【ネタバレあり】デビルマンのあらすじを漫画とアニメの違いも交えて完全解説!

永井豪の傑作漫画が原作の「デビルマン」

作品の出版社、連載期間、人気などの基本情報

「デビルマン」は、1972年6月から1973年6月まで、「週刊少年マガジン」で連載されました。単行本は全5巻で、発行部数は累計で5000万部を超えるなど、日本を代表する漫画作品の一つに数えられています。

主人公の不動明とデビルマンについて

物語の主人公は不動明という高校生。心優しく正義感の強い青年ですが、ある日、悪魔(デーモン)と合体することでデビルマンとなります。悪魔の肉体と強大な力を得ながらも、人間の心と良心を持ち続けた明は、親友の飛鳥了と共に、人類に敵対する悪魔と戦っていくことになるのです。

原作漫画版「デビルマン」のあらすじ

平和な日常が崩れる日

主人公の不動明は、心優しい高校生。ある日、親友の飛鳥了から衝撃の事実を告げられます。古代より地球に存在していた悪魔(デーモン)が目覚め、人類を滅ぼそうとしているというのです。

デビルマンの誕生

了から悪魔と合体することを勧められた明は、恐怖のあまり正気を失ってしまいます。その隙に、アモンという悪魔が明の体に乗り移ったのです。しかし明は、強靭な精神力で悪魔の心を抑え込むことに成功。悪魔の力と人間の心を併せ持つ「デビルマン」となりました。

デーモン族の刺客たち

デビルマンとなった明に、魔王ゼノンに仕える悪魔の刺客たちが襲いかかります。美しき妖鳥・シレーヌ、残忍な魔獣・ジンメン、ゼノンの側近・ザンニンなど、強敵との戦いが次々と繰り広げられるのです。

人間とデーモンの全面戦争


シレーヌ達を倒した明でしたが、全人類に宣戦布告した悪魔族は大挙して地上へ攻め込んできます。明は、世界各地に現れた「悪魔と合体したデビルマン」達を集めて、悪魔軍団と戦うことを決意するのでした。

人間に潜むデーモンへの恐怖

人間社会にも悪魔が紛れ込んでいると知った人類は、善悪の区別なく互いを疑い始めます。デビルマンの活躍で特に有名になった不動明も、正体がばれて故郷を追われてしまうのです。

明かされるサタンの正体

戦いの中で、親友の飛鳥了が「この世界を裁く大天使・サタン」の転生者だったことが明らかになります。了=サタンは、人類を滅ぼすためにデビルマンを利用していたのです。

デビルマン軍団VSデーモン軍団

人間に裏切られ、絶望した明は、デビルマンたちを率いてサタン率いる悪魔軍団に立ち向かいます。そして、20年後。人類は滅亡し、荒廃した地球で、両軍団による最終決戦が始まるのでした。

明とサタンの最後の対話

サタンに敗れ、瀕死の明。サタンは涙ながらに、かつて神に反逆した理由を語ります。かつて、デーモンを滅ぼそうとした神の行いは「いつか人類にも向けられる」と直感したから、だと。しかし、神の横暴を憎んだあまり、同じことを繰り返してしまったサタン。親友の死を悲しみながら、サタンはこう呟くのです。すべては失われたと。

テレビアニメ版の特徴とストーリー

一方、1972年から放送されたテレビアニメ版では、原作漫画とはかなり異なる設定とストーリーが展開されました。

デーモン族から人間を守る正義のデビルマンという設定

アニメ版の不動明は、人間の姿に変身したデーモン族という設定です。しかし明は、愛する牧村美樹を守るため、同族のデーモンに立ち向かう「正義のデビルマン」となることを決意します。悪魔でありながら人間を守る、漫画とは真逆の設定が特徴と言えるでしょう。

一話完結の妖獣退治がメインのストーリー展開

テレビアニメ版の基本的な流れは、魔王ゼノン配下の妖獣軍団から人間を守るため、デビルマンが戦うというもの。シレーヌやジンメンといった漫画でもお馴染みのキャラも登場しますが、サタンの存在には一切触れられていません。ザンニンやムザン、レイコックといった幹部クラスの妖獣も登場し、彼らとの戦いが物語のクライマックスを盛り上げています。また、漫画版のような人間社会の混乱や、明の葛藤といった重厚な描写はなく、比較的明るく爽快なヒーロー作品としての側面が強いのが特徴です。

「デビルマン」の他のメディアミックス


「デビルマン」は、原作漫画だけでなく様々なメディアミックス展開が行われてきました。
1987年から発売されたOVA版は、永井豪総指揮のもと、よりグロテスクで大人向けの作風となっています。原作に近いストーリー展開の中で、人間性を失っていく不動明の苦悩が丁寧に描かれているのが特徴です。
2018年にはNetflixオリジナルアニメ「DEVILMAN crybaby」が全世界に配信されました。現代の目線でアレンジされ、SDキャラからは想像できないほどにハードでスタイリッシュな作風で、新たなファンを開拓することとなりました。
他にも、永井豪の代表作「マジンガーZ」とのクロスオーバー作品である劇場アニメ「マジンガーZ対デビルマン」や、フル3DCGで制作された映画版「DEVILMAN」など、多岐にわたる展開を見せています。
また、小説やドラマCD、ゲームなどにもなっており、それぞれの媒体の特性を生かしたアレンジが施されています。
このように、「デビルマン」という作品は、原作マンガ以外にも様々な形で生まれ変わり、親しまれ続けている名作と言えるでしょう。