【5分で完全理解】銀河英雄伝説 全体あらすじを時系列でわかりやすく大解説!

銀河英雄伝説 全体のストーリー概要

銀河英雄伝説は、遥か未来の銀河系を舞台にしたスペースオペラ。専制君主制の銀河帝国と、民主主義の自由惑星同盟という2つの陣営が、150年に渡って銀河の覇権を賭けた戦いを繰り広げる。

物語の中心となるのは、2人の若き天才だ。1人は銀河帝国の貴族の出であるラインハルト・フォン・ローエングラム。非凡な軍事的才能を武器に出世し、腐敗した帝国の打倒と銀河統一を目指す。

対するは、自由惑星同盟のヤン・ウェンリー。民主主義を理想とする彼は、戦略的センスと人望を武器に、専制主義から自由を守るため戦場に身を置く。

外見上は対極に立つ2人だが、卓越した能力と強い意志を持つ点では共通していた。2人の天才の活躍と、銀河の命運を左右する戦いの行方が、物語を大きく動かしていく。

スケールの大きな戦記でありながら、登場人物1人1人の心理の機微や、人間ドラマ、歴史や政治の考察など、広大な世界観の中に詰め込まれた魅力は尽きない。
知謀と野望が渦巻く、驚異のスペースオペラの全貌がここに描かれる。

銀河英雄伝説 章ごとのあらすじ

第1部 黎明篇

黎明篇は、銀河の2人の英雄、ラインハルトとヤンの登場を描く。

帝国貴族の出でありながら、姉を奪われた過去を持つラインハルトは、腐敗した専制体制打倒を胸に秘める。親友キルヒアイスの助力を得て、類まれな軍才で頭角を現していく。

一方、学費が無償だった士官学校に入ったヤンは、本来は平和主義の歴史家志望。だが持ち前の知略を陸戦学校の演習で遺憾なく発揮、不本意ながらも軍人の道を進むことになる。

両雄の運命的な出会いが、アスターテ会戦だ。圧倒的な敵を前に、ヤンはラインハルトの堅陣を巧みに翻弄、窮地に陥れる。だがこの会戦でラインハルトもまた、将来の宿敵の片鱗を嗅ぎつける。

対するイゼルローン攻略戦では、ラインハルトが見事な大勝利を収める。だが民主主義を標榜する同盟にも、腐敗の臭いが漂い始めていた。

英雄たちの”黎明”は、混沌とした銀河の運命を、新たな方向へ向かわせる。シリーズ随一の見せ場が満載の第1部。ここに壮大な戦いの火蓋が切られる。

第2部 野望篇

ラインハルトの野望は、皇帝への道を突き進む。だが親友キルヒアイス亡き後、彼の心に徐々に迷いが生じ始める。一方、ヤンはエル・ファシル政府の長官として民主主義の理想に殉じようとするが…。
大規模な会戦と両雄の苦悩が描かれる、ドラマティックな展開の第2部だ。

第3部 雌伏篇

遂に銀河帝国の皇帝となったラインハルト。対するヤンは辺境の要塞に身を置き、ラインハルトへの反抗の狼煙を上げる。
互いに主義主張の違いを乗り越えられない2人。しかしそこには、通じ合うものがあるのかもしれない。思想と感情のせめぎ合いを描いた第3部。英雄たちの孤独と苦悩に胸を打たれる。

第4部 策謀篇

ヤンの反乱に業を煮やしたラインハルトは、ついに大艦隊を率いて出撃する。策略を駆使して帝国軍を翻弄するヤンに対し、ラインハルトもまた、渾身の大作戦を打って出る。
両軍入り乱れた大会戦は、まさに絵に描いたような激闘。策謀渦巻く知略の戦いは、シリーズ屈指の見応えだ。勝敗の行方は!?

第5部 風雲篇

銀河の2大勢力のぶつかり合いは、ますます熾烈さを増していく。戦いを重ねるうち、2人の英雄の間には、ある種の敬意のようなものが芽生え始めていた。
しかしラインハルトの心には、ヤンへの対抗心と同時に、焦燥感が募っている。果たして彼は、自らに定めた運命を全うできるのか。英雄たちの心の機微を丹念に描く。

第6部 飛翔篇

窮地に立たされたヤンは、とある秘策を実行に移す。だがそれは、ラインハルトの逆鱗に触れ、壮絶な報復の引き金となってしまう。
史上最大の大決戦を前に、2人の英雄の運命が交錯する。天才たちによる、美学とすら呼べるアクロバティックな戦いの数々。そしてクライマックスに待ち受ける悲劇とは…。

