【完全ネタバレ】映画「メメント」を時系列で解説!トリック構造と衝撃の結末とは?

「メメント」登場人物&キャスト一覧

  • レナード・シェルビー(ガイ・ピアース) – 記憶障害に苦しむ主人公。妻を殺された犯人探しに執念を燃やす。
  • テディ/ジョン・ギャメル(ジョー・パントリアーノ) – レナードの協力者を装う謎の男。
  • ナタリー(キャリー=アン・モス) – レナードと同じく最愛の人を亡くした女性。
  • サミー・ジャンキス(スティーヴン・トボロウスキー) – かつてレナードが担当した依頼人で記憶障害者。
  • バート(マーク・ブーン・ジュニア) – レナードが泊まるモーテルのフロント係。

「メメント」のあらすじを時系列で完全解説!【ネタバレ注意】

主人公レナードの悲劇 – 妻を殺され記憶を失う

保険調査員のレナード・シェルビーは妻を強盗に殺害され、自身も頭を殴られたショックで「前向性健忘」という10分しか新しい記憶を保持できない障害を負ってしまう。妻の最期の姿を目撃したレナードは犯人を捜し続けることを心に誓った。

10分しか続かない記憶 – 刺青とメモ、写真が手がかり

10分しか続かない記憶を補うため、レナードは重要な情報は全て体に刺青として残すことにした。ポラロイド写真に出会った人物の情報をメモしたり、継続的な事実は体中にタトゥーとして刻むのだ。こうした記憶の代替手段を駆使し、レナードは犯人探しの日々を送っている。

「メメント」前半パート :謎の男、犯人ジョン・Gを追う

保険調査員時代のレナード – 記憶障害のサミー・ジャンキスとは

レナードは「前向性健忘」について語る際、必ず過去に出会った依頼人サミー・ジャンキスの話をする。サミーは事故後から同じ記憶障害を患っており、妻への愛情は変わらずとも新しいことは何も記憶できない。レナードはその当時、サミーの症状を心因性のものと判断し保険金の支払いを拒んだのだった。

協力者テディからの電話 – ジョン・Gの手がかりを掴む


ある日、レナードはテディを名乗る男から「ジョン・G」なる人物が自分の追っている犯人だと知らされる。「ジョン・G」は薬物取引に関わる男で、その取引現場となるアパートへ向かえばおびき出せるという。レナードは単独でジョン・Gへの復讐を果たすべく、指定されたアパートへと乗り込んでいく。

「メメント」後半パート:逆行ストーリーの真相に迫る

ナタリーとの出会い – 新たな事件に巻き込まれるレナード

アパートへ向かう途中、レナードはナタリーというバーテンダーと出会う。彼女もまた最近恋人を亡くしたばかりだった。情報を求めて彼女と接触を重ねるレナード。しかし皮肉にも彼女との会話内容を忘れてしまい、ある殺人事件に巻き込まれることになる。

テディの告白 – 衝撃の事実、真犯人は既に死んでいた

一連の出来事の後、再びテディと落ち合ったレナード。すると今度はテディが衝撃の事実を告白する。レナードが探し求めていた犯人ジョン・Gは、既に1年前に殺害済みだったのだ。以来レナードは記憶障害を利用され、テディの復讐の道具として利用されていたという。

犯人を射殺したはずが…状況が飲み込めないレナード

テディの言葉を信じられないレナード。だが自分のメモを頼りに廃墟に向かうと、そこには射殺された男の遺体が。男の服を着たレナードは混乱し、自分が何をしたのか全く状況を飲み込めずにいた。

「メメント」ラストシーン:レナードが下した決断

都合のいい真実 – レナードが選んだ生き方とは

信じられない真実を告げられたレナード。テディを疑いつつも、彼が真犯人の可能性すらあると直感する。自らの記憶障害を逆手に取り、レナードはテディを真犯人と信じ込むためにメモを残すのだった。たとえそれが事実でなくとも、自分を納得させるためには「都合のいい真実」を選ぶ他ないと。

曖昧な現実と記憶 – 目を閉じた先に見えた世界

「どんな現実でも、信じればそれが真実になる」というテディの言葉が哲学的に 響くラストシーン。レナードは目を閉じ、自らの世界が実在するのかを問う。曖昧な現実と記憶の狭間で、彼が見出した答えとは。シリアスな中にもどこか皮肉が効いた、観る者の記憶に深く刻まれるラストだった。