毒舌ヒロインの成長物語!『NANA』全21巻のあらすじを時系列順に解説

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矢沢あいによる人気漫画『NANA』。同じ「ナナ」という名前の2人の女性を中心に、恋愛、友情、夢、挫折などをリアルに描く青春群像劇です。 性格も生き方も正反対な2人のナナが運命的に出会い、魅力的なキャラクターたちが織りなす人間模様が読者を引き込みます。 ここでは、そんな『NANA』全21巻のあらすじを時系列順に解説。物語のキーポイントを押さえつつ、独特の世界観や魅力もお伝えしていきましょう。 スキャンダラスでドラマティックな展開の連続に、ページをめくるのが止まらなくなるはず。では「ナナ」ワールドの扉を開けてみましょう。

『NANA』あらすじ:2人のナナが織りなす友情と恋愛模様

個性豊かな登場人物たちが入り乱れる群像劇

『NANA』の物語は、「大崎ナナ」と「小松奈々」という、同じ名前を持つ二人の女性を中心に展開します。彼女たちを取り巻くのは、個性豊かな登場人物たち。

  • 大崎ナナ:性格は男勝りで、言葉遣いは荒く、キレやすい。バンド「BLAST」のメインボーカル。
  • 小松 奈々:親しみやすく愛嬌があり、呑気で天真爛漫な女性。愛称は「ハチ」。
  • レン:ナナの恋人。非常に穏やかで温厚な性格。バンド「TRANPEST」のギターと作曲を担当。
  • ヤス:懐が深い性格で周囲からの信頼も厚い性格。バンド「BLAST」のリーダーで担当はドラム。

恋愛、友情、音楽……。互いの想いが交錯する中、2人のナナを中心とした登場人物たちの人間ドラマが展開されていきます。

1. 上京したナナと、もう一人のナナの運命的な出会い

性格も価値観も正反対の2人だが、不思議な引力で惹かれ合う

物語は、故郷を離れ上京してきたナナが、もう一人のナナと東京で出会うところから始まります。新幹線で隣り合わせになった二人は、名前が同じということもあって意気投合。東京で再会を約束します。

そして偶然にも、二人は同じマンション・同じ号室に住むことになります。性格も趣味も正反対のナナたち。けれど、不思議な引力で惹かれあう二人。一緒に暮らし始めたことで、友情を深めていくのでした。

2. レンとナナ、偶然の再開と復縁

恋愛では不器用なパンクロッカーのレン、ナナへの想いを抱え始める

ハチ(小松奈々)は新生ブラストのライブで美里と出会いました。美里は以前からブラストを追っていました。このライブでハチは、彼が好きなバンド、TRAPNESTのギタリスト、レンと、ナナがかつて恋人だったことを知ります

後日、ハチは偶然手に入れたTRAPNESTのライブチケットでナナを誘います。彼はこの機会を利用してナナを実家にも招き、ナナは彼の家族とのひとときを過ごしながら自分の過去について語り始めます。

ライブの後、ナナはレンと偶然に再会します。当初、ナナは過去を振り返るつもりはなかったものの、レンに抱きしめられた瞬間、感情が溢れ出し、彼を抱き返します。この一件で二人は感情を確かめ合い、再び恋人同士になります。

3. ハチとタクミ、ノブの複雑な関係

憧れのタクミとの一夜を過ごすが、ハチの妊娠が判明

ナナはハチの憧れのタクミを紹介し、ハチは感激の涙を流します。タクミとの一夜後、彼との関係を知ったノブは激怒します。ハチはタクミとノブの間で心が揺れるも、ノブとの交際を決意する直前に妊娠が判明し、タクミを選びます。この選択がハチとナナの距離を生じさせ、ナナの人生も騒がしくなります。

4. それぞれの恋愛の結末

レンの予想外のプロポーズとハチとナナの和解

レンはナナに予想外にプロポーズし、2人は結婚記者会見を開き、トラネスとブラストのCD同時発売が決定します。レイラの誕生日パーティーでハチとナナは和解。一方、ブラストのシンとレイラ、ノブはAV女優の香坂百合、ヤスは女優の美雨と交際を始めます。レンとレイラの不倫スクープが週刊誌に掲載された後、ハチとタクミは入籍し、レイラはシンと別れることを選びます。

