【ネタバレあり】映画『エスター』のあらすじと見どころを解説!登場人物や基本情報も紹介

映画『エスター』の基本情報

原作・監督・公開日

『エスター』は、2009年に公開されたアメリカ合衆国のホラー映画です。原題は「Orphan」で、「孤児」を意味します。監督を務めたのは、『蝋人形の館』などでも知られるジャウム・コレット=セラ。北米では2009年7月24日に公開され、日本公開は同年10月10日でした。

キャスト

本作の主要キャストは以下の通りです。

  • ケイト・コールマン役: ヴェラ・ファーミガ
  • ジョン・コールマン役: ピーター・サースガード
  • エスター役: イザベル・ファーマン
  • マックス・コールマン役: アリアナ・エンジニア
  • ダニエル・コールマン役: ジミー・ベネット

イザベル・ファーマンが演じる謎めいた少女エスターの存在感が印象的な作品です。

上映時間・制作国・配給

上映時間は123分。R15+指定の作品となっています。製作国はアメリカ合衆国で、言語は英語とアメリカ手話。全世界での興行収入は約7791万ドルを記録しました。日本を含む各国での配給は、ワーナー・ブラザースが担当しています。

映画『エスター』のあらすじを簡潔に解説【ネタバレあり】

養子縁組の経緯

かつて3人目の子供を流産したケイト・コールマンは、心の傷が癒えぬまま日々を送っていました。状況を改善すべく、ケイトとその夫ジョンは孤児院を訪れ、9歳の少女エスターを養子に迎えます。エスターは落ち着いた雰囲気で、難聴の義妹マックスとも手話で意思疎通を図るなど順調に溶け込んでいきました。しかし義兄のダニエルだけは、彼女を歓迎していませんでした。

エスターの不穏な行動

しかし、共に暮らし始めるとエスターのいくつかの不審な点が明らかになっていきます。ある日、ダニエルのペットの鳩が傷つき苦しんでいるのを見たエスター。ダニエルが驚いて見ている前で、彼女はその鳩を石で叩き潰して息の根を止めました。ケイトはエスターに性行為の意味を尋ねられた際、愛を表現し合うことだと説明しますが、「知ってる、ファックでしょ」という言葉が返ってきて愕然とします。弾けないはずのピアノを完璧に演奏するエスターに、ケイトの不信感はさらに募っていきました。

真実の暴露

エスターの出生について独自に調査を進めたケイトは、エストニアの精神病院でエスターが「リーナ・クラマー」という33歳の女性であることを突き止めます。下垂体機能低下症による発育不全で子供の容姿のまま成長したリーナは、過去に少なくとも7人を殺害していた凶悪犯だったのです。ケイトはエスターの猟奇的な正体を知り、一刻も早く家族の下に戻ろうとしますが、すでにエスターはジョンを殺害していました。最後はケイトとエスターの壮絶な対決に発展し、エスターを倒すことには成功。しかし、夫を失ったケイトとその子供たちに平穏な日々が訪れるのかは定かではありません。

『エスター』の主要登場人物を紹介

エスター(イザベル・ファーマン)

本作の中心人物で、コールマン家の養女となる9歳の少女。聡明で芸術的才能に恵まれた一方で、時折見せる不可解な言動が不気味さを醸し出す。実は33歳の発育不全の女性・リーナ・クラマーが本当の正体で、過去に複数の殺人を犯しているという衝撃の事実が後に明らかになる。イザベル・ファーマンの名演技が光る。

ケイト・コールマン(ヴェラ・ファーミガ)

ジョンの妻で、エスターとマックスの養母。以前に流産を経験した過去から心に傷を負っている。エスターを家族の一員として迎え入れるが、彼女の不審な行動に徐々に気付いていく。真実にたどり着くべく奔走し、エスターの脅威から必死で家族を守ろうとする、強くたくましい母親像が印象的。

ジョン・コールマン(ピーター・サースガード)

