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1986年公開の『トップガン』とは?基本情報をおさらい
トニー・スコット監督、トム・クルーズ主演の青春アクション映画
「トップガン」は、1986年5月に全米公開されたパラマウント映画の作品です。「トップガン」という海軍の精鋭パイロット養成学校を舞台に、若きパイロットたちの成長と友情、恋愛を描いた青春アクション映画で、監督はトニー・スコット、プロデューサーはドン・シンプソンとジェリー・ブラッドハイマーが務めました。主演は当時24歳のトム・クルーズ。彼にとって本作は2本目の主演作となり、一躍スターダムにのし上がるきっかけとなった作品です。
全米大ヒットを記録し、トム・クルーズの人気を不動のものに
「トップガン」は全米公開から空前の大ヒットを記録。最終的に全米興行収入1億7,600万ドル、世界興収3億5,300万ドルを稼ぎ出し、1986年の年間興行収入ランキングで堂々の1位に輝きました。若き日のトム・クルーズの端正なルックスとキャリアを懸けた熱演、スリリングな空中戦シーンなどが大きな話題を呼び、本作の大ヒットにより、トム・クルーズの人気は不動のものになったと言えるでしょう。また、第59回アカデミー賞では、主題歌「テイク・マイ・ブレス・アウェイ」が主題歌賞を受賞。音楽面でも高い評価を得ました。
『トップガン』のストーリー概要
海軍のエリート・パイロット養成学校”トップガン”を舞台に
USネイビーの精鋭パイロットたちが集うエリート養成学校”トップガン”。そこでは、腕の立つパイロットのみが選抜され、過酷な訓練を受けます。主人公のピート・”マーベリック”・ミッチェル(トム・クルーズ)は勇敢で正義感が強いものの、型破りで危険な飛行スタイルが災いし、トップガンでは教官のヴァイパー(トム・スケリット)から厳しい指導を受けることに。
型破りなマーベリックと完璧主義のアイスマンの熾烈なライバル関係を描く
トップガンでマーベリックは、冷静沈着でありながら高い実力を持つトム・”アイスマン”・カザンスキー(ヴァル・キルマー)とライバル関係に。2人の飛行スタイルや性格の違いから、訓練中も衝突が絶えません。さらに悲劇は訪れます。訓練中、マーベリックの親友ニック・”グース”・ブラッドショー(アンソニー・エドワーズ)が事故死。マーベリックは深く自信を失ってしまうのです。
チャーリーとの恋に揺れるマーベリック
トップガンでの訓練中、マーベリックは教官のシャーロット・”チャーリー”・ブラックウッド(ケリー・マクギリス)と出会い、彼女に強く惹かれていきます。しかし、感情を表に出すことが苦手なマーベリックは、チャーリーとの関係に戸惑いを隠せません。結局、自信を失ったマーベリックに失望したチャーリーはワシントンへと去ってしまいます。
エンディング:アイスマンとの連携、チャーリーとの再開
物語のクライマックスでは、マーベリックとアイスマンは実戦で敵機から攻撃を受けます。窮地に陥った時、お互いの信頼関係が試されることになりますが、2人は見事な連携プレーを見せ、敵機を撃墜することに成功します。フィナーレでは、マーベリックがトップガンに教官として戻り、ワシントンから帰ってきたチャーリーと劇的な再会を果たします。
『トップガン』の名セリフ3選
1. 俺にくっついてこい。ただ着いてくればいい
仲間の異変を察知したマーベリックは、自分の機体も燃料が少ししかないのを承知でもう一度飛び立ち、このセリフを放ちました。物語の序盤で放たれるこのセリフは、キャラクターの立ち位置をわかっていない視聴者にマーベリックの頼もしさを十分に理解させます。
2. 空での君は亡霊を追ってるようだ
マーベリックは天才的な技量を持つパイロットでしたが、彼の操縦はいつも自分勝手で、危険を顧みないものでした。それを見た相棒のクーガーは、思わずこのセリフを口にします。これを聞いたマーベリックは、深く反省することになります。
3. 腕じゃなくて態度の問題だ
マーベリックのライバル、アイスマンのセリフです。模擬飛行でマーベリックはアイスマンに勝とうとしますが、マーベリックは毎回アイスマンに負けて二位。悔しがるマーベリックに対し、アイスマンは彼の協調性の無さを指摘します。
なぜ『トップガン』は名作と呼ばれるのか
米ソ冷戦という時代背景が作品に深みを与えている
「トップガン」が公開された1986年は、米ソ冷戦の最終局面に差し掛かろうとしていた時期でした。当時のアメリカでは、軍事的な緊張感が高まる中、愛国心を鼓舞する作品が求められていたのです。「トップガン」は、そうした時代の空気を色濃く反映した作品と言えます。U.S.ネイビーの全面協力を得て製作された本作は、アメリカの軍事力の象徴としてのF-14戦闘機や、エリートパイロットたちの活躍を通して、国家の威信を高めることに成功。愛国心あふれる作品として、多くのアメリカ人の共感を呼んだのです。
スリリングな空中シーンと、心に残る人間ドラマが見事に融合
「トップガン」の最大の見どころは、何と言ってもリアルで迫力満点の空中戦シーンです。本物のF-14戦闘機を使用し、アクターたちも本物のパイロットから訓練を受けて撮影に臨んだと言われています。観客はまるでコックピットに乗り込んだかのような臨場感を味わうことができ、新次元のアクション映画体験を提供することに成功しました。
また、「トップガン」は単なるアクション作品ではありません。登場人物たちの葛藤や成長、友情や恋愛など、心に残る人間ドラマが随所に盛り込まれています。特にマーベリックとアイスマンの関係性は、ライバルから信頼できる相棒へと変化を遂げる様が丁寧に描かれ、観る者の感動を誘います。スリリングなアクションと繊細な人間ドラマのバランスが絶妙で、それこそが「トップガン」を不朽の名作たらしめている最大の理由と言えるでしょう。パイロットの”究極の男の世界”を描いた本作は、今なお多くの人々を魅了し続けています。