【ネタバレあり】エクソシスト(映画)のあらすじを簡単解説!衝撃のラストまで

エクソシストって何?映画の基本情報

エクソシストのジャンル、公開年、監督、主演、原作について

エクソシストは、1973年にアメリカで公開されたホラー映画です。ウィリアム・フリードキン監督がメガホンを取り、ウィリアム・ピーター・ブラッティの同名小説を映画化しました。

主演は当時14歳の新人女優リンダ・ブレアが務め、エレン・バースティン、ジェイソン・ミラー、マックス・フォン・シドーらも出演しています。

本作は悪魔祓いをめぐるショッキングな表現と衝撃のラストシーンで、公開当時に大きな反響を呼びました。その後もホラー映画の金字塔として語り継がれ、現代の作品にも多大な影響を与えています。

第46回アカデミー賞では脚色賞と音響賞を受賞し、その他の主要部門にもノミネート。1973年の全米興行収入1位を記録するなど、興行面でも大ヒットを飛ばしました。

発表から半世紀経った現在でも、エクソシストの持つ衝撃は色褪せることなく、世界中のホラーファンを魅了し続けています。

エクソシストのあらすじを時系列順に紹介

1. 悪魔祓いの専門家神父と悪霊パズズの予兆

物語はイラク北部の遺跡発掘現場から始まります。悪魔祓いの専門家であるランカスター・メリン神父は、古代の邪悪な存在「パズズ」の像を発見します。像を見つめるメリン神父は、近いうちにこの宿敵と再び対峙することを予感するのでした。

2. 少女リーガンの異変、その原因は?

舞台はワシントン郊外の町ジョージタウン。女優のクリス・マクニールは一人娘のリーガンと平穏に暮らしていました。しかしある日、屋根裏から不気味な物音が聞こえるようになります。その頃からリーガンの様子がおかしくなり、家の中では原因不明の異常現象が続発するようになりました。

3. リーガンに降りかかる恐ろしい現象の数々

リーガンの体調は日に日に悪化していきます。ベッドが激しく揺れたかと思うと、リーガンの部屋だけが異常に冷え込む現象が起きたり。挙げ句の果てには、近所の教会のマリア像が冒涜される事件までが起こります。

4. 医師団を混乱に陥れるリーガンの異常

病院に運ばれたリーガンは、あらゆる検査を受けますが原因は分かりません。担当医師は、リーガンの異常な言動に戸惑い、現代医学の限界を思い知らされます。医師団は混乱に陥り、リーガンへの有効な治療方法が見つからない状況に追い込まれていきます。

5. 聖職者たちによる究極の悪魔祓い、その舞台裏

医師たちが打つ手なしの状態に陥ったクリスは、最後の望みを悪魔祓いに託します。若き神父カラスと、ベテランのメリン神父がリーガンに取り憑いた悪魔と対峙する、究極の悪魔払いが始まりました。

二人の神父は祈りの言葉を捧げ、悪魔祓いの儀式を実行しますが、それに抵抗する悪魔も負けじと猛反発。神父たちを翻弄し、リーガンを苦しめ続けます。息つく暇もない熾烈な攻防が、夜通し続いたのです。

6. 神父カラスの究極の選択、衝撃のラストシーン

長い戦いの末、主導役のメリン神父が持病の心臓発作で急死。絶望したカラス神父でしたが、最後の賭けに出ます。

カラス神父は自ら悪魔に呼びかけ、リーガンから自分へと憑依させることに成功。だがその代償は、命と引き換えであることを悟っていました。

カラス神父は窓から飛び降りて自決。リーガンから悪魔を引き離すことに成功したのです。事切れる直前、親友の神父に最後の懺悔を済ませたカラス神父。彼の尊い犠牲によって、少女の命が守られました。

エクソシストというタイトルの意味である「悪魔祓いの専門家」。その役目を若き神父カラスが果たしたその時、悪魔との戦いに終止符が打たれたのでした。

登場人物紹介

エクソシストに登場する主要人物を紹介します。

リーガン・マクニール

まず主人公の一人、リーガン・マクニール。12歳の少女で、クリスの一人娘です。物語の序盤から悪魔に取り憑かれ、信じられない苦しみを味わいます。リーガンを演じたのは当時14歳の新人女優リンダ・ブレア。アカデミー助演女優賞にノミネートされました。

