映画「許されざる者」の基本情報
原作・監督・主演
「許されざる者」は、デヴィッド・ウェッブ・ピープルズの脚本を映画化した作品で、クリント・イーストウッドが監督と主演を務めています。イーストウッドが演じるのは、かつては凄腕の殺し屋だったウィリアム・マニー。共演には、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリスらが名を連ねています。
公開日と興行収入
1992年8月7日に全米公開され、日本では1993年4月24日に公開されました。全世界での興行収入は、1億5900万ドル（約180億円）を記録し、大ヒットを果たしました。
受賞歴
第65回アカデミー賞では、作品賞、助演男優賞（ジーン・ハックマン）、編集賞、音響編集賞の4部門を受賞。イーストウッドにとっては、監督・製作・主演の三役を務めた作品として初のアカデミー作品賞受賞となりました。
「許されざる者」のあらすじ
物語の舞台と時代背景
1880年代の米ワイオミング準州のビッグ・ウィスキーという小さな町が舞台。この時代は、開拓時代の終わりを告げる頃で、無法者が跋扈していました。そんな中、娼婦の顔に傷を付けた男に賞金がかけられることから、物語が動き出します。
主要登場人物の紹介
- ウィリアム・マニー（演:クリント・イーストウッド）：かつては「無慈悲のビル」と恐れられた殺し屋。今は妻の死後、二人の子供と平和に暮らしている。
- リトル・ビル（演:ジーン・ハックマン）：ビッグ・ウィスキーの保安官。極端な暴力嫌いで知られる。
- ネッド（演:モーガン・フリーマン）：マニーの旧友で、かつては無法者だった。
- スキンナー（演:アンソニー・ジェームズ）：売春宿の経営者。
- ストロベリー・アリス（演:フランシス・フィッシャー）：娼婦の一人。
ストーリーの要約（前半）
ビッグ・ウィスキーの娼婦の一人が、客に顔を切りつけられる事件が発生。娼婦たちは、犯人の男に賞金をかけることを決意します。そのことを知ったマニーは、生活のために仕方なく賞金稼ぎに乗り出すことに。旧友のネッドと若者のスキンナー・キッドとともに、ビッグ・ウィスキーへと向かいます。
ストーリーの要約（後半）
マニーたちは、犯人の男を見つけ出し、スキンナー・キッドが射殺します。その後、ネッドは保安官のリトル・ビルに捕まり、拷問によって殺されてしまいます。怒りに燃えたマニーは、ひとりでリトル・ビルたちと対決します。
ラストシーンと結末
壮絶な銃撃戦の末、マニーはリトル・ビルたちを全員射殺。彼はネッドの遺体を埋葬するよう命じ、娼婦たちを大切にするよう忠告して、町を後にします。ラストシーンでは、マニーが雨の中、町を去っていく姿が印象的に描かれます。
「許されざる者」の見どころ3選
印象的な名シーン
- マニーが久しぶりに銃を手にする場面
- スキンナー・キッドが初めて人を撃つ場面
- マニーとリトル・ビルの最後の対決シーン
登場人物の心情や葛藤
マニーは、暴力から足を洗った平和な生活を望んでいましたが、家族を養うために再び銃を取らざるを得ない状況に追い込まれます。彼の心の葛藤と、最後まで自分の信念を貫く姿が印象的です。リトル・ビルもまた、法と秩序を守ろうとする一途な姿が描かれています。
映画のテーマと背景
本作は、単なる西部劇というだけでなく、暴力の連鎖や復讐、罪と罰といった普遍的なテーマを描いた作品です。19世紀末のアメリカ西部を舞台に、「開拓時代の終わり」を告げる一種の寓話となっています。
「許されざる者」の関連情報
続編や関連作品
「許されざる者」に直接的な続編はありませんが、イーストウッド監督の他の西部劇作品としては、「荒野の用心棒」（1964年）、「夕陽のガンマン」（1976年）、「ジョージー＆クララ」（1977年）などが知られています。
視聴方法と配信サービス
現在、「許されざる者」はAmazon Prime VideoとU-NEXTで配信中です。また、DVDやブルーレイでの視聴も可能です。
まとめ：「許されざる者」は西部劇の金字塔
「許されざる者」は、イーストウッド監督の代表作であり、西部劇というジャンルの金字塔とも言える作品です。単なる娯楽作品としてだけでなく、暴力や復讐、罪と罰といった普遍的なテーマを見事に描き切った点で、高く評価されています。名優たちの熱演と、イーストウッド監督の卓越した演出力が光る一本です。ぜひ、この機会に鑑賞してみてはいかがでしょうか。
