映画「プラトーン」のあらすじを時系列で完全解説！
1. クリス・テイラーの入隊
主人公のクリス・テイラー（演:チャーリー・シーン）は、理想を抱いて志願入隊し、ベトナム戦争に参戦する。入隊後、過酷な新兵訓練を受け、1967年9月にベトナムへ送られる。
2. ベトナムでの過酷な日々
テイラーはベトナムの最前線で、第25歩兵師団第2大隊第3小隊に配属される。小隊の指揮官はウォルフ中尉（演:マーク・モーゼス）だが、実質的な指揮権は二人の先任軍曹、エリアス（演:ウィレム・デフォー）とバーンズ（演:トム・ベレンジャー）が握っていた。彼らの指揮の下、テイラーは熾烈な戦闘を経験し、戦争の実態を目の当たりにする。
3. エリアス班長とバーンズ班長の対立
理想主義で人道的なエリアスと、冷酷で好戦的なバーンズの対立は、小隊内の亀裂を生む。テイラーはエリアスに心酔するが、同時にバーンズの強さにも引かれていく。二人の軍曹の確執は、戦争という極限状態の中で増幅されていく。
4. 村の焼き討ち事件
ベトコンの攻撃を受けた後、小隊は報復として村を焼き討ちにする。バーンズは村人を虐殺しようとするが、エリアスがそれを止めようとして二人は対立。テイラーは戦争の非人道性と残虐性を目撃し、強い衝撃を受ける。
5. エリアス班長の死
エリアスはバーンズの行動を報告しようとするが、戦闘中にバーンズに撃たれ、致命傷を負う。テイラーはエリアスを助けようとするが、ベトコン兵に阻まれ、エリアスは孤独な死を遂げる。
6. バーンズ班長への復讐
エリアスの死後、テイラーはバーンズがエリアスを撃ったことを確信し、復讐を誓う。しかし、その前に北ベトナム軍の大規模な攻撃が始まる。
7. 北ベトナム軍の総攻撃
新年のテト休戦中に北ベトナム軍が総攻撃を開始。テイラーたちの基地は襲撃を受け、壊滅状態に陥る。米軍は必死で防戦するが、次第に劣勢になっていく。
8. テイラーの決断と帰還
混乱の中、テイラーはバーンズと対峙し、彼を射殺する。その後、テイラーは負傷し、戦線を離脱。アメリカに帰還したテイラーは、ベトナムでの経験を振り返り、戦争の本質と人間性について思いを巡らせるのだった。
映画「プラトーン」の登場人物＆キャスト
クリス・テイラー（演:チャーリー・シーン）
主人公の大学生。理想を抱いて志願入隊し、ベトナムの過酷な現実に直面する。
ボブ・バーンズ班長（演:トム・ベレンジャー）
冷酷で好戦的な先任軍曹。村の虐殺を主導し、エリアスと対立する。
エリアス班長（演:ウィレム・デフォー）
理想主義で人道的な先任軍曹。テイラーの精神的な支えとなるが、バーンズに殺される。
レッド・オニール（ジョン・C・マッギンリー）
バーンズの側近で、小隊内の情報を収集している。
ジュニア（レジー・ジョンソン）
小隊の一員で、バーンズに従っている。
「プラトーン」の見どころ＆名シーン
1. 圧倒的な臨場感と没入感
ジャングルでの戦闘シーンは圧倒的なリアリズムで描かれ、まるで自分がそこにいるような没入感を味わえる。監督自身の体験に基づいた映像は、戦争の恐怖と混乱を生々しく伝えている。
2. 善悪の対比で描かれる戦争の実態
エリアスとバーンズの対立は、戦争における人間性の光と影を象徴している。理想と現実、良心と欲望、正義と暴力。二人の軍曹の姿を通して、戦争がいかに人間を変えてしまうのかを描いている。
3. 衝撃のエンディング
バーンズを射殺したテイラーが、ヘリコプターで戦場を去るラストシーンは、強い印象を残す。戦争の実態を知ったテイラーは、もはや開戦時の理想を失っていた。彼の姿は、ベトナム戦争に翻弄された若者の悲哀を物語っている。
「プラトーン」の制作背景と評価
1. オリバー・ストーン監督の原体験
本作は、監督自身がベトナム戦争に従軍した経験に基づいている。ストーンは歩兵部隊の一員として実戦に参加し、二度負傷して銅星章を受章した。「プラトーン」は、彼の体験を赤裸々に映画化した作品と言える。
2. アカデミー賞4部門受賞の快挙
「プラトーン」は批評家から高い評価を受け、第59回アカデミー賞で作品賞、監督賞、編集賞、音響効果賞の4部門を受賞した。ベトナム戦争映画の金字塔として、現在も高く評価されている。
鮮烈なリアリズムと深いメッセージ性を兼ね備えた「プラトーン」。史上最も優れた戦争映画の一本として、今なお多くの人々を魅了し続けている。
