【ネタバレあり】ゴジラ-1.0のあらすじを完全解説!前作との関係性や見所も徹底分析!

ゴジラ-1.0の基本情報

公開日と上映時間

『ゴジラ-1.0』は2023年11月3日に公開されたTOHOスタジオ・ROBOT制作の怪獣映画です。上映時間は125分となっています。

監督と脚本

本作の監督・VFX・脚本を手掛けたのは山崎貴です。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』などで知られる山崎監督が、ゴジラ映画初挑戦となりました。

キャスト

主人公の敷島浩一を神木隆之介、ヒロインの大石典子を浜辺美波が演じるW主演作品です。そのほか、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介らが脇を固めています。

なお製作費は、東宝の大作にしては破格の15億円以下に抑えられたとのことです。

ゴジラ-1.0のあらすじ【完全ネタバレ】

序盤

第二次世界大戦末期の1945年。小笠原諸島の大戸島で、特攻から逃れた敷島浩一が全長15メートルほどの恐竜のような生物「呉爾羅(ゴジラ)」に遭遇する。ゴジラは基地を襲撃し、整備兵たちが命を落とすが、敷島は恐怖で撃つことができなかった。

同年冬、東京に戻った敷島は、空襲で両親を亡くした隣人の太田澄子から空襲によって両親が亡くなったことを聞かされる。また、同じく空襲で両親を亡くした大石典子と孤児の赤ん坊の明子と出会い、共同生活を始める。敷島は機雷撤去の仕事に就き、新生丸の面々と知り合うが、典子との関係は進展しない。

中盤

1946年夏、ビキニ環礁での核実験によりゴジラは被曝し、細胞のエラーから全長50.1メートルに巨大化する。1年後、ゴジラは日本近海に現れ、さらに上陸に向かう。政府はゴジラの存在を隠蔽していたが、ゴジラは防衛ラインを突破し、東京に上陸。国会議事堂が蒸発し、典子は敷島を救うために行方不明になってしまう。

終盤

東京を壊滅させたゴジラに対し、元海軍関係者や民間人が立ち上がる。野田健治が立案した海神作戦は、ゴジラを深海に沈め、急激な水圧の変化で倒すという計画だった。一方、敷島は震電という戦闘機を発見し、操縦士の橘を呼び戻して整備を託す。戦いの決意を固めた敷島は、震電でゴジラを深海へ誘導する。

エンディング

海神作戦によりゴジラは一度深海に沈むが、バルーンを破られ失敗かと思われた。その時、敷島が震電でゴジラの口内に特攻。ゴジラは沈み、敷島は脱出装置で九死に一生を得る。その後、典子が生存していることがわかり、敷島と再会を果たす。しかし典子の首には謎の黒い痣が這っており、海底ではゴジラの肉片が再生を始めていた。

ゴジラ-1.0の前作との関係性

ゴジラシリーズとのつながり

『ゴジラ-1.0』は、ゴジラシリーズ37作目であり、第1作『ゴジラ』(1954年)の前日譚にあたる物語です。1945年から1947年という戦後間もない時代を舞台に、ゴジラの出現と、それに立ち向かう人々の姿を描いています。つまり、第1作で描かれたゴジラ襲来の予兆とも言える出来事が、本作のテーマになっているのです。

シン・ゴジラとの比較

前作の『シン・ゴジラ』(2016年)は現代の日本を舞台に、ゴジラ襲来に対する政府対応の醜態を風刺的に描いた作品でした。一方『ゴジラ-1.0』は、戦後の混乱期という非常事態下で、軍隊ではなく市井の人々がゴジラに立ち向かう姿を真剣に描いています。両作とも、ゴジラという脅威に対する日本人の向き合い方を映し出していますが、テイストはかなり異なると言えるでしょう。

ゴジラ-1.0の見所と注目ポイント

今作の新しい設定

『ゴジラ-1.0』最大の特徴は、これまでのシリーズ作品とは一線を画す舞台設定にあります。1945年から1947年という戦後の混乱期を舞台に、ゴジラの脅威に市井の人々が立ち向かうというのは、ゴジラ映画としては初の試みと言えるでしょう。主人公たちは政治家でも科学者でも軍人でもなく、ごく普通の民間人。ゴジラに翻弄されながらも、懸命に生きようとする姿が印象的です。

