人種の壁を越えた感動の実話!映画『グリーンブック』のあらすじと作品の魅力を解説

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『グリーンブック』あらすじ:黒人ピアニストと白人運転手の実話に基づく友情の物語

1960年代のアメリカ南部を舞台に、2人の男の感動の旅路が始まる

2018年公開の米国映画『グリーンブック』は、1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人クラシックピアニストのドン・シャーリーと、彼の専属運転手を務めた白人用心棒トニー・リップの友情を描いた作品です。当時まだ人種隔離が色濃く残る南部で、2人は数々の差別に直面しながら各地を巡ります。ピアニスト役のマハーシャラ・アリと運転手役のヴィゴ・モーテンセンの演技が高く評価され、第91回アカデミー賞では作品賞、助演男優賞(アリ)、脚本賞を受賞しました。原題の「Green Book」は、黒人向けの旅行ガイドブックの名称に由来しており、物語の中で人種差別の象徴として大きな意味を持ちます。

1. トニーとドクター・シャーリーの出会い:偏見に満ちた時代背景

イタリア系の無骨な男トニー・リップは、一流ナイトクラブのドアマンとして働いていましたが、閉鎖に伴い失職してしまいます。一方、黒人クラシックピアニストのドン・シャーリーは、南部ツアーに向けて専属の運転手兼用心棒を探していました。面接でトニーの人種差別的な態度を見抜いたドンは、あえて彼を採用し、礼儀作法から音楽の心得まで徹底的に教育します。正反対の性格と背景を持つ2人でしたが、旅を通して次第に固い信頼で結ばれていくのです。

2. 差別と闘いながら各地を巡る2人、次第に芽生える信頼関係

衝突から連帯へ:トニーとドンのツアー物語

旅の始まりでドンとトニーはすぐに衝突し、ドンはトニーの粗野な振る舞いに注意を促すが、トニーは不快感を示す。ツアーが進む中で、トニーはドンのピアノの才能に感銘を受けるが、彼が舞台外で受ける差別に動揺する。ドンがバーで白人男性にリンチされた際、トニーが助け出し、以後彼に外出を控えるよう促す。

旅路の試練:ドンとトニーの困難な南部ツアー

旅中、ドンはトニーの手紙を手伝い、トニーはドンに家族との連絡を勧めるが、ドンは過去の家族問題を明かす。南部でドンが警官に咎められる事件があり、トニーは賄賂で彼の逮捕を回避するが、ドンはこれに憤る。さらに、黒人外出禁止区域で車を停止され、トニーが警官を殴打し逮捕される。収監中、ドンは弁護士ではなくロバート・ケネディに連絡し、州知事を通じて解放を求める。

人種差別の壁を越えて:バーミンガムのツアー最終夜

アラバマ州バーミンガムでのツアー最終夜、ドンは白人専用のカントリークラブのレストラン入場を拒否される。ドンは入場拒否なら演奏を拒否すると主張し、オーナーの侮辱的な誘いを拒絶。トニーはドンと共にその場を後にし、ブラックブルースクラブ「オレンジバード」で夕食をとる。そこでドンはショパンの曲を演奏し、絶賛される。演奏後、店のバンドと共にブルースを奏で、観客からの拍手喝采を受ける。

3. ドンとトニー家のクリスマス、心温まるエンディング


クリスマスイブに家に帰る途中、トニーとドンは警察に止められるが、警官はタイヤのパンクを助けただけで嫌がらせはない。ニューヨークに到着し、ドンがトニーを自宅前で降ろし、執事には「今夜は家に帰れ」と言って、執事は「メリークリスマス」と挨拶する。

トニー家でのクリスマスパーティーで、トニーが人種差別的な言葉を使われると、それをたしなめる。これにより、旅で彼の偏見が減少したことが示される。質屋の夫婦が招かれ、ドンがシャンパンを持って現れた際、家族は彼を暖かく迎え入れる。ドロレスはドンに感謝の言葉を伝え、二人は抱擁する

人種差別や偏見と向き合う普遍的なテーマ性が作品の魅力

『グリーンブック』の最大の魅力は、1960年代という時代設定でありながら、現代にも通じる普遍的なメッセージ性にあります。人種差別という重いテーマを扱いつつ、ユーモアと洞察力を交えて描いている点が秀逸です。相手の立場に立つことの大切さ、多様性を認め合う社会の必要性を訴えかけます。差別問題という普遍的テーマと、魅力的なキャラクターによる感動のドラマが見事に調和しているのです。時代を超えて共感を呼ぶテーマ性と、卓越した映像表現が織りなす優れた作品と言えるでしょう。