアは退役海軍士官で男爵のゲオルク・フォン・トラップ大佐の家に、7人の子供たちの家庭教師として派遣されます。

マリアと7人の子供たち

トラップ家は数年前に妻を亡くしており、父親のゲオルクは軍隊式の厳しいしつけで子供たちを育てていました。ところがマリアは、型破りな言動で子供たちの心を開いていきます。音楽好きのマリアは子供たちに歌を教え、楽しい時間を過ごすようになります。

ドレミの歌と音楽の力

マリアが子供たちに教えた歌、特に「ドレミの歌」は、トラップ家に音楽の喜びを取り戻します。マリアのお陰で子供たちは明るさを取り戻し、ゲオルクも次第に彼女に惹かれていきます。音楽は一家の心をつなぐ、大きな役割を果たしていくのです。

エルザとマリアの対立

ゲオルクは大富豪の未亡人エルザと婚約中。ゲオルクの友人でもあるマックスは、トラップ家を訪れた際、子供たちの音楽の才能に気づきます。エルザはマリアとゲオルクの仲を疎んじ、マリアに修道院に戻るよう忠告。マリアは自分の感情に戸惑い、修道院に戻ってしまうのでした。

『サウンド・オブ・ミュージック』のあらすじ【後半】

トラップ大佐とマリアの結婚

マリアがトラップ家を去り、修道院に戻ると、子供たちは大きなショックを受けます。一方、マリアは院長から「神の愛も人の愛も同じだ」と諭され、自分の気持ちに正直になることを決意。トラップ家に戻ったマリアにゲオルクは愛を告白し、エルザとの婚約を解消します。二人はめでたく結婚式を挙げ、幸せな日々を送り始めます。

ナチスの脅威とオーストリア併合

しかし、平和な日々は長くは続きませんでした。ナチス・ドイツによるオーストリア併合が迫る中、ゲオルクはナチスに協力することを拒否。自由を求め、一家でスイスへ亡命することを決意します。ナチス高官の目を欺くため、一家は音楽祭に出場。優勝を果たしますが、結果発表の最中に劇場から脱出するのです。

トラップ一家の逃亡

ナチス親衛隊に追われるトラップ一家は、ノンベルク修道院に助けを求めます。修道女たちは彼らを匿うものの、親衛隊が迫ります。修道女たちの機転で、親衛隊の車を動かなくすることに成功。これを機に、一家は山を越えてスイスへと脱出するのでした。家族の絆と信仰の力が、窮地を救ったのです。

感動のエンディング

トラップ一家は無事国境を越え、自由の地スイスへとたどり着きます。辛く厳しい状況の中でも決して希望を失わず、愛と音楽の力を信じ抜いた一家。山を越える彼らの姿が、感動的なラストシーンを飾ります。『サウンド・オブ・ミュージック』は、音楽と愛が奇跡を起こすことを教えてくれる、心温まる作品なのです。

『サウンド・オブ・ミュージック』の重要な登場人物

マリア

修道院の見習い修道女から、トラップ家の家庭教師となった主人公。音楽が大好きで、明るく自由奔放な性格。型破りな行動で周囲を驚かせることもありますが、家族思いの強い女性。子供たちとすぐに打ち解け、音楽を通して彼らの心を開いていきます。ジュリー・アンドリュースが好演。

ゲオルク・フォン・トラップ大佐

オーストリア海軍出身の男爵。妻を亡くし、7人の子供たちを厳格に育てている。マリアに出会い、彼女への愛に目覚めていく。ナチスの脅威に屈することなく、家族の自由を守るため亡命を決断する勇敢な父親像。クリストファー・プラマーが演じた。

エルザ

ゲオルクの婚約者だった大富豪の未亡人。マリアとゲオルクの仲を快く思わず、マリアに修道院へ戻るよう忠告。ゲオルクへの愛情は強いものの、彼の音楽への情熱を理解できない。

マックス

ゲオルクの友人で、音楽プロデューサー的存在。子供たちの音楽の才能をいち早く見抜き、音楽祭への出場を提案。ユーモアたっぷりのキャラクターだが、時にゲオルクやマリアに手厳しい助言も。

7人の子供たち

リーズル、フリードリッヒ、ルイーザ、クルト、ブリギッタ、マルタ、グレーテルの7人兄弟。最初はいたずら好きだったが、マリアとの音楽を通して次第に心を開いていく。物語に欠かせない存在。

『サウンド・オブ・ミュージック』のテーマと見どころ

音楽の力と家族愛

本作の中核をなすテーマは、音楽の力と家族の絆。厳しく育てられた子供たちの心を開いたのは、マリアが教えた音楽でした。歌を歌う楽しさを知った子供たちは、明るさを取り戻します。音楽は、ゲオルクの心をもときほぐし、一家に幸せをもたらしたのです。

ナチスへの抵抗と自由の尊さ

オーストリアがドイツに併合されていく時代背景の中で、ゲオルクはナチスへの忠誠を拒絶。信念を貫き、最愛の家族と共に自由を求めて祖国を離れる決断をします。自由のために戦う勇気と意志の強さは、感動を誘うシーンとなっています。

名曲の数々

『ドレミの歌』や『エーデルワイス』など、誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々も見どころ。美しいメロディは物語に彩りを添え、深みを与えています。アルプスの大自然を背景にした美しい風景と相まって、映画の魅力を一層引き立てているのです。

『サウンド・オブ・ミュージック』の関連情報

ミュージカル版との違い

映画版では、ミュージカル版から数曲が追加された一方、削除された曲もあります。「またあした(Something Good)」や「すべての山に登れ(Climb Ev’ry Mountain)」は映画のために書き下ろされた曲。全体的には映画版の音楽の方が広く親しまれているようです。

トラップ一家の実話との比較

本作は、実在のトラップ一家の物語が基になっているものの、脚色されている部分も。例えば、マリアとゲオルクの出会いのエピソードや、ナチスから逃亡した時期と方法などは、映画ならではのフィクションと言えるでしょう。

視聴方法

『サウンド・オブ・ミュージック』は、DVD化やブルーレイ化されており、今でも手軽に視聴可能。動画配信サービスでも取り扱いがあります。字幕版、吹き替え版など、様々な音声や字幕のオプションが用意されているので、お好みに合わせて選択できるのも魅力的。何度見ても楽しめる作品なので、ぜひ自宅でゆっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。

『サウンド・オブ・ミュージック』は、今から半世紀以上も前に製作された作品ですが、今なお色あせることのない魅力に溢れています。音楽と愛が奇跡を起こすことを教えてくれるこの素晴らしい物語を、ぜひあなたも体験してみてください。心が温まり、勇気づけられること間違いなしです。