【ネタバレあり】映画「ターミナル」のあらすじと見どころを徹底解説!

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映画「ターミナル」基本情報

原作・監督・キャスト

映画「ターミナル」は、アンドリュー・ニコルとサーシャ・ガヴァシがオリジナル脚本を手がけた作品です。メガホンを取ったのは、スティーヴン・スピルバーグ監督。主演は、ハリウッドきってのスター、トム・ハンクスが務めました。ヒロインには、ウェールズ出身の人気女優キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。二人を取り巻く空港職員たちも個性的なキャラクターが勢揃いで、脇を固めています。

公開年・上映時間・興行収入

「ターミナル」は2004年6月に全米で公開されました。上映時間は約2時間9分。公開当時のボックスオフィス成績は、全米で7780万ドル以上、世界全体では2億1910万ドル以上の興行収入を記録する大ヒット作となりました。日本でも同年12月に公開され、41億5000万円以上の興行収入を上げる健闘を見せました。

「ターミナル」の主要登場人物

ビクター・ナボルスキー(演:トム・ハンクス)

(C)DreamWorks Pictures

東欧の小国クラコウジアからニューヨークにやって来た主人公。クーデターによって祖国への帰国が困難になり、JFK空港の国際線ターミナルに足止めを食らう。英語が不自由なことから周囲とのコミュニケーションに苦労するが、次第に空港スタッフたちとの交流を深めていく。誠実で愛すべきキャラクターをトム・ハンクスが好演。

アメリア・ウォーレン(演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)

(C)DreamWorks Pictures

ビクターと親しくなるフライトアテンダント。自由奔放な恋愛観の持ち主だが、ビクターの真っ直ぐな想いに次第に心を開いていく。キャサリン・ゼタ=ジョーンズの美しさと演技力が光る。

フランク・ディクソン(演:スタンリー・トゥッチ)

(C)DreamWorks Pictures

空港の国境警備局に勤務する役人。融通が利かない性格で、規則に則ってビクターの入国を頑なに阻む。ビクターの良き理解者でもある同僚のレイとは対照的な存在。二枚目俳優のスタンリー・トゥッチが渋い演技を見せる。

「ターミナル」のストーリー概要

物語の発端と主人公ビクターの設定

主人公のビクター・ナボルスキーは、亡き父との約束を果たすため、東欧の小国クラコウジアからニューヨークへとやって来ます。しかし皮肉なことに、ビクターが飛行機に乗っている間に、クラコウジアでクーデターが発生。パスポートが無効になったビクターはニューヨーク入国を拒否され、JFK空港の国際線ターミナル内に足止めを食らってしまうのです。

空港ターミナルでの生活と人々との交流

(C)DreamWorks Pictures

言葉も通じない異国の地で途方に暮れるビクター。しかしターミナル内には、彼の滞在を気にかける人々の姿もありました。ショップの店員や清掃員、フライトアテンダントのアメリアらと次第に打ち解け、交流を深めていきます。ビクターは持ち前の真面目さと器用さで、工事現場の大工仕事を手伝ったり、空港案内所でアルバイトを始めるなど、空港内で充実した日々を送り始めるのです。

入国を阻むディクソンとの攻防

(C)DreamWorks Pictures

一方、ビクターの存在を面倒に感じているのが、国境警備局のディクソン。規則に則って淡々とビクターの入国を阻みます。しかしビクターへの共感を深める空港職員たちは、彼の味方となってディクソンに立ち向かっていきます。ディクソンの嫌がらせとビクターを応援する仲間たちの活躍が、物語にスリルと笑いを加えていきます。

アメリアとの恋の行方

(C)DreamWorks Pictures

ビクターを特に気にかけるのが、客室乗務員のアメリア。自由奔放な彼女はこれまでも数多くの男性と交際してきましたが、純粋で一途なビクターの姿勢に次第に惹かれていきます。二人の恋の行方は、ビクターの入国問題と絡み合いながら、ターミナルに滞在する人々を引き込んでいきます。

感動的な結末

(C)DreamWorks Pictures

クラコウジアの情勢が変わり、ついにビクターはニューヨーク入国が叶います。空港の外へと歩み出る彼を、ターミナルで出会った人々が見送ります。彼はついにニューヨークに行き、亡き父親との約束を果たすのでした。

