心揺さぶる名作「ごんぎつね」のあらすじを時系列でわかりやすく解説!作品の重要ポイントも徹底網羅

「ごんぎつね」ってどんなお話?作品の基本情報

著者は児童文学作家・新美南吉!大正時代に発表された作品

「ごんぎつね」は、新美南吉によって1932年(昭和7年)に発表された童話作品です。全文2,000字程度の短編ですが、児童文学の名作としてその名を知られています。 新美南吉は、1913年に愛知県に生まれ、わずか29歳の若さで生涯を閉じた作家です。教員として働くかたわら、「ごんぎつね」を始めとする数々の童話や詩を発表しました。没後、優れた児童文学作家として再評価され、その作品は今なお多くの読者を魅了し続けています。

「ごんぎつね」の舞台は日本の山村 主人公はキツネのごん

物語の舞台は日本のとある山村。のどかな農村の風景が、作品の背景に美しく描かれています。 主人公は、その山の中の森に棲むキツネの”ごん”です。ごんは、人間の子供のようにいたずら好きな性格。しかし、その心は純粋そのもの。特に、ごんといたずらの被害に遭っていた村の青年・兵十との関係が、物語の焦点となっています。兵十の家族構成も、重要な鍵を握っています。 このように「ごんぎつね」は、ほのぼのとした田舎の風景の中で、人間とキツネの心の触れ合いを描いた作品なのです。

「ごんぎつね」のあらすじ

いたずらをするきつね

主人公のごんは、山の中の森に棲む1匹のキツネでした。 ごんは人間の子供のように、村に降りていたずらを仕掛けては楽しんでいました。特に、ごんのイタズラで困っていたのは、村の兵十。ごんは兵十が捕まえた魚を川へ逃がしていたのです。しかし、ある日兵十に見つかり、ごんはうなぎを首に巻いたまま逃げました。

兵十の母の死

ある日、ごんは兵十の母親が病死したことを知ります。ごんは、兵十が病気の母親のために魚を捕まえていたと気付きます。 後悔したごんは、償いとしていわし売りからいわしを盗んで兵十の家に投げ入れますが、兵十は泥棒と誤解されていわし売りに殴られてしまいます。それ以降、ごんは栗や松茸を拾って兵十の家に届けるようになります。

ごん、お前だったのか

それからごんは、兵十のために毎日山に行っては栗を拾い、兵十の納屋に運ぶようになりました。 ある日、兵十はごんがこっそり裏口から入っていくのを目撃します。兵十はごんが悪戯をしにきたと思い、火縄銃でごんを打ってしまいます。兵十は土間に栗が置かれていることに気づき、毎日ごんが栗や松茸を送り届けてくれていたことに気づきます。「ごん、おまえだったのか。いつも、栗をくれたのは。」と問いかける兵十に、ごんは目を閉じたままうなずきました

「ごんぎつね」のテーマは思いやりの心

ごんの罪の意識と償いの行動が物語を動かす

「ごんぎつね」のストーリーは、ごんの”罪の意識”によって大きく動かされていきます。 無邪気なごんのいたずらが、思いがけず兵十の母の死に関わってしまったことで、ごんは深い罪の意識を抱くようになります。そしてその償いのために、ごんは兵十に親切に尽くすようになるのです。 ここから読み取れるのは、過ちを素直に反省し、それを正そうとする、ごんの純粋な心でしょう。困難な状況でも優しさを忘れないごんの生き方は、読者の心を強く打ちます。ごんの一連の行動は、私たちに”思いやりの心”の尊さを教えてくれているのです。

相手の気持ちを察することの難しさと尊さを描いた作品

また、「ごんぎつね」は、相手の気持ちを察することの難しさをよく表した作品でもあります。 ごんにとっては、些細ないたずらのつもりでも、兵十にとっては許されない行為でした。一方、兵十にとってごんの償いの行動は、最初は理解できないものだったのです。 最終的にはお互いの気持ちを理解し合うことができましたが、その結末は切ないものでした。そこに至るまでの過程は、相手の立場に立つことの大切さと、それがどれほど難しいかを私たちに気付かせてくれます

このように「ごんぎつね」は、思いやりの心を育むことの大切さを訴えかける作品なのです。ごんの後悔と償いの行動、兵十の心の変化は、私たち読者に多くの気づきを与えてくれることでしょう。

子どもから大人まで、幅広い世代に読み継がれているこの作品。その奥深いテーマ性は、時代を越えて私たちの心を揺さぶり続けています。きっとあなたも、ごんと兵十の物語に、大切なことを教わることができるはずです。

まとめ:胸を打つ感動の物語「ごんぎつね」を味わい尽くそう

新美南吉の「ごんぎつね」は、読めば読むほど、その良さが味わえる作品ですね。
人間とキツネの交流を、美しい日本の原風景とともに描いたこの物語。その背景にある、罪の意識と償い、思いやりの心といったテーマは、今も昔も変わらず私たちの心に響いてくることでしょう。

この記事に辿り着いたあなた。どうかこの機会に、「ごんぎつね」の物語を実際に味わってみてください。
きっと、あなたの心に残る感動体験となるはずです。兵十とごん、人間と動物の心の触れ合いは、子どもから大人まで幅広い世代の心を打ち続けています。

新美南吉が、29歳の若さでこの世を去ってから約80年。しかし、彼が遺した「ごんぎつね」は、今も多くの人々の心に生き続けているのです。