【ネタバレあり】映画「エスター ファースト・キル」の詳しいあらすじ!衝撃の展開と前作との関係を解説

「エスター ファーストキル」基本情報: 前作との関係や公開日など

「エスター」の前日譚として制作された本作

「エスター ファースト・キル」は、2009年公開の映画「エスター」の前日譚として制作されました。「エスター」は、ロシアから養子として迎えられた少女エスター(イザベル・ファーマン)が、実は33歳の女性リーナだったというどんでん返しが話題になりましたが、本作はそのリーナが精神病院を脱走し、エスターとしてオルブライト家に迎えられるまでの顛末を描いた作品です。

監督はウィリアム・ブレント・ベル、主演イザベル・ファーマン

「エスター ファースト・キル」の監督は、「ザ・ボーイ 人形少年の館」などを手掛けたウィリアム・ブレント・ベル。そして主演は、前作に続き再びイザベル・ファーマンが務めました。13歳も年を重ねたイザベルが、再び9歳の少女エスター(リーナ)を演じています。前作のキャストはイザベル以外は登場しませんが、前作を知るファンにとってはイザベルの成長ぶりも見どころの一つといえるでしょう。

2022年に全米公開、R15+指定の衝撃作

本作は2022年7月に全米で公開され、その衝撃の展開からR15+指定を受けました。前作同様、残虐表現が含まれるため、ホラー要素が苦手な人は注意が必要です。ただ前作のように子供が主人公とはいえ、リーナは大人の女性であることを踏まえれば、15歳以上という設定は妥当といえます。

「エスター ファーストキル」詳しいあらすじ!【ネタバレあり】

精神病院から脱走したリーナ、エスターになりすます

物語は2007年のエストニアから始まります。リーナ(イザベル・ファーマン)は、警備の厳重な精神病院に収容されている狡猾で凶暴な女性ですが、看守や医師たちを欺いて脱走に成功します。脱走後、ネットで行方不明者リストを調べたリーナは、自分にそっくりな少女エスター・オルブライトを見つけ、彼女になりすますことを思いつきます。

行方不明だったオルブライト家の娘エスターとして迎え入れられるが…

そうしてリーナは、アメリカ・コネチカット州の裕福なオルブライト家にやってきます。一家は4年前に行方不明になった娘エスターが見つかったことを喜び、エスター(リーナ)を歓迎します。父のアレン(ロッシフ・サザーランド)は優しく接してくれますが、母のトリシア(ジュリア・スタイルズ)と兄のガナー(マシュー・フィンリー)の態度はどこか素っ気ません。当初リーナは、オルブライト家の財産を狙っていましたが、次第にアレンに惹かれ本気になっていきます。

ドナン刑事に疑われ、口封じに動くリーナとトリシア

一方、エスターの失踪事件を担当していたドナン刑事(ヒロ・カナガワ)は、「エスター」の不自然な振る舞いに違和感を覚え、DNA鑑定のため彼女の唾液を採取します。これに気づいたリーナは、ドナンを殺害しようとしますが、そこへトリシアが現れ、逆にドナンを射殺してしまいます。実はトリシアは、本物のエスターが兄のガナーに殺されたことを隠蔽するため、リーナにエスターのフリをさせていたのです。

本物のエスターは兄に殺されていた!?残酷な真相が明らかに

トリシアから真相を聞かされたリーナは、彼女と取引をします。本物のエスターの死の真相を警察にバラさない代わりに、自分もオルブライト家の一員として残ることを条件に出します。エスターは4年前、兄のガナーに殺され、遺体は森に埋められていたのです。一家の面目を保つため、トリシアはエスターの失踪を装い、リーナを迎え入れたというわけです。

トリシアとガナーに襲われるリーナ、激しい争いの末生き残るのは…

しかしその後、リーナの異常性に気づき始めたトリシアとガナーは、彼女を精神病院に送ろうとたくらみます。これに怒ったリーナは、ガナーを殺害。さらにアレンが出張から戻ってきたタイミングで、トリシアと壮絶な対決を繰り広げます。最後は、燃え盛る屋敷から飛び降りたトリシアが亡くなり、駆けつけたアレンも巻き添えになって死亡。リーナだけが生き残ったのでした。

「エスター ファーストキル」見どころ: 前作ファンも楽しめる衝撃作!

前作で語られなかったエスター(リーナ)の出生の秘密に迫る

前作「エスター」では、エスターがリーナという33歳の女性だったことが明かされましたが、彼女がなぜ子供のような外見なのか、どんな過去を持つのかは語られていませんでした。本作では、精神病院での様子や職員との会話を通して、リーナの出生の秘密が少しずつ明らかになっていきます。成長ホルモンの分泌異常で子供の姿のまま成長したこと、幼少期から残虐性を発揮していたことなどが順を追って描かれ、リーナというキャラクターの背景が丁寧に描写されています。

幼女の姿をしたサイコキラー、リーナの狡猾さと残虐性!

見た目は幼女ながら、大人顔負けの知能と残忍さを持つリーナ。彼女の狡猾で冷酷な一面は本作でも健在です。脱走時に看守や医師を陥れる手口、「エスター」として振る舞いながらオルブライト家に取り入る演技、裏切ったトリシアへの復讐など、その驚くべき悪辣ぶりは、前作を上回るインパクトがあります。イザベル・ファーマンの演技も、あどけなさと邪悪さを絶妙に使い分けていて秀逸。まさに「エスター」という存在そのものといえるでしょう。

エスターを失ったオルブライト家の悲しみと葛藤

一方で、本作はオルブライト家の人間ドラマとしても見応えがあります。行方不明になった娘を取り戻そうとする両親の悲しみ、エスターを殺してしまったガナーの葛藤など、一家を襲った悲劇が丁寧に描写されます。特に、事件を隠蔽しようとするトリシアの心情は、母親として痛々しくも複雑で、ジュリア・スタイルズの熱演が光ります。オルブライト家の人々が追い詰められ、壊れていく様は、ホラー映画でありながらヒューマンドラマとしても優れた作品だと感じさせます。

まとめ:「エスター」ファン必見!新たな悪夢の始まりを目撃せよ

前作から13年、遂に明かされたエスター(リーナ)の衝撃の過去。本作は、前作ファンにはたまらない、まさに待望の続編といえるでしょう。ただ、前作を知らなくても十分に楽しめる謎解きサスペンス要素も盛りだくさんです。イザベル・ファーマンの怪演と、オルブライト家の悲劇を通して描かれる人間ドラマ。本作を観れば、あの悪夢の少女エスターの本当の物語を目撃できます。ラストに待ち受ける衝撃の結末をお見逃しなく!