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映画『007』シリーズとは?
『007』の原作と企画の始まり
『007』シリーズは、イギリスの作家イアン・フレミングによる一連のスパイ小説が原作となっています。フレミングは第二次世界大戦中に英海軍情報部に所属し、諜報活動に従事した経験を持ちます。戦後、その経験を生かして『007』シリーズの第一作となる『カジノ・ロワイヤル』を執筆。1953年に出版され、爆発的な人気を博しました。
『007』を映画化しようという企画は、製作陣のアルバート・R・ブロッコリとハリー・サルツマンによって持ち上がります。二人は1961年にイアン・フレミングから映画化権を取得。ショーン・コネリー主演で『007 ドクター・ノオ』の制作を開始し、1962年に公開されました。この記念すべき第1作の大ヒットにより、『007』シリーズの歴史が幕を開けたのです。
これまでに製作された『007』シリーズ作品数
1962年の第1作『007 ドクター・ノオ』から、2021年公開の最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで、『007』シリーズはこれまでに25作品が製作されています。25本というのは、1作目から数えて60年近くに及ぶ長期シリーズとしては驚異的な本数と言えるでしょう。
また映画化60周年を迎えた2022年10月5日には、Prime Video限定で『007』シリーズを振り返るドキュメンタリー作品『ジェームズ・ボンドの世界』が配信開始。シリーズの歴史を紐解く貴重な映像の数々は、ファン必見の内容となっています。
『007』シリーズを観るおすすめの順番
公開順で観る
まずは、何と言っても公開順に観るのが王道でしょう。製作年代によって、映像の質感もアクションのスタイルも少しずつ変化しているのが『007』シリーズの面白いところ。初期の作品から順を追って観ることで、シリーズがどのように進化してきたのかを実感できます。
加えて、ストーリーが連作になっている作品もあるので、公開順で観ればそれらの繋がりもスムーズに理解できるというメリットがあります。例えば、ダニエル・クレイグ版『007』の第1作『カジノ・ロワイヤル』から最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』までの5作品は、全体として1つの大きな物語を形作っています。
ボンド俳優ごとに観る
これまでジェームズ・ボンド役を演じてきたのは6人の俳優たち。それぞれが個性的な解釈でボンドを演じているので、俳優ごとに作品をまとめて観るのもおすすめです。
例えば、無骨でアクの強い演技が持ち味のショーン・コネリー。対してロジャー・ムーアは、ウィットに富んだ気の利いた台詞回しが特徴的。ボンドというキャラクターがどう変化してきたのかを俳優に注目して観るのも一興です。
最新作から過去作へさかのぼって観る
まだ『007』シリーズをあまり観たことがないという人は、最新作の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』から観始めてみるのもよいでしょう。ダニエル・クレイグ版は原点回帰とも言える硬派な作風で、『007』の世界観を存分に味わえます。
最新作を観て「面白い!もっと観たい!」となったら、ダニエル・クレイグ版の過去4作品へ。さらに興味が湧いてきたら、他の歴代ボンド俳優の作品もチェックしてみましょう。現在から過去へさかのぼることで、最新のトレンドを押さえつつ『007』の歴史も分かるというわけです。
『007』シリーズ映画の歴代作品一覧
シリーズ | 邦題 | 公開年 | 主演 |
---|---|---|---|
第1作 | 007 ドクター・ノオ | 1962 | ショーン・コネリー |
第2作 | 007 ロシアより愛をこめて | 1963 | ショーン・コネリー |
第3作 | 007 ゴールドフィンガー | 1964 | ショーン・コネリー |
第4作 | 007 サンダーボール作戦 | 1965 | ショーン・コネリー |
第5作 | 007は二度死ぬ | 1967 | ショーン・コネリー |
