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映画「アナスタシア」のあらすじを3分で知る!
8歳のアナスタシア皇女とロシア革命
1916年、ロシア帝国。ロマノフ朝最後の皇帝ニコライ2世の末娘アナスタシアは、祖母マリー皇太后から音楽ボックスをプレゼントされます。しかしその夜、グレゴリー・ラスプーチン率いる反乱軍が宮殿を襲撃。アナスタシアたち王族は必死に逃げ延びますが、アナスタシアは行方不明になってしまいました。
記憶を失ったアーニャとペテルブルクへの旅
それから10年後、孤児のアーニャは記憶を無くしたまま、ロシアの片田舎で暮らしていました。唯一の手掛かりは「Together in Paris(パリで会おう)」と刻まれたペンダント。アーニャはペンダントを頼りにパリを目指すことに。そこで出会った2人の青年、ディミトリとウラジミールは、行方不明のアナスタシア王女に似ているアーニャをパリに連れて行き、報奨金をせしめようと企みます。
ラスプーチンの企みとアーニャの苦難
一方、アナスタシアを亡き者にしようと魔法を使ってラスプーチンが復活します。ラスプーチンはアーニャを始末すべく、彼女とディミトリたちの前に何度も立ちはだかります。列車事故、船の難破、ラスプーチンの呪いなど、幾多の危機を乗り越えながらもアーニャはパリに辿り着き、マリー皇太后と対面を果たします。
皇太后との再会と真実の瞬間
マリー皇太后はアーニャがアナスタシアだと信じ、涙の抱擁を交わします。するとアーニャの記憶が蘇り、自分がアナスタシアであると確信するのでした。ところが、ラスプーチンの最期の罠が二人を襲います。絶体絶命のピンチに、ディミトリが力を合わせてラスプーチンを打ち倒し、アナスタシアの運命を取り戻すのです。
アナスタシア伝説の謎に迫る
アナスタシア皇女とは何者なのか
1918年7月、ロシア皇帝ニコライ2世とその家族は、ロシア革命の最中にボリシェヴィキによって処刑されました。ところが、末娘のアナスタシア皇女だけは生き延びたとの噂が流れ、「アナスタシア生存説」は20世紀最大のミステリーの一つとなりました。アナスタシア皇女は本当に革命を逃れたのか。彼女になりすました偽アナスタシアが現れるなど、様々な憶測が飛び交いましたが、真相は闇に包まれたままでした。
映画「アナスタシア」とアナスタシア伝説の関係性
『アナスタシア』の物語は、実在のアナスタシア皇女の数奇な人生をモチーフにしつつ、空想上の出来事を多く織り交ぜたフィクションです。アナスタシアが革命を生き延びたという設定は伝説に基づいていますが、ラスプーチンの黒魔術など、現実にはなかった要素も盛り込まれています。歴史と空想が融合した『アナスタシア』は、ロマンティックな「if」の物語。史実に縛られない自由な解釈が、ミステリアスなアナスタシア伝説にふさわしい作品を生み出したのです。
映画「アナスタシア」のキャラクターと声優を紹介!
キャラクター | 役割 | 声優(英語版) | 声優(日本語版) |
---|---|---|---|
アーニャ(アナスタシア) | 主人公。ロマノフ朝最後の皇女 | メグ・ライアン | 松本梨香 |
ディミトリ | 元=宮廷仕えの青年。アーニャの良き理解者に | ジョン・キューザック | 森川智之 |
ウラジミール | ディミトリの相棒。陽気で茶目っ気たっぷり | ケルゼイ・グラマー | 西村知道 |
ラスプーチン | 悪役。闇の力を操る邪悪な僧侶 | クリストファー・ロイド | 龍田直樹 |
映画「アナスタシア」の見所をチェック!