5. それぞれの未来、行方不明になったナナ

レイラとタクミの秘密の関係、レンの悲劇的な結末

トラネスがイギリスへのレコーディング合宿に行く前、ナナはレンと喧嘩し、「これが最後かも」と感じますが、彼の言葉に救われます。一方、レイラから別れを告げられたシンは逮捕され、ブラストは活動休止、ナナはソロに転向します。レイラはタクミと愛人関係に、レンは薬物の禁断症状に苦しみ、交通事故で亡くなります。未来の描写では、ナナは行方不明で、ハチは息子の皐と暮らしています。

登場人物たちの恋愛・友情・夢が複雑に絡み合う群像劇の妙

会話のリアリティ、心情描写の細やかさなど、魅力が盛りだくさん

『NANA』最大の魅力は、登場人物たちの人間関係の機微を丁寧に描写している点にあります。恋のライバルでありつつ、かけがえのない親友でもある2人のナナ。ツンデレなレンや、仕事に生きるタクミなど、個性豊かなキャラクターたち。彼らが織りなす、リアルで共感度の高い人間ドラマは、読者を引き込まずにはおきません。

特に、会話のリアリティの高さは秀逸。口語的な言い回しや感情のこもったセリフの数々は、まるで実際に耳にしているかのような臨場感を生み出します。また、恋愛感情や友情、挫折感などの心情描写も実に繊細。登場人物たちの喜怒哀楽が手に取るように伝わってきます。

第1巻の出会いのシーンから炸裂する、ナナと奈々の掛け合い。少し毒舌なやり取りの中にも、信頼し合える友人だからこその本音が透けて見えます。こうしたキャラクター同士の会話のテンポの良さも、本作の大きな魅力と言えるでしょう。

恋愛、友情、夢……。等身大の悩みや葛藤が胸を打つ

『NANA』には、恋愛にまつわるドラマが満載です。不器用なレンと純粋なナナ、多忙なタクミと寂しさを抱える奈々……。それぞれの恋模様は、甘酸っぱくも切ないリアリティに溢れています。「好きな人を想う気持ち」「すれ違いによるもどかしさ」など、誰もが感じ得る感情が余すところなく表現されているのです。

友情についても、ナナと奈々の絆を中心に、深く掘り下げられています。正反対の性格でありながら、惹かれ合う2人。時に衝突し、時に支え合いながら、かけがえのない存在として成長していく過程は、友情の尊さを感じずにはいられません。

また、夢や仕事への情熱も、作品のテーマとして大きく扱われています。音楽に生きるナナとレン、女優を目指す奈々、トップスターとしての重圧に苦しむタクミ……。彼らが理想と現実の狭間で悩み、挫折しながらも前に進もうとする姿は、読者の心を強く動かすはずです。

ナナのこのセリフからは、音楽への熱い想いが伝わってきます。夢を追うことの苦しさ、でもそれでも諦められないという気持ち。そうした等身大の悩みや葛藤が、リアルに描かれているところも、多くの共感を呼ぶポイントと言えるでしょう。

まとめ:2人のナナが織りなす、等身大の青春群像劇

ここまで、『NANA』のあらすじと魅力について解説してきました。同じ名前の2人の女性を中心に、恋愛、友情、夢、挫折などが繊細なタッチで描かれた物語。一筋縄ではいかない人間関係の機微をリアルに表現した、青春群像劇の金字塔と言えるでしょう。

音楽シーンを舞台に、バンドマンやミュージシャンといったロックな設定も本作の魅力。パンクな風貌のナナ、クールなレン、ベーシストのタクミなど、個性的なビジュアルも相まって、『NANA』ならではの世界観を作り上げています。

まだ謎の多いラストシーン、7という数字への拘りなど、考察の尽きない伏線も数多く散りばめられています。単行本の隅々まで目を凝らして読み解くことで、新たな発見があるはず。2人のナナの今後を想像しながら、何度でも作品を読み返したくなる、そんな魅力が『NANA』にはあります。

恋に仕事に、時に悩み、時に涙しながらも、それでも懸命に生きようとする登場人物たち。彼らの等身大の姿は、きっと多くの読者の心に刻まれることでしょう。まだ読んだことがない方は、ぜひ1巻を手に取ってみてください。ナナと奈々の出会いから始まる、青春真っ只中の世界があなたを待っています。