「ターミナル」の見どころ3選

トム・ハンクスの好演が光る主人公ビクター

本作最大の魅力は、トム・ハンクスが演じる主人公ビクター。言葉の壁や入国拒否など、数々の苦境に立たされながらも、どこか憎めない人柄で周囲の人々を巻き込んでいくその姿は、トム・ハンクスの高い演技力なくしては成立しないでしょう。彼の表情やしぐさのひとつひとつに注目すると、作品世界により深く入り込めるはずです。

空港内部を精巧に再現した圧巻のセット

もう一つ見逃せないのが、JFK空港の国際線ターミナルを模した巨大セットの存在。本物の空港を想像させるクオリティの高さは、見ている者を圧倒します。ショップやレストラン、カウンター、待合室など、まるで本当に空港内を歩いているかのような錯覚を覚えるほど。ビクターの空港生活を臨場感たっぷりに描ききった映像美は、本作の大きな魅力となっています。

笑いと涙が程よくミックスされた脚本

スピルバーグ監督らしい娯楽作でありながら、品格のあるヒューマンドラマに仕上がっているのも見事。ビクターを狙うディクソンの策略や、空港職員たちのユーモラスなやりとりが、楽しい笑いを誘う一方で、ビクターとアメリアの恋模様や、彼の切ない心情描写が涙を誘います。絶妙な塩梅でシリアスとコミカルの両面が交錯する脚本は、間違いなく本作の大きな武器と言えるでしょう。

「ターミナル」のトリビアと裏話

実在の人物がモデルのストーリー

「ターミナル」の原案になったのは、1988年から2006年まで、18年間もパリのシャルル・ド・ゴール空港に住み続けたイラン人男性、マーハン・カリミ・ナセリの実話です。製作スタッフは実際に彼にインタビューを行い、彼の体験を基にオリジナル脚本を練り上げていったそう。もちろん、ラブストーリーの部分などは脚色されていますが、現代社会の矛盾を浮き彫りにするリアリティは、リアルな体験談から来ているのでしょう。

スピルバーグ監督による演出のこだわり

空港内のシーンは、すべてスタジオに作られた巨大セットで撮影されました。セットのクオリティにこだわったスピルバーグ監督は、床のタイルから案内板、商品の質感に至るまで、全てにリアリティを求めたと言います。また、大勢のエキストラを動員し、本物の空港のような雑踏感を演出。スピルバーグ監督お得意の、情報量たっぷりの画面作りが存分に発揮されています。

「ターミナル」の関連作品と視聴方法

「ターミナル」の関連作品

「ターミナル」は、空港を舞台にした作品としては、「フライト・プラン」、「キューブリック 記憶の迷宮」などと並び、異色の設定が注目を集めました。監督のスピルバーグ作品で言えば、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」「マイノリティ・リポート」など、00年代の秀作が並びます。主演のトム・ハンクスとスピルバーグ監督のコンビは「プライベート・ライアン」以来の再タッグで、息の合った演出と演技が光ります。

現在の視聴可能な方法

現在「ターミナル」は、動画配信サービスのAmazon Prime Videoで見ることができます。DVDやブルーレイでのリリースも続いているので、レンタルビデオ店やオンラインのセルでも入手可能です。テレビ放送も度々行われているので、そちらもチェックしてみると良いかもしれません。人間ドラマとしての普遍的な魅力を持つ作品だけに、リピーターも多いのが特徴です。

まとめ:空港を舞台に描かれる、笑いと感動の物語

ここまで、映画「ターミナル」のあらすじや魅力について詳しく解説してきました。本作は、空港という特殊な舞台設定を活かしながら、言葉や国籍の垣根を超えた人と人との絆を描いた、洒脱なヒューマンドラマと言えるでしょう。トム・ハンクス演じる主人公ビクターを中心に、多彩なキャラクターたちが織りなす群像劇は、コメディ映画でありながら、ラストには感涙を誘う感動作。スピルバーグ監督ならではの娯楽性に富んだ作品と言えそうです。「ターミナル」は、老若男女問わず楽しめる普遍的な魅力を持った映画なので、ぜひ手軽に視聴してみてください。