ケイトの夫で、エスター、マックス、ダニエルの養父を務める温厚な男性。新しい家族を築こうと前向きに努力する。しかし、エスターへの愛情が凝り固まり過ぎており、妻のケイトが彼女について訴える不審点を頑なに聞き入れようとしない。結果、エスターに殺害されてしまう悲劇の被害者となる。

映画『エスター』の見どころ

衝撃的なラスト

本作最大の見せ場は、何といってもクライマックスで明かされるエスターの真の正体でしょう。愛らしい外見に反し、彼女が33歳の女性だったという衝撃の事実は、観客の予想を見事に裏切ります。追い詰められたエスターが、仮面を剥がすかのように子供らしさを放棄し、歪んだ大人の女性として牙をむく様は圧巻。とてつもない恐怖と緊張感に襲われる、息をのむようなサスペンスフルな展開は、本作が誇る見どころの一つと言えるでしょう。

イザベル・ファーマンの名演技

本作で特筆すべきは、当時わずか12歳だったイザベル・ファーマンの圧倒的な演技力です。無垢な表情を見せたかと思えば、次の瞬間には底知れぬ狂気を感じさせる眼差しを浮かべるなど、エスターの二面性を見事に体現。大人顔負けの存在感で観客を釘付けにします。エスターに宿る病んだ内面や歪んだ欲望を表現し切った彼女の怪演は、本作の大きな魅力であり、彼女あってこその傑作ホラーと言っても過言ではないでしょう。

『エスター』続編や関連作品の情報

映画『エスター』から13年後の2022年、前日譚にあたる続編『エスター ファースト・キル』の制作が発表されました。オリジナル作品でエスター役を演じたイザベル・ファーマンが再演を果たし、新キャストとしてウィリアム・ブレントの出演も決定しています。

続編では、少女時代のエスター(リーナ)の出生の秘密が描かれる予定です。前作でも脚本を手掛けたデヴィッド・レスリー・ジョンソンが再びペンを執り、『フィアー・オブ・レイン 殺人鬼の告白』などで知られるウィリアム・ブレント・ベルがメガホンを取ります。さらに本作で製作総指揮を務めたアレックス・マーサが製作陣として名を連ねています。

邦題は『エスター2』ではなく、『エスター ファースト・キル』に決まりました。オリジナル公開から10年以上の時を経ての製作発表とあって、続編へのファンの期待は非常に高まっています。エスターの謎に満ちた過去が紐解かれる本作にも大いに注目が集まるでしょう。

映画『エスター』の視聴方法

配信中のサービス

現在、映画『エスター』はAmazonプライムビデオにて配信中です。プライム会員であれば追加料金なしで視聴可能。U-NEXTでも見放題作品として配信されているため、そちらも利用できます。一方、HuluやdTV、TSUTAYA TVなどでは課金レンタル作品としてラインナップされています。

DVDのレンタル・購入方法

DVDやブルーレイは、TSUTAYA、ゲオといったレンタルショップで借りることができます。購入する場合は、Amazon、楽天ブックス等の通販サイトで取り扱いがあります。DVDの発売は2010年2月3日、レンタル開始は同年3月3日。ブルーレイは2013年1月8日に発売されました。また、2021年10月6日には4Kアルトラ HDリマスターブルーレイが販売開始となっています。

まとめ:『エスター』は衝撃のサイコホラー映画

映画『エスター』は、養女の少女の正体と過去に衝撃の事実があることを描いたミステリアスなホラー作品です。子供の仮面に隠れた大人の狂気が観る者の背筋を凍らせ、終盤の衝撃の展開は本作最大の見せ場と言えるでしょう。主人公エスター役のイザベル・ファーマンによる圧倒的な演技も作品の大きな魅力。サスペンスとホラー、サイコスリラーの要素が絶妙に組み合わされ、最後まで目が離せないストーリー展開が楽しめる傑作です。オリジナルから13年越しで製作された続編にも大きな注目が集まっています。