衝撃のラスト!映画『デッドオアリベンジ』徹底ネタバレ解説【結末からみえる深いテーマとは?】

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映画『デッドオアリベンジ』作品情報

基本情報・キャスト

『デッドオアリベンジ』は2015年に製作されたジョージア映画で、監督はレヴァン・バキア、主演はスターリング・ナイトが務めています。他キャストとして、スペンサー・ロック、ディーン・ガイヤー、コート・トロルダヴァ、ヘレン・ネルソン、ナナ・キクナーゼらが出演しています。リベンジスリラー映画というジャンルながら、サスペンス要素もあり、ショッキングな展開で観客を驚かせた作品です。

作品の概要

本作は、友人に裏切られた男性が、偽の地雷原に置き去りにされるところから始まります。そこから主人公のクリスが様々な過酷な目に遭いながらも生還し、仇敵に復讐を果たすまでを描いたサスペンススリラーです。人間の本能的な復讐心と、それに伴う倫理的ジレンマを浮き彫りにした作品であり、一見単純な娯楽作品でありながら、深いテーマ性を持っています。

『デッドオアリベンジ』あらすじ

(C) アメイジングD.C.

物語の発端から中盤までのあらすじ【ネタバレ注意】

クリス、ダニエル、アリシアの3人は、グルジア(現ジョージア)の山岳地帯にトレッキングに来ていました。クリスはダニエルの恋人アリシアと関係を持っていたのです。ある日、ダニエルがクリスにアリシアとの関係を問い詰めます。そしてクリスを偽の地雷原に閉じ込め、そこに置き去りにしたのでした。

その後、男が通りかかり、地雷原に閉じ込められたクリスとアリシアを助けようとします。しかしその男(イリア)は、クリスを助ける見返りにアリシアをレイプしようとします。絶体絶命のピンチに陥った二人。そこでクリスは地雷原から這い出て銃を取ろうとしますが、間に合いませんでした。

ラストへの伏線とストーリーの転換点

アリシアがレイプされそうになったその時、アリシアはナイフを奪い、逃げ出します。するとイリアの飼い犬がクリスに襲い掛かります。その隙にアリシアは逃走を図りますが、イリアに追いつかれてしまうのでした。クリスは犬に襲われながらも銃を手に取りますが、撃てません。なぜならイリアがアリシアを盾に取っているからです。

そしてイリアはアリシアをレイプし、殺してしまいます。その時クリスは、地雷が偽物だったことを知ります。全ては罠だったのです。ここが物語の転換点となり、クリスのリベンジ劇が始まるのでした。

『デッドオアリベンジ』衝撃のラストシーン【ネタバレ】

(C) アメイジングD.C.

ストーリーのクライマックスと結末

アリシアを殺され、復讐心に燃えるクリス。彼は犬を殺したイリアの家を訪ねます。そこにはイリアの母ターニャと娘リカもいました。クリスは家族を人質に取り、イリアに同じ事をするのです。リカに服を脱ぐよう命令し、ロシアンルーレットのように命を弄びます。

そして遂にクリスはリカの頭を撃ち抜いてしまいます。自らの行いにショックを受けるクリス。一方、イリアとターニャは愛する娘を失い、絶望の底に突き落とされます。こうしてクリスの壮絶な復讐劇は終わりを告げました。

ショッキングな展開と残されたミステリー

本作のラストは非常にショッキングな展開となっています。主人公のクリスが無残に友人や恋人を殺され、さらに自らも手に血を染めるという悲劇的な結末を迎えるのです。観客はクリスの復讐心に感情移入しつつも、その行き着く先の悲惨さに言葉を失います。

そして最後まで明かされなかったミステリーが、ダニエルの真の目的です。親友のクリスを殺そうとした理由は最後まで語られません。ただ単に嫉妬からクリスを殺そうとしたのか、それとも別の深い理由があったのか。ダニエルの心の闇は最後まで謎に包まれたままなのです。

『デッドオアリベンジ』作品の考察とテーマ

ラストシーンから読み解く本作のメッセージ

クリスが最後の場面で見せるショックと後悔の表情から、私たちは復讐の果てにあるむなしさを思い知らされます。本作は単なる復讐劇ではなく、「復讐の連鎖が生む悲劇」をテーマとしているのです。暴力の連鎖は新たな不幸しか生まず、その代償は計り知れないものになる。クリスもイリアも最愛の人を失い、取り返しのつかない喪失を経験しました。ラストシーンはそんな救いようのない現実を突きつけているのです。

監督の意図と作品の背景

本作の監督レヴァン・バキアは、「人は極限状態に追い込まれると何ができるのか」をテーマに作品を製作したと語っています。作中では登場人物たちが理不尽な暴力に晒され、常軌を逸した行動に走ります。バキア監督はそれを通して人間の本能的な部分を炙り出そうとしたのでしょう。

また、作品の舞台となったジョージアは、90年代に内戦や民族紛争が相次いだ国です。理不尽な暴力に晒された人々の苦しみを、本作では象徴的に表現しているのかもしれません。現実の悲劇を下敷きにした作品だからこそ、非日常的な復讐劇が生々しいリアリティを持って描かれているのです。

『デッドオアリベンジ』類似のおすすめ映画

リベンジスリラー映画の系譜

『デッドオアリベンジ』は、数あるリベンジスリラー映画の中でも特に衝撃的な作品と言えるでしょう。同ジャンルの代表作として、『オールドボーイ』(2003年)、『復讐者』(2009年)、『ゲット・アウト』(2017年)などが挙げられます。これらの作品に共通するのは、復讐という行為の是非を問いかける倫理的なテーマ性です。一見カタルシスのあるエンターテインメント作品ながら、後味の悪さや虚無感を観客に残すのが特徴と言えます。

同ジャンルの隠れた名作

リベンジスリラーの隠れた名作としては、『ブルードラゴン』(2005年)や『コールド・イン・ジュライ』(2014年)などが挙げられます。前者は韓国映画で、後者はアメリカ映画ですが、どちらも復讐劇を通して人間の弱さや業を浮き彫りにしている点では共通しています。『デッドオアリベンジ』のような極限的な展開はありませんが、人間ドラマとしての奥行きはこちらの方が勝っているかもしれません。リベンジものに飽きた方や、『デッドオアリベンジ』の衝撃から抜け出せない方にこそおすすめしたい秀作です。