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映画「ズートピア」の基本情報
「ズートピア」は、2016年に公開されたディズニー製作のアニメーション映画です。監督はバイロン・ハワードとリッチ・ムーア、脚本はジャレッド・ブッシュとフィル・ジョンストンが務めました。日本では同年4月23日に封切られ、上映時間は108分でした。
「ズートピア」は全世界で大ヒットを記録し、興行収入は10億ドルを突破。第89回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞したほか、第74回ゴールデングローブ賞でも長編アニメ映画賞を受賞しました。
キャッチコピーは「この街では、動物が人間のように暮らしている。でも、それは表向きだけ。」というもの。一見平和に見える動物たちの都市に潜む、偏見や差別の問題を描いた作品となっています。
「ズートピア」のあらすじ【ストーリー前半】
ジュディの夢と挫折
ウサギのジュディ・ホップスは、ズートピアで初の警官を目指し警察学校に入学します。小柄な彼女は訓練で苦労しますが、卒業式では首席で卒業。晴れて警察官となったジュディは、ズートピアの中心街に配属されます。
しかし、現場に出ることを夢見ていたジュディは、ボゴ署長から交通取り締まりを命じられてしまいます。ウサギを見下すボゴに反発しつつも、ジュディは真面目に職務をこなします。
ズートピアでの初任務
ある日、ジュディはキツネのニック・ワイルドとフィニックの親子に出会います。彼は息子のために売店でアイスクリームを買おうとしますが、店主から拒否されてしまいます。同情したジュディはニックを助けますが、後に彼らが親子を装った詐欺師だったことが判明します。
ジュディはニックを問い詰めますが、偏見を持たれることに慣れたニックは開き直ります。ジュディは、肉食動物を恐れる町の風潮に戸惑いながらも、警察官としての仕事に励みます。
失踪事件の捜査
オッタートン夫人が夫エミットの捜索をボゴに直訴すべく、ベルウェザー副市長と共に来署します。ジュディはこの捜査を自分がしたいと申し出ますが、ボゴは48時間以内に事件を解決できなければクビにすると宣告。ジュディは制限時間内に事件を解決するため、ニックに協力を求めることになります。
「ズートピア」のあらすじ【ストーリー後半】
ニックの過去と協力関係
脱税の証拠をちらつかせ、ジュディはニックを失踪事件の捜査に引き込みます。捜査を進める中で、ニックが幼少期に肉食動物への偏見からいじめに遭っていたことが明らかになります。次第に2人は互いを理解し合うようになります。
陰謀の臭いと警察への報告
ジュディとニックは失踪動物のうち1頭を発見しますが、凶暴化した彼に襲われます。事件の背後に陰謀の臭いを感じた2人は、証拠をボゴに見せますが、証拠不十分として取り合ってもらえません。
真犯人の正体と抗争
真相を究明するジュディとニック。ズートピアでは肉食動物への偏見が高まり、社会不安が広がります。そんな中、ジュディは事件の黒幕が副市長のベルウェザーだと気づきます。
権力を握るため、ベルウェザーは肉食動物を凶暴化させ社会に混乱を招こうとしていたのです。追い詰められるジュディとニックでしたが、ボゴらの助けを借り、ベルウェザーの陰謀を暴くことに成功します。
「ズートピア」の結末とその後
事件解決後、ジュディは一度は辞職しますが、ズートピアに戻ることを決意。ボゴもジュディの勇気を認め、彼女の警察官としての働きを称賛します。
ジュディは、ニックを警察学校に入れることを提案。エンディングでは、警察官となったニックとジュディがパートナーを組み、ズートピアの街で新たな事件に立ち向かう姿が描かれました。
映画「ズートピア」の登場人物
ジュディ・ホップス(声:ジニファー・グッドウィン / 上戸彩)
ズートピアで初の警官になることを夢見る、田舎出身のウサギ。小柄な体格から周囲に過小評価されるが、類まれな勘の鋭さと正義感の強さで難事件に立ち向かう。日本語吹き替え版では上戸彩が声優を務めた。
ニック・ワイルド(声:ジェイソン・ベイトマン / 森川智之)
ペテン師稼業を生業とするキツネ。口が達者で皮肉屋だが、幼少期に偏見に苦しんだ過去を持つ。ジュディとコンビを組むことで、彼女を助けながら自身も成長していく。日本語吹き替え版では森川智之が声を演じた。
ほか主要キャラクターの紹介
- ボゴ署長(イドリス・エルバ / 三宅健太) – ズートピア警察の署長。大柄で威圧的だがジュディの才能を認める。
- ベルウェザー副市長(ジェニー・スレイト / 竹内順子) – ズートピアの副市長を務めるヒツジ。裏では陰謀を巡らせる黒幕。
