【ネタバレあり】007映画「ロシアより愛をこめて」のあらすじと見どころを徹底解説!

映画「007 ロシアより愛をこめて」の基本情報

公開年と製作

『007 ロシアより愛をこめて』は、1963年にイギリスで公開されたスパイ映画です。製作はイーオン・プロダクションで、ユナイテッド・アーティスツが配給を担当しました。監督はテレンス・ヤング、脚本はリチャード・メイボーム、ジョアンナ・ハーウッドが務めています。原作はイアン・フレミングの同名の小説です。

あらすじ

ソ連の諜報機関・スペクターは、イギリスの情報機関MI6に打撃を与えるため、暗号解読機「レクター」を餌に、MI6のエージェント・ジェームズ・ボンドを罠にかけようと企てます。彼らは、暗号機と共に亡命する意思があるフリをしたソ連の女性暗号士官タチアナ・ロマノヴァを送り込み、ボンドを誘き出します。タチアナに惹かれたボンドは、MI6の命令でイスタンブールへ向かい、タチアナとレクターの奪取に成功します。二人はオリエント急行に乗って国外脱出を図りますが、そこにはスペクターの刺客レッド・グラントが待ち構えていました。

「007 ロシアより愛をこめて」の登場人物

ジェームズ・ボンド(演:ショーン・コネリー)

MI6の007エージェントで、作中の主人公。コードネームは007。任務の達成のためには手段を選ばない冷静沈着な性格だが、女性にはやや弱い。今作ではソ連の美女に惹かれ、命がけの任務に挑む。演じたのはショーン・コネリー。日本語吹き替え版では長島雄一が担当。

タチアナ・ロマノヴァ(演:ダニエラ・ビアンキ)

ソ連国家保安委員会(KGB)所属の美しい暗号士官。ボンドを罠にはめるため、レクターと共に亡命するフリをしてボンドを誘惑する。しかし、次第にボンドに本気の恋心を抱くようになる。演じたのはダニエラ・ビアンキ。日本語吹き替え版では田中真弓が担当。

ローザ・クレブ(演:ロッテ・レーニャ)

ソ連諜報機関・スペクターの一員で、今回の企みの首謀者。冷酷非情な性格で知られ、部下のレッド・グラントにも容赦ない。演じたのはロッテ・レンヤ。日本語吹き替え版では沢たまきが担当。

レッド・グラント(演:ロバート・ショウ)

ローザ・クレブ直属の腕利きの殺し屋。金髪碧眼の風貌で、無口かつ無表情。冷酷な性格で知られ、ボンドとの対決ではボンドを追い詰める。演じたのはロバート・ショウ。日本語吹き替え版は銀河万丈が担当。

「007 ロシアより愛をこめて」の見どころ3選

イスタンブールを舞台にしたアクション

本作の見どころの一つは、異国情緒溢れるイスタンブールを舞台にしたアクションシーン。ボンドとタチアナが街中を逃走するカーチェイスは迫力満点。またボスポラス海峡をまたぐ地下水道でのボンドとグラントの格闘シーンは必見。

魅力的なボンドガール

もう一つの見どころは、ボンドガールのタチアナ・ロマノヴァ。ソ連のスパイでありながら、純真で健気な魅力を放っています。劇中での彼女の葛藤や変化は、作品に奥行きを与えています。

オリエント急行を舞台にしたサスペンス

クライマックスのオリエント急行でのシーンは、緊迫感溢れるサスペンス。奇襲や対決が次々と展開され、ラストまで目が離せません。「列車」という閉鎖空間ならではのスリルが味わえます。

「007 ロシアより愛をこめて」の興行成績と評価

公開当時『007 ロシアより愛をこめて』は大ヒットを記録し、シリーズの人気と地位を不動のものにしました。製作費約200万ドルに対し、全世界での興行収入は約7900万ドルを記録。批評家からも概ね好評を博し、007シリーズの代表作の一つに数えられています。

「007 ロシアより愛をこめて」に関する雑学・トリビア

  • 劇中に登場するオリエント急行は、実際にイスタンブール〜ヨーロッパ間を結ぶ特急列車として長年運行されていた。
  • 「ボンド。ジェームズ・ボンド」の決め台詞は本作で初めて登場した。
  • ショーン・コネリーはこの撮影中に、将来の妻となるダイアン・シレントと出会った。
  • 当初、タチアナ役はイタリア人女優ではなくドイツ人女優を起用する予定だったが、諸事情により変更された。

まとめ

『007 ロシアより愛をこめて』は、ボンドシリーズの代表作にして傑作スパイ映画です。東西冷戦を背景に、スリリングなストーリー、魅力的なキャラクター、エキゾチックなロケーションが見事に調和しています。ボンド役のショーン・コネリーのカリスマ性や、ダニエラ・ビアンキ演じる美しくも悲しきヒロインも印象的。007シリーズの入門編としてはもちろん、娯楽作としても非常に優れた一本と言えるでしょう。