第7部 怒濤篇

風雲急を告げる状況下で、ヤンとラインハルトの最終決戦が遂に幕を開ける。互いを認め合いながらも、決して譲ることのできない一線が、2人の間には横たわっていた。
壮絶な戦いの中で、ヤンはある決断を下す。そしてそれが招く、悲劇的な結末。英雄の在りし日を偲び、また彼らの生き様に思いを馳せずにはいられない、感涙必至の怒濤の第7部である。

第8部 乱離篇

ヤンの死により、自由惑星同盟は大きな危機に瀕していた。だが、かつてヤンに教えを受けた若き士官たちが、戦いの前線に躍り出る。
一方、ヤンを失ったラインハルトもまた、深い喪失感に苛まれていた。故人への想いを胸に戦いに身を投じるが、彼の身にも次第に異変が…。伏線が次々と回収され、物語は大団円へと向かう。

第9部 回天篇

ラインハルトによる銀河帝国の建国から2年。ラインハルトを、そして銀河の平和を脅かす、様々な謀略の影が忍び寄る。
かつて同盟に身を置いた英雄ヤンの意志を継ぐ者たち。そして、皇帝ラインハルトの心の内に潜む弱さ。複数の勢力による権力闘争のうねりに、ラインハルト自身もまた、飲み込まれていく。英雄たちの苦悩が、物語に苦い渋みを加える。

第10部 落日篇

ついに体調を崩したラインハルト。しかし、彼は最後まで、自らに定めた使命を全うしようとする。
一方、ヤンの遺志を継ぐ者たちもまた、銀河の、そして歴史の針路を定めるべく奮闘する。英雄の死から、新たな時代へ―。これまでの布石が全て回収される、感動の最終章である。銀河の未来を託されし者たちの勇姿を見届けよう。

銀河英雄伝説の見所と魅力

スケールの大きな宇宙SF長編物語

太陽系を遥かに超えた広大な銀河を舞台に、150年間に渡る戦乱の歴史を描く本作。人類の居住圏3分の1を巻き込む、文字通り”銀河規模”の物語だ。
数万隻もの艦隊が火花を散らす宇宙戦、未知の惑星を舞台とした攻防など、SFファンも唸らせるスペクタクルアクションとスリリングな展開が随所に盛り込まれる。全10巻、ページ数にして4000ページを超える圧倒的なボリュームも見逃せない。

魅力的な登場人物たちの活躍と人間ドラマ


個性豊かなキャラクターたちが、物語に命を吹き込む。義に殉じる親友キルヒアイス、策略渦巻く参謀オーベルシュタインなど、脇を固める登場人物も魅力的だ。
軍神と謳われるラインハルトと、不世出の名将ヤン。銀河の歴史を動かす2人の天才の活躍と、その周りで生き様を懸ける兵士たちの群像劇。彼らの友情、裏切り、愛憎が絡み合い、一大スペクタクルを織りなす。

歴史や政治、人生の機微を描いた骨太のストーリー

壮大なSFの皮を被りながらも、本作の核心は”人間の物語”だ。専制と民主主義の対立、自由と平等をめぐる登場人物たちの格闘は、現代にも通じる普遍的テーマだ。
主義主張を異にする将兵たちもまた、血肉を持った一人の人間。戦争の悲惨さや兵士の苦悩を通し、平和への祈りが丹念に描かれる。
権力闘争の醜さ、理想と現実のギャップ。歴史と政治の本質を射抜く人間ドラマは、現代人にも多くの示唆を与えてくれるだろう。

単なるエンターテインメントに留まらない、重厚な歴史小説としての一面も銀英伝の大きな魅力だ。未来の世界を舞台にしながら、我々人類が歩んできた道のりを映し出す。

青年将校から独裁者へと変貌を遂げるラインハルトの姿は、ナポレオンなどの覇者の矛盾を彷彿とさせる。専制から民主主義を守るヤンの苦悩は、時代を超えた知識人の宿命を想起させずにはいられない。

SF小説の枠を超え、”人生とは何か”を根源から問う、血肉を備えた叙事詩。銀河英雄伝説の真骨頂はそこにある。歴史の皮肉と人間の業を凝縮した、類い稀な大作だ。

まとめ

遠い未来の銀河を舞台に、2人の天才の活躍と人間ドラマを描く銀河英雄伝説。専制と自由をめぐる思想的対立、戦争の悲劇、歴史の皮肉。重厚なテーマを盛り込みながらも、痛快なスペースオペラとしての魅力に溢れる。

原作小説は完結済み、アニメ版も映像化されている。これをきっかけにぜひ作品本編に触れ、ラインハルトとヤンの生き様を追体験して欲しい。

戦いは終わり、英雄たちは歴史の彼方へ。だが物語が問いかけた”人生とは何か”という問いは、現代を生きる我々に投げかけられている。

未来はどこまでも遠く、果てしなく広い。新たな地平を切り拓いた古き良き宇宙SF小説。その感動をあなたの手に。