キラーズオブザフラワームーンとは？作品の基本情報
「キラーズオブザフラワームーン」は、2023年10月20日に劇場公開された犯罪映画です。監督はマーティン・スコセッシ、主演はレオナルド・ディカプリオが務めます。スコセッシとディカプリオのタッグは本作で6度目となります。
原作は、デヴィッド・グランの『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』。1920年代のオクラホマ州を舞台に、オイル採掘権を巡る陰謀に巻き込まれるオセージ族の人々を描きます。
主要キャストは、ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、リリー・グラッドストーン、ジェシー・プレモンスなど。インペラティヴ・エンターテインメントとアップル・スタジオズが製作を手掛け、約2億ドルという巨額の製作費が投じられています。上映時間は206分とかなりのボリュームです。
キラーズオブザフラワームーンのあらすじ！ストーリー全体の流れ
物語の発端 – オセージ族とオイルの発見
物語は1920年代のオクラホマ州から始まります。オセージ族の居留地で、彼らの伝統的な「フラワームーン」の儀式の最中に石油が発見されます。オセージ族はこの石油採掘権をめぐって一攫千金を夢見ますが、その陰では白人の陰謀が渦巻いていました。
新たなキャラクターの登場 – アーネストとバークハート家
主人公のアーネスト・バークハートはオイルマネーに群がる白人の一人。叔父のウィリアム・キング・ヘイルに唆されて、オセージ族の女性モリー・カイルと結婚し、莫大な富を手に入れようと企みます。
連続不審死事件の発生
モリーと結婚した後、アーネストは次第にオセージ族への差別と偏見に苦しめられるようになります。そんな中、モリーの家族が不審な死を遂げ始めます。オイルマネーを狙う者たちによる陰謀が渦巻いているのです。
調査の難航
オセージ族の間で不審死が相次いだことから、部族会議はFBIに捜査を要請します。しかし、ウィリアム・キング・ヘイルの影響力によって捜査は難航。怪死の謎は深まるばかりでした。
真相解明へ
連続不審死事件の犠牲となったモリーは、一人ワシントンD.C.に赴き、大統領に直訴。ようやくFBIのトム・ホワイトが本格的な捜査に乗り出します。白人社会の壁に阻まれながらも、ホワイトは執念で真相を暴こうとします。
全ての事件の黒幕は？
捜査が進むにつれ、一連の事件の黒幕がウィリアム・キング・ヘイルであることが明らかに。アーネストもキングに唆された罪を認め、モリーに謝罪します。二人の運命やいかに。
裁判と結末
全ての事件の真相が明らかになり、キングとアーネストに終身刑が下されます。しかし、2人はその後減刑されてしまうのでした。物語のエピローグでは、事件から数年後に病死するモリーの姿が描かれます。彼女はオセージ族の悲しみと苦難の象徴として、物語に深い影を落とすのです。
「キラーズオブザフラワームーン」の登場人物＆キャスト紹介
主要キャラクター
物語の中心人物は、オイルマネーに群がる白人男性アーネスト・バークハート（レオナルド・ディカプリオ）。アーネストはオセージ族女性のモリー・カイル（リリー・グラッドストーン）と結婚しますが、次第に差別と偏見に苦しめられていきます。モリーもまた、一族に起こる不審死事件に立ち向かう重要な役割を担います。
そしてアーネストの叔父であるウィリアム・キング・ヘイル（ロバート・デ・ニーロ）。表向きは土地の有力者を装いながら、裏では非道な計画を企てる黒幕です。デ・ニーロの渋さが光る悪役として登場します。
事件関係者
モリーの周囲で不審死が相次ぎます。妹夫婦のビル＆リタはキングの指示で爆殺されてしまいます。また、キングに雇われたエイシーという凶悪犯が、次々とオセージ族を殺害していきます。
アーネストの弟ブライアンも、金目当てにモリーの一族を脅かす存在として描かれます。
捜査官たち
連続不審死事件の捜査に乗り出すのがFBIのトム・ホワイト（ジェシー・プレモンス）。白人社会の壁に阻まれながらも、真相解明に向けて執念を燃やします。
一方、モリーが独自に探偵を雇います。その名はウィリアム・J・バーンズ。しかしキング側の脅迫に屈し、彼は捜査から降りてしまうのでした。
実力派キャスト陣が結集したことで、登場人物たちの濃密な人間ドラマが期待できそうです。レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロの対決シーンは見ものです。リリー・グラッドストーンの体当たりの演技にも注目したいところです。
「キラーズオブザフラワームーン」の舞台背景 – 1920年代アメリカとオセージ族
1920年代のアメリカ社会
本作の舞台となるのは、1920年代のアメリカ。第一次世界大戦からの好景気に沸く「狂騒の20年代」と呼ばれる時代です。都市化と工業化が急速に進み、ラジオや自動車の普及によって、大衆消費社会の幕開けを迎えていました。
その一方で、経済的な豊かさは一部の階層に偏ったものでもありました。貧富の格差は広がる一方で、人種差別の問題も依然として深刻でした。
オセージ族とオイルの発見
そんな時代の只中で、オクラホマ州オセージ郡に住むオセージ族の人々は、突如として巨万の富を手にします。居留地の地下から大規模な油田が発見されたのです。一人当たりの石油収入を得たオセージ族は、一攫千金を成し遂げました。
しかし、それは陰謀を呼び込むことにもなったのです。
差別と陰謀