- ガゼル(シャキーラ) – ズートピアでスターシンガーとして活躍する歌手。平和を願うメッセージソングを歌う。
「ズートピア」の舞台設定と制作の裏側
動物だけが暮らす世界・ズートピア
ズートピアでは動物が擬人化され、人間のように暮らしています。肉食動物と草食動物の習性の違いはありますが、お互いを尊重して共生する都市を形成しています。
街は動物の特性に合わせた区域に分けられており、極寒のツンドラタウンから砂漠のサハラスクエアまで、様々な環境が再現されています。住民はそれぞれの区域で、動物の体型に合った建物や乗り物を利用して暮らしています。
リアリティを追求したディズニーの姿勢
ディズニーはズートピアの制作にあたり、街の成り立ちや動物たちの生活をリアルに描くことにこだわりました。制作陣は動物学の専門家に取材を行い、実在する動物たちの習性を参考にキャラクターや建物のデザインに反映させました。
また、偏見や差別など現代社会が抱える問題にも果敢に切り込んだストーリー設定は、ディズニー作品の中でも異色の存在。リアルな世界観の中に風刺を織り交ぜ、観る者に問いかける内容となっています。
「ズートピア」の主題とメッセージ
偏見を乗り越える勇気と友情
「ズートピア」の中心テーマは、偏見や差別といった社会問題の克服です。ジュディは小柄な体格からバカにされ、ニックは肉食動物として危険視されるなど、2人は偏見に苦しめられます。
しかし、互いを信じ合うことで、彼らは周囲の偏見を乗り越えていきます。ジュディとニックの絆は、見た目や立場を超えた友情の力を象徴しています。
多様性を認め合う社会の必要性
ズートピアはあらゆる動物が集う多様な都市ですが、住民たちの心には偏見が潜んでいました。ジュディとニックの活躍は、互いの違いを認め合い、多様性を尊重することの大切さを示しています。
また、ラストでは誰もが自分らしく生きられる社会を目指すメッセージが込められました。現代社会に通じる普遍的なテーマを持つ作品だといえるでしょう。
「ズートピア」の興行成績と評価
全世界での好成績と日本での記録
「ズートピア」は全世界で10億ドル超の興行収入を記録する大ヒット作となりました。アメリカでは歴代アニメーション映画興収ランキング8位を記録。
日本でも76億円を超える成績を収め、同年の映画興行収入ランキング4位に輝きました。公開期間中、週末動員ランキングでは何度も1位を獲得し、口コミで動員数を伸ばしました。
批評家やクリエイターからの高い評価
本作は批評家から絶賛を受け、ロッテントマトでは98%の高い支持率を獲得。ストーリーやキャラクター、社会風刺のメッセージ性など、様々な面での完成度の高さが評価されました。
「千と千尋の神隠し」の鈴木敏夫は、映像技術やテーマ性の観点から「ディズニー映画の中でもずば抜けた傑作」と称賛。「となりのトトロ」の宮崎駿も、「すごいのを見ちゃった!」と絶賛したと報じられました。
まとめ:ディズニーが描く理想の共生社会
ズートピアで問われた価値観
一見すると誰もが幸せに暮らすズートピアですが、そこには偏見という闇が潜んでいました。ジュディとニックが事件を解決する中で、ズートピアの住人たちは自らの価値観を問い直すことになります。
世界観やキャラクターを通して、私たちの社会に根付く差別の問題を浮き彫りにした「ズートピア」。この作品が投げかけた問いは、今を生きる私たちにも突き刺さるものがあるはずです。
現代にも通じる普遍的テーマ
「ズートピア」は子どもから大人まで楽しめる作品ですが、そこには現代社会が直面する課題が散りばめられています。動物たちの世界を通して描かれた、多様性と共生のメッセージ。
この普遍的なテーマ性こそが、「ズートピア」を時代を超えて愛される作品にしているのかもしれません。ディズニーが理想とする社会の姿を、ズートピアは体現しているのです。
これからも愛される名作アニメーション
興行成績と評価が示す通り、「ズートピア」は記録的なヒットとなりました。ストーリー、キャラクター、社会的メッセージなど、あらゆる面で高い評価を受けた本作は、ディズニーアニメーションの新たな金字塔と言えるでしょう。
世界中の人々を魅了したこの作品が、今後もアニメーション映画の歴史に名を残していくことは間違いありません。ジュディとニックが理想の社会を目指して奮闘する姿は、これからも多くの人々の心に希望を与え続けるはずです。
ディズニーの想像力が生み出した、かけがえのない名作。「ズートピア」という世界に込められた、多様性と共生のメッセージを胸に刻んでおきたいですね。世代を超えて愛される普遍的な物語として、この作品はこれからも色褪せることなく輝き続けるでしょう。