13日の金曜日シリーズ全12作品のあらすじを徹底解説!40年以上にわたる人気ホラーの軌跡をたどる

はじめに

ジェイソン・ボーヒーズとは

「13日の金曜日」シリーズに登場する殺人鬼、ジェイソン・ボーヒーズ。彼は11歳の頃、キャンプ場のカウンセラーの不注意により湖で溺れて死亡したと思われていたが、その後生き延びて、母親の復讐のために人殺しを始める。その異形の風貌からホラー映画の代表的なアイコンとなった。
ジェイソンのトレードマークは、ホッケーマスクと背丈ほどのマチェーテ。不死身の肉体を持ち、どんな方法でも殺すことができない。マスクの下は醜い顔であるとされ、その素顔が明らかになるのは稀。
ジェイソンが人を殺すのは、自分を溺れさせたキャンプカウンセラーへの復讐心からだと語られているが、次第にその殺人は無差別になっていく。

13日の金曜日シリーズの概要

「13日の金曜日」は、1980年に第1作が公開されたスラッシャー映画。製作はショーン・S・カニンガムで、脚本はヴィクター・ミラーが手がけた。
全米で大ヒットを記録し、以降11作の続編が製作された。2000年代に入っても2作のクロスオーバー作品と、リブート作品が公開されている。シリーズ全体での全世界興行収入は4億6800万ドルを超え、ホラー映画の金字塔的存在となった。
本シリーズの特徴は、不死身の殺人鬼・ジェイソンが無差別に若者を殺していくストーリー展開。残虐シーンの描写とサスペンス、衝撃的な結末が人気を博し、スラッシャー映画というジャンルを確立した。

13日の金曜日シリーズ全12作品のあらすじ

13日の金曜日(1980年)

1957年、ニュージャージー州のキャンプ場で1人の少年が溺死する事故が起こる。それから数年後、同じキャンプ場で男女の指導員2人が何者かに殺害された。
1980年、事件のあったキャンプ場が再開されることになり、若い指導員たちが招集される。しかし、彼らは次々と殺人鬼の犠牲となっていく。
殺人鬼の正体は、溺死した少年ジェイソンの母親パメラ。最後の生存者アリスは、パメラを斧で殺害することに成功する。しかしラストシーン、ジェイソンが湖底から現れてアリスに襲い掛かるのだった。

13日の金曜日 PART2(1981年)

前作から5年後。キャンプ場付近で再び若いカウンセラーが集められる。初日の夜、一人のカウンセラーがクリスタルレイクにまつわる殺人伝説を語る。
その後、前作で死んだはずのジェイソンが姿を現し、カウンセラーたちを襲撃。生き残ったジニーはジェイソンをマチェーテで頭から斬りつける。

13日の金曜日 PART3(1982年)

前作から数日後。クリスタルレイク付近の別のキャンプ場を訪れた若者たち。ジェイソンはホッケーマスクを手に入れ、キャンプ場の人々を襲い始める。
主人公クリスは、以前このキャンプ場で異形の人物に襲われた過去を持つ。彼女はジェイソンと対峙し、ジェイソンの頭にマチェーテを振り下ろす。

13日の金曜日 完結編(1984年)

検死官の前で突如復活したジェイソンは、外に逃げ出しヒッチハイカーや別のキャンプ場の若者たちを殺害。
標的はトミー・ジャーヴィスの一家。トミーは特殊メイクの才能を持つ少年で、最後はジェイソンに扮してジェイソンを誘い出し、頭蓋骨にドリルを突き刺して倒す。

新・13日の金曜日(1985年)

ジェイソンにトラウマを抱えるトミーが、大人になって別の精神病院へ送られる。施設で患者同士の殺人事故が起こり、付近で死んだはずのジェイソンの犯行とみられる猟奇殺人が発生する。
しかし犯人は、息子を殺された救急隊員ロイ。精神に異常をきたし、ジェイソンに扮して殺人を繰り返していたのだ。

13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた!(1986年)

ジェイソンの悪夢に苦しむトミーは、友人と共にジェイソンの墓を掘り返す。棺の蓋を開けた瞬間、落雷が墓地に落ちてジェイソンは復活してしまう。
保安官に信じてもらえないトミーは、一人でジェイソンを追う。ジェイソンは次々と若者たちを殺していく。

13日の金曜日 PART7/新しい恐怖(1988年)