圧巻の音楽シーンと美しい映像美
『アナスタシア』の大きな魅力は、アカデミー賞にノミネートされた音楽の数々です。作曲家デヴィッド・ニューマンの感動的な楽曲が物語を彩ります。特に、主題歌”Once Upon A December”が流れるシークエンスは圧巻。荘厳な宮殿の大広間で、アナスタシアの幻影たちがワルツを踊る幻想的な映像が、アナスタシア王朝の悲劇的な運命を象徴しています。キャラクターの喜怒哀楽に寄り添う音楽と、絢爛豪華な映像美が一体となった素晴らしい演出が光ります。
感動のクライマックスとハッピーエンド
数々の困難を乗り越えてきたアーニャとディミトリたちに、ついに幸せなエンディングが訪れます。涙する皇太后との再会、真実の愛に気づくアーニャとディミトリのロマンス、そしてラスプーチンを倒す勇敢な戦い。見る者の心を揺さぶる感動のクライマックスシーンの連続に、思わず涙が溢れてきます。特に、ディミトリの「アーニャにはアーニャの人生がある」という愛のセリフは、すべてを受け入れる彼の心の広さを表現しています。『アナスタシア』は、愛と勇気の力が奇跡を起こすハッピーエンドを、美しく描き上げた作品なのです。
ラスプーチンの恐ろしさと存在感
純粋で明るいアーニャたちと対照的なのが、ダークヒーロー・ラスプーチンの存在です。この作品のために生み出されたオリジナルキャラクターながら、その威圧感溢れる佇まいとドス黒い野望が、物語に欠かせない緊張感を生み出しています。特に、不気味な魔法のエネルギーを放つラスプーチンの両手や、禍々しい蝙蝠バートックとの対話シーンは印象的。ラスプーチンの甦りと恐ろしいまでの執念が、アーニャをはじめとする登場人物たちの冒険と苦難に、絶妙なスパイスを加えているのです。
映画「アナスタシア」の評価と魅力
アカデミー賞にノミネートされた歌と音楽
『アナスタシア』は第70回アカデミー賞において、作品賞を含む2部門でノミネートされました。中でも評価が高かったのが、リン・アーレンとスティーヴン・フラハティのコンビによる主題歌”Journey to the Past”です。この印象的なバラードは作品のテーマを見事に体現しており、ヒロインの心情を深く描き出しています。また、先述のデヴィッド・ニューマンによる楽曲の魅力も大きなウリ。『アナスタシア』の感動を支える重要な要素として、音楽面での高い完成度が挙げられます。
個性豊かなキャラクターと声優陣
魅力的なキャラクター造形も『アナスタシア』の大きな特徴です。記憶を無くしながらも、常に前を向いて生きるアーニャの強さ。彼女を支え、時に突き放しながら導くディミトリの熱い心。そしてコミカルでありながら憎めないラスプーチンの悪役ぶり。さらに脇を固める、頼れるオカリナ奏者のウラジミールや優雅なマリー皇太后など、脇役も個性豊かです。これらのキャラクターたちに命を吹き込んだ声優陣の熱演もお見事。一人一人の鮮やかな声が、この作品の大きな魅力となっています。
歴史ファンタジーの新たな金字塔
『アナスタシア』の何よりの魅力は、愛と冒険とミステリーが融合した壮大なストーリーでしょう。歴史ロマンスの王道を行く骨太の物語でありながら、革命や戦争といったリアルな史実をファンタジーの世界に溶け込ませた構成力は特筆モノ。絵本のような美しい映像や音楽と、スリリングな展開のバランスも絶妙です。「おとぎ話のプリンセス」と「悲運の皇女」、2つの顔を持つアナスタシア像は、多くの人の心を掴んで離しません。歴史ファンタジーというジャンルに、新たな金字塔を打ち立てた傑作だと言えます。
アナスタシア映画情報まとめ
映画の基本情報と制作背景
- 原題:Anastasia
- 製作年:1997年
- 製作国:アメリカ合衆国
- 上映時間:94分
- 製作会社:フォックス・アニメーション・スタジオ
- 配給:20世紀フォックス
- 監督:ドン・ブルース、ゲイリー・ゴールドマン
- 製作費:約5,000万ドル
『アナスタシア』は、フォックスによる初の長編アニメーション映画。実写映画『追想』(1956)をアニメ化した、スタジオ初の野心作でした。
興行収入と評価
- 世界興行収入:約1億3980万ドル
- 日本での配給収入:4億円
- アカデミー賞:主題歌賞と音楽賞にノミネート
ミュージカルへの発展と世界的人気
『アナスタシア』の人気は映画だけに留まりません。2017年にはブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞でも高い評価を得ました。オリジナルの楽曲に加え、新たな音楽も追加されています。また、スペインやドイツでの公演を皮切りに、ヨーロッパやアジア、南米など世界各国でもツアー公演が行われており、日本でも上演が決定しています。映画から20年以上経った今なお、『アナスタシア』は多くのファンを魅了し続けているのです。
続編やシリーズ作品の有無
『アナスタシア』に直接の続編や関連作品はありません。ただし、本作のヒットを受けて、フォックス・アニメーション・スタジオは『ティターン A.E.』(2000)など、意欲的なアニメーション作品を製作していきます。『アナスタシア』で培われたノウハウが、その後のフォックス作品に活かされていると言えるでしょう。また、ミュージカル版では新たなオリジナルキャラクターも登場しており、またひと味違った『アナスタシア』ワールドが展開されています。
関連作品と視聴方法
- 映画『追想』(1956):『アナスタシア』の原作となった実写映画。インゲリッド・バーグマン主演。
- 小説『アナスタシア』:1955年出版のマルセル・モーリアックによる伝記的小説。
- ブロードウェイミュージカル『Anastasia』のサウンドトラック:2017年発売。
映画『アナスタシア』はDVDやブルーレイでのリリースに加え、現在はDisney+で配信中。いつでも手軽に名作を楽しむことができます。