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「ウエスト・サイド・ストーリー」は、1961年に公開されたミュージカル映画の金字塔です。ロミオとジュリエットをモチーフに、1950年代のニューヨークを舞台に繰り広げられるジェッツとシャークスの抗争と、その中で芽生える禁断の恋を描いた作品です。本記事では、この不朽の名作のあらすじを詳しく解説するとともに、見どころや背景にも迫ります。
「ウエスト・サイド・ストーリー」の基本情報
ジャンル・原作
「ウエスト・サイド・ストーリー」は、ミュージカル映画というジャンルに分類されます。もともとは1957年にブロードウェイで上演された舞台作品で、ロミオとジュリエットの物語を下敷きにしています。台本はアーサー・ローレンツ、音楽はレナード・バーンスタイン、作詞はスティーヴン・ソンドハイムが担当しました。
キャスト・スタッフ
主要キャストは以下の通りです。
- トニー役:リチャード・ベイマー
- マリア役:ナタリー・ウッド
- リフ役:ラス・タンブリン
- バーナルド役:ジョージ・チャキリス
- アニータ役:リタ・モレノ
監督は、ロバート・ワイズとジェローム・ロビンスが務めました。音楽監督はジョニー・グリーン、撮影監督はダニエル・L・フャップが担当しています。
公開日・興行収入・受賞歴
1961年10月18日に全米公開されました。興行収入は、当時の4300万ドル(現在の約350億円)を記録しました。アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演男優賞(ジョージ・チャキリス)、助演女優賞(リタ・モレノ)など10部門で受賞しました。
「ウエスト・サイド・ストーリー」のあらすじ
序盤(出会い)
1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエストサイドを舞台に、白人の非行グループ・ジェッツとプエルトリコ系移民の非行グループ・シャークスが抗争を繰り広げていました。ある日、ジェッツのリーダー・リフの親友トニーは、シャークスのリーダー・バーナルドの妹マリアと出会い、一目で恋に落ちます。
中盤(恋の芽生えと抗争の激化)
トニーとマリアは、人種や立場を超えて愛を育んでいきます。一方、両グループの対立は激化の一途をたどります。ついに、ジェッツとシャークスは素手の決闘をすることになります。トニーはマリアの願いを受け、決闘を止めようとしますが、リフを殺されたことで逆上し、バーナルドを刺し殺してしまいます。
終盤(悲劇と結末)
バーナルドの親友チノは、トニーを狙います。マリアはトニーに警告しようとしますが、チノがマリアを撃ったという誤情報が伝わってしまいます。絶望したトニーはチノの前に姿を現し、撃たれて命を落とします。駆けつけたマリアは、トニーの亡骸に泣き崩れ、両グループの若者たちに銃をつきつけながら復讐の連鎖を断ち切るのでした。
「ウエスト・サイド・ストーリー」の見どころ3選
名曲の数々
本作の大きな魅力は、レナード・バーンスタインが作曲した名曲の数々です。中でも「Tonight」は、トニーとマリアの切ない恋心を代弁するラブ・デュエットとして知られています。「Maria」「Somewhere」「America」など、劇中で印象的に用いられる楽曲は、音楽的にも高い評価を得ています。
印象的な踊りとシーン
ジェローム・ロビンスが振付を手掛けた躍動感あふれるダンスシーンも必見です。「プロローグ」での両グループのにらみ合いや、「クール」での気持ちの昂ぶりを表現するシーンは、今なお多くの人々の記憶に残っています。また、トニーとマリアの出会いのシーンや、二人きりで歌い上げる「One Hand, One Heart」など、胸を打つ名シーンが随所に盛り込まれています。
ロミオとジュリエットを下敷きにしたストーリー
「ウエスト・サイド・ストーリー」は、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のストーリー展開を下敷きにしています。しかし、単なる焼き直しではなく、20世紀半ばのニューヨークという舞台設定や、人種問題を織り込むことで、新たな解釈を加えた意欲作となりました。普遍的な悲恋物語でありながら、同時代のアメリカ社会が抱えていた課題にも鋭く切り込んだ作品と言えるでしょう。
「ウエスト・サイド・ストーリー」の登場人物
トニーとマリア
本作の主人公である恋人同士。トニーはジェッツの元リーダーで、更生して真面目に働いています。マリアはプエルトリコからやってきた純真な少女です。出自も信仰も違う二人ですが、お互いを一目で愛するようになります。役はリチャード・ベイマーとナタリー・ウッドが演じ、歌はジム・ブライアントとマルニ・ニクソンが吹き替えました。
リフとベルナルド
それぞれジェッツとシャークスのリーダー。親友同士だったトニーとリフでしたが、次第に道が違ってきます。ベルナルドはマリアの兄で、妹思いの熱血漢。リフ役はラス・タンブリン、ベルナルド役はジョージ・チャキリスが演じました。
アニータ
ベルナルドの恋人で、マリアの親友。情熱的で活発な女性で、アメリカ社会に順応しようと懸命です。トニーとマリアの仲を応援しますが、次第に周囲の反発を買います。リタ・モレノが演じ、アカデミー助演女優賞を受賞しました。
「ウエスト・サイド・ストーリー」のテーマと背景
愛と憎しみ
本作のテーマの一つは、愛と憎しみの対比です。トニーとマリアの純粋な愛は、周囲の偏見や憎悪に阻まれ、悲劇的な結末を迎えます。しかし、彼らの死は、両グループの若者たちに復讐の連鎖を断ち切るきっかけを与えます。愛こそが、憎しみの連鎖を断ち切る力を持つことを訴えかけています。
移民問題と人種差別
作品の背景には、1950年代のアメリカ社会が抱えていた移民問題と人種差別の問題があります。プエルトリコ移民であるシャークスが受ける差別や、白人の優越意識が描かれます。”America”の歌詞には、「私はアメリカ人になりたい(I want to be in America)」というプエルトリコ移民の切実な思いが表れています。作品は、人種や出自を超えた理解と共生の大切さを訴えかけているのです。
「ウエスト・サイド・ストーリー」の視聴方法
配信サービス
現在、日本国内では以下の配信サービスで「ウエスト・サイド・ストーリー」を視聴できます。
- Amazon Prime Video(レンタル)
- Google Play Movies & TV(レンタル)
- YouTube(レンタル)
いずれも字幕版と吹替版が用意されています。
DVD・ブルーレイ
DVD・ブルーレイでも発売されています。2011年に発売された50周年記念版のブルーレイは、新規リマスター版で画質が向上。貴重な撮影風景など豊富な特典映像も収録され、ファン必携の一枚となっています。