必見のシーンと名場面

本作には、そうした新しい設定を活かした見どころが随所にちりばめられています。ゴジラに蹂躙される国会議事堂前の銀座や、機雷を使った海神作戦、震電を操る敷島の活躍など、スリリングなアクションシーンが目白押しです。中でも、ラストの敷島によるゴジラの口内への特攻は、まさに感動の名場面と言えるでしょう。また、山崎貴監督らが生み出した圧倒的なVFXは、第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞するなど高い評価を得ています。

ゴジラ-1.0を上手に楽しむコツ

予備知識なしで見る方法

『ゴジラ-1.0』は、ゴジラシリーズの予備知識がなくても十分楽しめる作品です。本作は第1作『ゴジラ』(1954年)の前日譚ですが、時系列の整合性にはこだわらず、独立した一本の映画として鑑賞できるよう作られています。戦後という時代設定や、一般市民を主人公にしたストーリー展開など、これまでのゴジラ映画にはない新しい魅力があるので、まずはその世界観に没入してみるのがおすすめです。

ゴジラシリーズを知ってから見る方法

一方で、ゴジラシリーズをある程度知っている方にとっては、さらに奥深い楽しみ方ができるでしょう。とりわけ第1作や『シン・ゴジラ』を事前に見ておくと、本作との関連性や差異を意識しながら鑑賞できます。第1作で描かれた怪獣出現の予兆が、本作ではどのように描かれているのか。『シン・ゴジラ』で風刺された政府対応が、本作では民間人の奮闘にどう置き換えられているのか。そうした視点を持って臨むと、より考察が深まるはずです。

映画館とネット配信どちらで見るべき?

圧倒的なスケール感と繊細なVFXが魅力の本作は、大スクリーンで見るのが一番の楽しみ方だと言えます。臨場感あふれるゴジラの咆哮を映画館の大音量で体感するのは、他では味わえない感動があるでしょう。ただし、集中して見られる環境が整っているなら、ネット配信でもじっくり作品に浸ることができます。何度も繰り返し見られるのもネット配信の魅力だと言えるでしょう。

ゴジラ-1.0の評価と今後の展開

興行収入と観客動員数

『ゴジラ-1.0』は公開から3日間で観客動員64万8,600人、興行収入10億4,100万円を記録しました。これは前作『シン・ゴジラ』の同時期と比べ、興収で122.8%、動員数で114.7%上回る好成績です。その後も好調を維持し、公開から122日間で観客動員392万人、興行収入60.1億円を突破。2023年の邦画実写作品では唯一、60億円の大台に乗る大ヒットを記録しています。

批評家の評価

本作は批評家からも高い評価を得ています。国内外の映画レビューサイトでも軒並み高評価で、特にVFXの完成度と物語の新しさが絶賛されています。第96回アカデミー賞での快挙は、その評価の高さを象徴していると言えるでしょう。監督の山崎貴は、『シン・ゴジラ』とはまた違った角度から、ゴジラ映画の新たな可能性を切り拓いたと称えられています。

今後のゴジラシリーズの動向

『ゴジラ-1.0』の大ヒットを受け、続編やシリーズ展開への期待が高まっています。ラストシーンで示唆された、ゴジラの再生と進化の行方が気になるところです。山崎監督は「今後も時代と向き合いながら、ゴジラ映画を作り続けたい」と語っており、本作で開拓された新しい領域を、さらに発展させていくことを期待させます。ただし、安易な続編乱発は避けるべきで、本作のように意欲作を届け続けることが肝要だと考えられています。

まとめ

『ゴジラ-1.0』は、ゴジラ映画の歴史に新たな1ページを刻んだ意欲作です。戦後の混乱期を舞台に、ゴジラの脅威に立ち向かう一般市民を描くという斬新な設定は、シリーズに新風を吹き込みました。主演の神木隆之介と浜辺美波の熱演、そして山崎貴監督の圧倒的なVFXが生み出す驚異のエンターテインメント性は、国内外で高い評価を得ています。

同時に本作は、ゴジラという絶対的な脅威に向き合う人間の姿を通して、戦争の悲惨さや生きることの尊さを描き出した秀作でもあります。敷島と典子の関係性に象徴される、極限状況下での人間ドラマが深く心に響きます。エンタメ作品としてのスリルと興奮、そしてメッセージ性の深さを兼ね備えた『ゴジラ-1.0』は、今後も長く語り継がれる記念碑的な作品となることでしょう。