【3分で分かる】秘密の花園のあらすじを簡潔に解説!

『秘密の花園』とは?作品情報&簡単なあらすじ

『秘密の花園』は、イギリスの作家フランシス・ホジソン・バーネットによる長編児童文学です。1910年から1911年にかけてアメリカの雑誌に連載され、1911年に単行本として出版されました。

舞台は20世紀初頭のイギリス。インドで両親を亡くした主人公の少女メアリーは、イギリスのヨークシャーにある伯父の屋敷に引き取られます。心を閉ざしていたメアリーでしたが、そこで秘密の花園を見つけ、自然の不思議な力によって、少しずつ心を開いていきます。

自然と触れ合うことで心身ともに成長し、周りの人々とのつながりを取り戻していくメアリーの姿が感動的に描かれています。

主要登場人物を紹介

メアリー・レノックス

主人公の少女。10歳。インドで育ったが、両親の死をきっかけにイギリスの伯父の屋敷に引き取られる。初めは我儘で気難しい性格だったが、秘密の花園での経験を通して心優しい少女へと成長する。

コリン・クレイヴン

屋敷の主人アーチボルド・クレイヴンの息子で、メアリーの従兄弟。体が弱く、ほとんどベッドから出ることができない。気難しくて偏屈だが、メアリーとの出会いで少しずつ明るくなっていく。

ディコン

屋敷の使用人の弟。12歳。動物や植物と心を通わせることができる不思議な少年。メアリーの良き理解者となり、秘密の花園を再生させるために力を貸す。

あらすじ【ネタバレあり】

メアリーの新しい暮らし

インドで育ったメアリー・レノックスは、コレラで両親を亡くし、見ず知らずの伯父の屋敷に引き取られます。ヨークシャーの屋敷はインドとは全く違う寒々とした場所で、メアリーはなかなか馴染めません。伯父のアーチボルド・クレイヴンは妻を亡くし、旅に出ていることが多く、出会う機会もありませんでした。

秘密の花園とコリン

ある日、メアリーは屋敷の広大な庭園の中に、壁に囲まれた一角があることに気づきます。使用人のマーサから、そこは亡くなった奥様が大切にしていた花園だが、10年前に閉ざされたままになっていると聞きます。好奇心からその場所に忍び込んだメアリーは、まるで眠りについたような荒れ果てた庭を目にします。そこで、もう一度花園を美しく蘇らせることを決意するのでした。

花園の手入れを始めたメアリーは、ある夜、屋敷を探索していると、ひとりの少年と出会います。それは、体の弱い伯父の息子コリン・クレイヴンでした。母親を亡くし、将来も悲観しているコリンと、次第に打ち解けていくメアリー。コリンも秘密の花園のことを知り、興味を持ち始めます。

再び春を迎えて

春が訪れ、秘密の花園に命が吹き込まれていきます。コリンも車椅子で外に出られるようになり、ディコンと3人で花園の手入れを続けます。徐々にコリンの心と体にも変化が表れ始めます。

花園とともに、子供たちの心も少しずつ癒されていきます。やがて奇跡が起こり、コリンは自分の足で立てるようになります。そして花園が完成したとき、旅から戻ってきた伯父との感動的な再会を果たすのでした。

物語が伝える大切なメッセージ

自然のもつ再生のパワー

『秘密の花園』では、荒れ果てた庭が再び美しく蘇る様子が印象的に描かれています。それは、自然のもつ回復力の象徴とも言えるでしょう。人の心も、大きな悲しみを乗り越え、新たな希望を芽吹かせることができる。そんなメッセージが込められています。

友情と信頼の大切さ

孤独だったメアリーとコリンが、ディコンとの交流を通して、少しずつ心を開いていきます。お互いを思いやり、信頼し合う友情は、時に奇跡をも起こすほどの力を秘めています。相手を受け入れ、支え合うことの大切さを、この物語は教えてくれます。

作品の舞台となった場所&モデルとなった庭園を紹介

『秘密の花園』の舞台は、イギリス北部のヨークシャー地方とされています。作者のバーネットが実際に滞在したグレイト・メイサム・ホールの庭園が、小説の舞台のモデルになったと言われています。ロマンティックで神秘的な雰囲気が、物語の世界観にぴったりマッチしています。

映画&舞台情報

『秘密の花園』は、何度も映画化されています。特に有名なのは、1993年のハリウッド版。アグニェシュカ・ホランド監督、製作総指揮はフランシス・フォード・コッポラが務めました。

また、1991年にブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞にもノミネートされています。日本でも何度か上演されており、多くの人々を魅了してきました。

大切なメッセージが詰まったこの作品は、100年以上たった今も色あせることなく、読み継がれています。ぜひ原作小説を読んで、秘密の花園の世界観を味わってみてください。