第6作 | 女王陛下の007 | 1969 | ジョージ・レーゼンビー |
第7作 | 007 ダイヤモンドは永遠に | 1971 | ショーン・コネリー |
第8作 | 007 死ぬのは奴らだ | 1973 | ロジャー・ムーア |
第9作 | 007 黄金銃を持つ男 | 1974 | ロジャー・ムーア |
第10作 | 007 私を愛したスパイ | 1977 | ロジャー・ムーア |
第11作 | 007 ムーンレイカー | 1979 | ロジャー・ムーア |
第12作 | 007 ユア・アイズ・オンリー | 1981 | ロジャー・ムーア |
第13作 | 007 オクトパシー | 1983 | ロジャー・ムーア |
第14作 | 007 美しき獲物たち | 1985 | ロジャー・ムーア |
第15作 | 007 リビング・デイライツ | 1987 | ティモシー・ダルトン |
第16作 | 007 消されたライセンス | 1989 | ティモシー・ダルトン |
第17作 | 007 ゴールデンアイ | 1995 | ピアース・ブロスナン |
第18作 | 007 トゥモロー・ネバー・ダイ | 1997 | ピアース・ブロスナン |
第19作 | 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ | 1999 | ピアース・ブロスナン |
第20作 | 007 ダイ・アナザー・デイ | 2002 | ピアース・ブロスナン |
第21作 | 007 カジノ・ロワイヤル | 2006 | ダニエル・クレイグ |
第22作 | 007 慰めの報酬 | 2008 | ダニエル・クレイグ |
第23作 | 007 スカイフォール | 2012 | ダニエル・クレイグ |
第24作 | 007 スペクター | 2015 | ダニエル・クレイグ |
第25作 | 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ | 2021 | ダニエル・クレイグ |
『007』歴代ボンド俳優と代表作
1代目:ショーン・コネリー
1962年の第1作『007 ドクター・ノオ』から5作品に主演。『ロシアより愛をこめて』『ゴールドフィンガー』などで、ボンドの原型を確立しました。一度は降板したものの、『ダイヤモンドは永遠に』で1度だけカムバック。6作品を演じた初代ボンドです。
2代目:ジョージ・レーゼンビー
『女王陛下の007』の1作のみ出演。『ゴールドフィンガー』のオーディションに応募したものの、ショーン・コネリーに敗れた経緯を持つオーストラリア出身の俳優。本作のボンドを好演しましたが、以降は出演していません。
3代目:ロジャー・ムーア
『007 死ぬのは奴らだ』から『美しき獲物たち』まで7作品に主演。長身でスマートな紳士然とした風貌が特徴的。ムーア版は コメディ色が強く、軽妙な会話劇やユーモアのセンスが売りでした。出演作数はシリーズ最多です。
4代目:ティモシー・ダルトン
『007 リビング・デイライツ』と『007 消されたライセンス』の2作品に主演。『ブロンド女王陛下の007』にも候補に上がったものの辞退し、その後巡ってきたチャンスを生かしました。原作に近い硬派な演技が持ち味です。
5代目:ピアース・ブロスナン
『007 ゴールデンアイ』から『ダイ・アナザー・デイ』までの4作品に主演。もともとは『ブロンド女王陛下の007』に抜擢されるも、諸事情で降板した過去を持ちます。その後めぐり合ったボンド役では、ムーア版の流れを汲むウィットに富んだ演技を見せました。
6代目:ダニエル・クレイグ
『007 カジノ・ロワイヤル』から最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで5作品に主演。『ゴールデンアイ』にも悪役で出演した経験を持ちます。自身初のボンド役では金髪姿を披露し話題となりました。演技は原作に立ち返った「心に傷を負う」人間味あふれるボンド像が特徴的。
『007』シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
ストーリー
