【3分でわかる】映画『王様と私』のあらすじを簡単解説!キャストや見どころも紹介

『王様と私』の基本情報

原作やキャスト、製作背景を簡単に紹介

『王様と私』は、1956年に製作されたアメリカ映画で、20世紀フォックスが製作、ウォルター・ラングが監督を務めました。原作は、マーガレット・ランドンの小説『アンナとシャム王』で、これは1860年代にシャム(現在のタイ)で実在した英国人教師アンナ・レオノーウェンズの回想録が元になっています。

主演は、デボラ・カー(アンナ役)とユル・ブリンナー(シャム王モンクット役)。ブリンナーは主演男優賞を受賞するなど高く評価されました。音楽はリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世のコンビが担当。豪華絢爛な舞台美術と衣装も見どころです。

興行的にも大成功を収め、アカデミー賞では9部門にノミネート、作品賞・主演男優賞など5部門を受賞しました。製作費は約455万ドル、興行収入は2130万ドルを記録しています。

『王様と私』のあらすじ

イギリス人女性教師の到着

1862年、イギリス人の女性教師アンナ・レオノーウェンズは、息子のルイスとともにシャムの首都バンコクに到着します。アンナは、シャム王モンクットに雇われ、王宮内で王の子供たちの家庭教師を務めることになったのです。

到着早々、アンナは王宮内ではなく王宮の外に住むよう要求しますが、側近のクララホム首相から拒否されます。激しい議論の末、アンナとルイスは渋々王宮内で暮らすことを承諾します。

アンナと王様の出会いと衝突

アンナが初めて王と対面すると、王はアンナを妻たちやお気に入りの側室のタプティムに紹介します。また、アンナが教える事になる子供たちも紹介されます。

しかし、王とアンナは文化や習慣の違いからすぐに衝突してしまいます。王は専制君主として振る舞い、アンナの意見を聞き入れようとしません。一方アンナは、シャムの伝統を重んじながらも、近代的な考え方を教育に取り入れようとします。

王宮での生活とタプティム等の人間模様

アンナと王子や王女たちの関係は徐々に深まっていきます。アンナは、シャムの風習にとまどいつつも、子供たちと心を通わせていくのです。

一方、側室のタプティムは王に愛想を尽かし、恋人のルン・タと密かに逃げる計画を立てていました。しかし、王に見つかり処罰されそうになります。アンナは必死にタプティムを庇いますが、王の怒りは収まりません。

イギリス大使らを迎えての晩餐会

そんな中、イギリスから使節団が来訪することになります。シャムが野蛮な国だと思われないよう、王はアンナにヨーロッパ風の晩餐会を開くよう命じます。

何とかヨーロッパ式のマナーを教え込み、バレエ「アンクル・トムの小屋」の上演も行います。晩餐会は大成功を収め、使節団を感心させることができました。

王様の死とアンナの決断

しかし、その直後、王は病に倒れ、アンナとの約束も果たせぬまま息を引き取ってしまいます。

王の死後、チャン王妃はアンナにイギリスに帰らず、そこにとどまって後継者である王子を助けてほしいと頼みます。王子チュラーンロンコーンも、アンナの助言を受けながら、奴隷制度の廃止を宣言します。

『王様と私』の見どころやその他の情報

音楽や舞台美術、衣装の魅力

『王様と私』の大きな魅力は、リチャード・ロジャースの音楽です。「Getting to Know You」「Shall We Dance?」など、ミュージカル映画の名曲が数多く生まれました。

また、豪華絢爛な東洋の王宮を再現した舞台美術や、美しい衣装も必見です。デボラ・カーの優雅なドレス姿や、ユル・ブリンナーのタイ王の衣装は、今なお多くの人々を魅了しています。

作品の受賞歴

『王様と私』は第29回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞(ユル・ブリンナー)、美術監督賞、撮影賞、音響賞の5部門を受賞しました。また、主演女優賞(デボラ・カー)、助演女優賞(リタ・モレノ)、脚色賞、音楽賞にもノミネートされています。

歴史的背景と実在のモデル

『王様と私』の原作となったアンナ・レオノーウェンズの回想録には、脚色が多いと言われています。実在のモンクット王は、専制君主というより開明的な改革者として知られています。

一方、アンナの息子ルイスは、モンクット王の息子と親交を深め、後にタイで実業家として成功しました。作中とは異なる展開を辿ったようです。

その他の関連作品の紹介

『王様と私』は何度も舞台化され、世界中で上演されてきました。日本でも宝塚歌劇団や各地の劇団が上演しています。

1999年にはアニメ映画版『王様と私』が公開。原作に沿ったストーリー展開で、日本語吹替版では片岡富枝、永井一郎らが声優を務めました。

また、2015年には渡辺謙主演でブロードウェイミュージカルが復活上演され、トニー賞4部門を受賞。現在でも本作の人気は根強く続いています。