『ディスタービア』のストーリー概要
主人公ケイルの置かれた状況
主人公のケイル・ブレクトは、高校生の少年。ある日、父親とのドライブ中に悲惨な交通事故に遭い、父親を亡くしてしまいます。その後、ケイルは深い悲しみとショックから立ち直れず、学校生活にも心が向かわなくなってしまいました。
足首に監視システムを付けられ自宅軟禁になった経緯
自暴自棄になったケイルは、ある日学校で教師を殴ってしまい、裁判所から自宅軟禁を言い渡されます。ケイルは足首に監視システムを装着され、自宅から一定範囲以上離れることができなくなります。夏休み中ということもあり、ケイルは外出できず家に閉じこもる日々を送ることになりました。
ケイルが始めた覗きの日課と、疑惑を持ち始める
退屈な日々を送るケイルは、双眼鏡を使って近所の人々を観察する「覗き」を日課にするようになります。そんな中、向かいに住む謎めいた中年男性ターナーの不審な行動を目撃します。ターナーの家の周りには何度も若い女性が出入りしているのですが、その女性たちの姿がある日を境に見えなくなったのです。ケイルはターナーが連続殺人犯なのではないかと疑い始めます。
ディスタービアの主要登場人物
主人公ケイル・ブレクト(演:シャイア・ラブーフ、吹替:森久保祥太郎)
本作の主人公で、高校生の少年。事故で父親を亡くし、学校で教師を殴ったことから自宅軟禁処分を受ける。自宅での退屈な日々の中で、近所への「覗き」にのめり込んでいく。特殊な環境下で平穏な日常を脅かす危機に立ち向かう、勇気ある10代の若者として描かれている。
隣人のアシュリー(演:サラ・ローマー、吹替:小林沙苗)
ケイルの隣に引っ越してきた少女。ケイルの疑惑に当初は半信半疑だったが、次第にケイルに協力するようになる行動派の女の子。ケイルを励まし、時に身を挺して危険な場面でもケイルを助ける重要な役割を担っている。
親友のロニー(演:アーロン・ヨー、吹替:宮田幸季)
ケイルの親友で、陽気な性格の少年。ケイルの疑惑を知り、喜んで調査に加わる。楽観的で無鉄砲な行動が災いして、ピンチを招くこともしばしば。それでもケイルを支える良き友人として、重要な局面に登場する。コミカルな言動で作品に笑いの要素をもたらしている。
容疑者のターナー(演:デヴィッド・モース、吹替:石住昭彦)
ケイルの向かいに住む中年男性。無愛想で人付き合いが悪く、不審な行動が目立つ。連続殺人犯の容疑をかけられることになる。静かな佇まいの中に危険な空気を漂わせる演技が光る。クライマックスでは、サイコキラーとしての狂気を見事に表現している。
ストーリーの展開とサスペンスシーンの見どころ
ケイルが隣人ターナーの不審な行動を目撃
ケイルは自宅軟禁中の退屈な日々の中で、双眼鏡を使った「覗き」を繰り返します。ある時、隣人のターナーが庭先で大きな箱のようなものを運ぶ様子を目撃します。さらに、頻繁にターナー宅を訪れていた若い女性の姿が途絶えたことに気付きます。不審に思ったケイルは、ターナーが連続殺人犯なのではないかと疑い始めるのです。
アシュリーとロニーを巻き込んだ調査とターナーとの対峙
ケイルはアシュリーと親友のロニーを巻き込み、ターナーの調査を始めます。忍び込んだターナー宅の地下室で、恐ろしい証拠を目にしたケイルたち。しかし、ターナーに見つかってしまい、壮絶な攻防戦が始まります。自宅軟禁中のケイルには警察に通報することもできず、三人は必死でターナーから逃げ惑います。
衝撃の真相と手に汗握るクライマックスシーン
追い詰められたケイルたちの前に、ターナーの凶行の決定的な証拠が明らかになります。それはターナーが連続殺人犯だったことを裏付けるものでした。絶体絶命のピンチに陥ったケイルとアシュリーでしたが、機転を利かせて反撃に出ます。ラストはターナーの隠された凶器や監禁場所が次々と暴かれ、息をもつかせぬ展開が続きます。
『ディスタービア』の制作背景と興行成績
監督のD・J・カルーソとスピルバーグの関わり
本作の監督を務めたのは、『トゥー・フォー・ザ・マネー』などで知られるD・J・カルーソ。カルーソは本作に先立ち、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の『イーグル・アイ』でメガホンを取るなど、スピルバーグとの近しい関係があった。本作でもクレジットこそされていないものの、スピルバーグがカルーソを監督に推したと言われており、製作面での影響力を色濃く反映した作品と言える。
アメリカでの大ヒットと高い評価
本作はアメリカで公開されるとすぐに大ヒットを記録しました。公開から3週連続で全米ボックスオフィス1位を獲得し、最終的には興行収入8,081万ドル（約88億円）を超える大成功を収めた。ヒッチコック映画へのオマージュを効果的に取り入れたサスペンス展開が観客を魅了し、「身近に潜む狂気」を描いた物語は多くの共感を呼んだ。
日本での公開と興行収入
日本では2007年11月10日に公開。主人公ケイル役のシャイア・ラブーフが『トランスフォーマー』シリーズで人気を博していたことも追い風となり、17.4億円の興行収入を記録しました。大ヒット作とまではいかなかったものの、ハリウッド製サスペンス作品としては健闘したと言えるでしょう。
まとめ:『ディスタービア』の魅力と視聴方法
サスペンスとしての魅力と見どころのまとめ
『ディスタービア』は、身近な住宅街を舞台に巧みなサスペンス展開を見せる秀作です。ヒッチコック映画のような古典的なサスペンスの手法を踏襲しつつ、ストーカーや覗きといった現代的な要素を効果的に織り交ぜているのが特徴。ラストの手に汗握る展開は必見です。
現代社会へのメッセージ性
一方で、本作が内包するメッセージ性も見逃せません。私たちの日常に潜む「狂気」や「危険」を描きながら、同時にそれを容易に信じ込み他人を疑ってしまう現代人の姿を風刺しているのです。監視社会の恐怖を描いた『イーグル・アイ』にも通じるテーマと言えるでしょう。
続編やシリーズの有無
本作に直接の続編やシリーズ作品は存在しません。しかし、同じくD・J・カルーソ監督とシャイア・ラブーフのコンビで製作されたパラノーマル・アクティビティ風の異色作『フォービドゥン 呪われた島』が、ある意味で本作の流れを汲んだ作品と言えるかもしれません。
現在の視聴方法(配信サービスなど)
現在、本作はAmazon Prime Videoで見放題配信中。その他、DVDやブルーレイでのレンタル・購入も可能です。ハリウッドのヒットメーカーが放つ現代的なサスペンス作として、今なお高い人気を誇っています。ぜひ本記事を参考に、『ディスタービア』の世界観を堪能してみてください。