超能力を持つ少女ティナは、湖に沈んだ父の遺体を引き上げようとして、誤ってジェイソンを蘇生させてしまう。
ジェイソンは再びキャンプ場の若者を襲撃。ティナは自らの超能力でジェイソンに立ち向かう。

13日の金曜日 PART8/ジェイソンN.Y.へ(1989年)

クリスタルレイクの湖底で復活したジェイソンは、ニューヨークに向かう豪華客船に乗り込み、乗客の学生たちを殺害していく。
ジェイソンはニューヨークにも上陸。主人公のレニーたちはジェイソンを追いつめる。

13日の金曜日/ジェイソンの命日(1993年)

FBI に追われ、ついに爆破されて四散したジェイソン。しかし心臓だけは生きており、他人の体に入り込んで一時的に復活を遂げる。
ジェイソンが完全に復活できるのは、肉親の体だけ。狙われるのは彼の妹ダイアナとその娘ジェシカたちだった。

ジェイソンX 13日の金曜日(2002年)

西暦2455年、冷凍保存されたジェイソンが、宇宙船の中で目覚める。若き乗組員を殺戮の限りを尽くすジェイソンに、乗組員たちは必死で抵抗する。
最後は、宇宙空間に放り出されたジェイソンの身体が大気圏で燃え尽きるかに見えたが…。

フレディVSジェイソン(2003年)

13日の金曜日シリーズと、エルム街の悪夢シリーズがクロスオーバー。殺人鬼フレディ・クルーガーが、地獄からジェイソンを復活させる。
フレディはジェイソンをスプリングウッドの町に送り込み、殺人を働かせる。それによって人々の恐怖心を呼び起こし、フレディ自身の力を取り戻そうというのだ。しかしジェイソンの殺戮は留まることを知らず…。

13日の金曜日(2009年)

1980年の第1作から29年。ジェイソンの伝説を聞きつけた若者たちがクリスタルレイクを訪れる。シリーズの設定を再構築したリブート作品。
発端は1980年。ジェイソンはキャンプカウンセラーたちに母親を殺され、自暴自棄になって森をさまよう。やがて恐ろしい殺人鬼へと変貌を遂げていった。
2009年現在。ジェイソンの噂を聞きつけた若者グループがクリスタルレイクへ。彼らはジェイソンの凄惨な殺戮の犠牲となる。生き残った若者たちは、互いに力を合わせてジェイソンに立ち向かう。

シリーズの魅力と影響力

13日の金曜日が与えた影響

「13日の金曜日」は、独特の殺人鬼像と残虐なスプラッター描写で、スラッシャー映画の金字塔となった。不死身の殺人鬼が若者を襲うという基本形は、後の多くの作品に影響を与えている。
ジェイソンのアイコン的なホッケーマスク姿は、ホラーの代名詞とも言えるほどのインパクトを持つ。メディアミックス展開も盛んで、日用品からゲームまで幅広いグッズ展開を見せた。

ジェイソン像の変遷

「13日の金曜日」シリーズのなかでも、ジェイソン像は少しずつ変化を遂げている。当初は母の復讐のため人を殺す、人間味のある悲劇的な人物だったが、シリーズを追うごとにただの殺人マシーンと化していく。
シリーズ中盤にはゾンビや超能力者のようになり、終盤には宇宙空間でも暴れまわる。こうした非現実的な設定も、「13日の金曜日」らしさの一つと言える。

今なお根強い人気の理由

公開から40年以上経った今も、「13日の金曜日」の人気が衰えることはない。ストレートなホラー演出、毎回趣向を変えたジェイソンのキャラクター造形、若手俳優の登竜門的な位置付けなど、シリーズならではの魅力が詰まっている。
権利の問題でしばらく新作が封印されていたが、常にファンの間で待望論が絶えなかったのも特徴。リブート版の成功で、今後も息の長いシリーズになることは間違いないだろう。

まとめ

「13日の金曜日」は、1980年に始まったホラー映画の金字塔だ。不死身の殺人鬼ジェイソンが、無差別に若者を襲っていくスプラッターホラーとして人気を博した。
全12作品にわたるストーリーは、ジェイソンの復讐から始まり、やがて宇宙が舞台になるほどのスケールに発展していく。その独特の世界観は、今なお多くのファンを魅了し続けている。
本記事では、シリーズ全作品のあらすじを解説しつつ、「13日の金曜日」という作品の魅力に迫った。40年以上ものロングランを支えてきた要因が、少しでも伝わったなら幸いである。