現役を退いたボンドのもとに、CIA出身の友人フィリックスから呼び出しが。誘拐された科学者を救出してほしいと頼まれますが、一度は依頼を断ったボンド。ところがその後、新世代の「007」を名乗る女性スパイのノーミと出会ったことから、事件に関わることに。やがてボンドは、人類の脅威となる恐るべき陰謀が隠されていることに気づくのでした。
ボンド役は『カジノ・ロワイヤル』以来5作目となるダニエル・クレイグ。ヒロインのマドレーヌ・スワン役は、『スペクター』に続きレア・セドゥが演じました。『ボヘミアン・ラプソディ』でアカデミー賞主演男優賞を獲得したラミ・マレックが、ボンドの新たな宿敵サフィン役で登場。新世代の「007」ノーミ役は、『キャプテン・マーベル』のラシャーナ・リンチです。
見どころ
ダニエル・クレイグ版『007』集大成にして、シリーズ25作目という記念碑的な作品。クレイグ版5部作の最終章を飾るに相応しい、スリリングなカーチェイスやスパイアクションのオンパレードです。
見どころのひとつが、「007」コードネームを引き継いだ女性スパイ、ノーミの活躍。PMC(民間軍事会社)出身の彼女が、型破りな手法で暗躍する姿は新鮮で刺激的。一方ボンドは、マドレーヌとの恋と別れ、そして再会を経て、ヒーローとしても男としても転機を迎えます。
シリーズ最終章としての位置づけ
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、ダニエル・クレイグ版『007』シリーズの最終章として制作されました。15年に及んだクレイグ版5部作は、ボンドという男の原点を描き直すような壮大な物語。集大成である本作では、クレイグ版でこれまで積み重ねてきた因縁や謎が次々と回収されていきます。
また、『007』シリーズ全体の歴史を振り返るような演出も。往年のボンドカーの登場や、過去の名場面を想起させるシーンの数々は、シリーズ25作目を象徴するセルフオマージュと言えるでしょう。
『007』シリーズの魅力と人気の理由
スパイアクションの元祖としての革新性
『007』が生まれた1960年代は、まだスパイ映画というジャンルが確立される前でした。洗練された立ち振る舞いのエージェントが、様々なガジェットを駆使して華麗に活躍するというスタイルを『007』が確立。以降、スパイアクション映画の “お手本” として、多くの後続作品に影響を与えてきました。
時代に合わせて進化を遂げるストーリー展開
『007』シリーズは、基本的な設定を守りつつも、時代に合わせて変化してきたことも特徴です。1990年代には、ソ連崩壊後の世界情勢を反映した作品を製作。2000年代に入ると、ダニエル・クレイグ版でテロとの戦いを描くなど、同時代性のあるテーマ選びが意識されるように。社会の変化を敏感に捉え、それを作品に反映させる柔軟さが『007』シリーズの魅力なのです。
個性豊かな歴代ボンド俳優たち
シリーズの顔であるジェームズ・ボンド。これまで6人の俳優が演じてきましたが、みな個性的な解釈でボンドに命を吹き込んできました。無骨な男らしさがカッコいいコネリー、ユーモアと機知に富むムーア、クールな殺し屋然としたダルトン、品格と色気を兼ね備えたブロスナン、感情豊かでヒューマンなクレイグ。こうした多彩な「ボンド像」あってこそ、シリーズは長く愛され続けてきたと言えます。
まとめ:『007』は観る順番で楽しみ方が変わる!
ここまで『007』シリーズについて、その歴史から魅力、観るべき順番、気になる最新作の情報まで網羅してきました。
結論を言えば『007』シリーズは、観る順番によって味わい方が変わる作品群だと言えます。公開順なら、シリーズの進化の歴史をなぞることに。ボンド俳優ごとなら、演じ手の個性を追うことに。そして最新作から入るなら、『007』の “今” を感じることにつながるでしょう。
もちろんこれらはあくまで目安。順番にこだわらず、自分の観たい作品から視聴を始めてみるのもおすすめです。ぜひ記事を参考に、あなたなりの『007』の楽しみ方を見つけてみてください。
そして最後に、007シリーズの新たな展開から目が離せないことを忘れずに。ダニエル・クレイグ版のフィナーレを迎え、次なるボンド俳優は誰になるのか。『007』シリーズがこれからどう生まれ変わっていくのか。ファンとしては、ワクワクが止まりません。