オセージ族の富に目を付けた白人たちは、彼らの女性と次々に結婚。だが、それは石油権を奪うための卑劣な企みに過ぎませんでした。オセージ族の親族に多額の生命保険をかけ、殺害するという残虐な事件が頻発します。
こうした陰謀の背景には、先住民への差別意識が色濃く反映されていました。近代化を遂げつつあったアメリカ社会ですが、オセージ族を「野蛮」とみなし、搾取の対象としか見ない風潮が蔓延していたのです。
「キラーズオブザフラワームーン」は、そんな光と影が交錯するアメリカの縮図を赤裸々に切り取った作品だと言えるでしょう。
キラーズオブザフラワームーンの見どころ解説
スコセッシ監督×レオ様の黄金コンビ
本作の最大の見どころは、名コンビの再始動にあります。マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオのタッグは、今回で6度目。「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ディパーテッド」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」など、これまで数々の傑作を生み出してきた2人です。
信頼で結ばれた監督と俳優だからこそ、リアリティとエモーションに溢れた作品世界を築き上げられるのでしょう。ディカプリオの繊細な演技に、スコセッシ渾身の演出が冴えわたること必至です。
アカデミー賞有力候補の演技派キャスト
アカデミー賞を多数受賞してきた実力派キャストの共演も見逃せません。レオナルド・ディカプリオが演じるアーネストは、複雑な心の機微を感じさせる難しい役柄。対するロバート・デ・ニーロ演じるウィリアム・キング・ヘイルは、狡猾な悪のカリスマを想像させます。
オセージ族の女性モリーを演じるリリー・グラッドストーンにも注目です。強さと儚さを併せ持つヒロインを、彼女がどう表現するのか。キャスト陣の掛け合いに大いに期待が持てそうです。
緻密に描かれる歴史的背景
1920年代のアメリカを舞台にスコセッシ監督が挑むのですから、時代描写のリアリティは折り紙付き。単なるエンターテイメント作品に留まらない、高い質感が期待できます。
差別に苦しむマイノリティや社会の矛盾など、現代にも通じる普遍的なテーマを内包しているのも本作の魅力。オセージ族の文化や慣習にも丁寧に光を当てていくことでしょう。衣装や美術のクオリティに加え、そのメッセージ性にも注目したいところです。
先住民への差別や苦悩を浮き彫りにする衝撃のエンディング
ラストで待ち受ける衝撃の展開にも触れざるを得ません。法廷シーンで明かされる真実、そしてその後日譚。オセージ族が置かれた過酷な運命は、ただ胸を痛めるだけでは済まされない問題を提起してくれそうです。
スコセッシ監督の真骨頂とも言える、カタルシスを伴ったエンディング。私たちはその余韻に、しばし言葉を失うことになるのかもしれません。
キラーズオブザフラワームーンの視聴方法は？
劇場
「キラーズオブザフラワームーン」は、2023年10月20日より全国の映画館で公開されました。大スクリーンで、スコセッシ監督の世界観を思う存分堪能したいという方には朗報でしょう。
IMAXやドルビーシネマでの上映も予定されているそうです。没入感を最大限に味わえる環境で鑑賞できる機会をお見逃しなく。
配信サービス
劇場での公開から一定期間後、本作はストリーミングサービスでの配信も期待できそうです。AppleStudiosが制作に関わっていることから、AppleTV+での独占配信になる可能性が高いと見られています。
ただ現時点では、配信開始時期は未定。まずは映画館に足を運んで、大画面で作品世界に浸ってみるのがおすすめかもしれません。
待望のスコセッシ新作を、スクリーンでもストリーミングでもお楽しみに！
「キラーズオブザフラワームーン」公開後の反応
「キラーズオブザフラワームーン」の公開され、映画ファンの間では話題になっています。
何よりも、マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオのコンビ再始動に心躍らせる人が多いようです。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」以来の新作を、今か今かと待ち侘びていたファンも少なくありません。
キャスティングの豪華さも話題を呼んでいます。レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロという2大スターの共演に加え、リリー・グラッドストーンやジェシー・プレモンスといった実力派の名前も。アンサンブルとしての期待値は非常に高いと言えるでしょう。
原作となる事件の衝撃性や、そこから紡がれるテーマへの注目度も上々です。1920年代のアメリカを舞台に、先住民への差別や陰謀を赤裸々に描くストーリー。スコセッシ監督ならではの鋭いメッセージ性に、多くの人が興味を惹かれました。
Appleが製作費に2億ドルもの巨額を投じたことも、作品への期待を裏付けています。スケールの大きな映像体験を予感させるスペックに、映画ファンのみならず一般層からの注目も集める作品となりました。
SNSなどでは、数多くの感想の声が上がっています。「歴史に残る傑作だ」「レオとデニーロの共演が最高だった」など、高評価のコメントが連日のように投稿されています。
全世界を熱狂の渦に巻き込んだ「キラーズオブザフラワームーン」。あなたも、ぜひ劇場に足を運んでみてください。