クリス・マクニール

リーガンの母親クリス・マクニールは、売れっ子の女優。娘の異変に気づくも、原因がわからず途方に暮れます。現代医学の限界を知り、神父による悪魔祓いに望みを託します。クリスを演じたのはエレン・バースティン。リーガン役のブレアと共にアカデミー主演女優賞の候補となりました。

ダミアン・カラス

若き神父ダミアン・カラスは、リーガンに取り憑いた悪魔と対峙します。現代的な考えを持つ神父で、信仰に悩む一面も。悪魔祓いの決行に揺れ動く心情を熱演したのはジェイソン・ミラー。アカデミー助演男優賞にノミネートされています。

ランカスター・メリン

カラスとコンビを組むのがベテラン神父ランカスター・メリン。悪魔祓いのエキスパートで、若きカラスの精神的な支えとなります。終盤、カラスを導く重要な役割を果たします。メリンを演じたのは名優マックス・フォン・シドー。

その他、クリスの友人でリーガンとも親しい映画監督バーク・デニングス、事件を捜査するキンダーマン刑事、クリスの秘書でリーガンの世話も手伝うシャロンも物語の鍵を握る重要人物です。

彼らが織りなす人間ドラマが、エクソシストをより深く印象的な作品にしているのです。

興行成績と評価

エクソシストは公開当時、驚異的な興行成績を記録しました。1973年の全米興行収入ランキングで堂々の第1位を獲得。公開からわずか7週間で、全米の興行収入は4600万ドルに到達しました。

アメリカ国外でも高い人気を博し、世界興行収入は約4億4000万ドルを記録。日本でも1974年の洋画配給収入1位となる、27億3000万円をたたき出しました。

批評家からの評価も上々で、ロッテン・トマトの批評家支持率は83%に達します。第46回アカデミー賞では作品賞、監督賞など10部門でノミネートを果たし、脚色賞と音響効果賞を受賞。

ゴールデングローブ賞でも作品賞、監督賞、助演女優賞、脚本賞を獲得しました。当時の映画界に大きなインパクトを与えた作品だったのです。

一方で、リアルすぎる恐怖表現が賛否両論を巻き起こしたのも事実。倫理的観点から議論の的となりましたが、それすらもエクソシスト伝説の一端を担うことになりました。

エクソシストがここまで社会現象になれたのは、単なる話題性だけが理由ではありません。卓越した映像表現、役者たちの名演技、音響効果による緊迫感など、映画のクオリティの高さも大きな要因でした。

現在でもなお、エクソシストは不朽の名作ホラー映画として語り継がれています。この1本の映画が、後世の映画人たちに与えた影響は計り知れません。

興行的にも芸術的にも、文句なしの大傑作だったのです。

まとめ:エクソシストが語り継がれる理由

1973年の公開から半世紀近くが経った今なお、エクソシストは色褪せない名作として映画ファンの間で語り継がれています。その理由は、いくつかの要素が絶妙に組み合わさっているからでしょう。

まず挙げられるのが、リアルな恐怖表現です。当時の観客は、スクリーンに映し出されるショッキングな場面の数々に度肝を抜かれました。血だまりに漬かるリーガンの姿や、360度回転する首のシーンなど、想像を絶する恐怖が随所に盛り込まれているのです。

それを引き立てているのが、圧倒的な映像美。ウィリアム・フリードキン監督の手腕により、不気味なまでに美しいカメラワークが全編を彩ります。スリリングな展開を生み出す編集も秀逸で、観る者を一瞬たりとも映画に釘付けにするのです。

物語を盛り上げる役者たちの演技力も特筆すべき点。リーガン役のリンダ・ブレアは、当時14歳の新人ながら、難役を見事に演じ切りました。母親役のエレン・バースティン、神父役のジェイソン・ミラーやマックス・フォン・シドーら成人キャストも、熱のこもった名演技を披露しています。

脚本も見逃せません。原作者であるウィリアム・ピーター・ブラッティ自身が手掛けた緻密な脚本は、終盤に向けて一気に加速する展開と、最後の最後まで観客を唸らせる驚愕のラストを生み出しました。全編に張り巡らされた伏線と謎が、物語にさらなる深みを与えているのです。

恐怖を盛り上げているのは、音楽の力も大きいでしょう。マイク・オールドフィールドらが手掛けた不気味なテーマ曲は、エクソシストを語る上で外せません。場面に合わせて緊迫感を高める効果音も、映画体験により没入感を与えます。

そして何より、エクソシストが内包するテーマの普遍性。善と悪の戦い、信仰をめぐる人間ドラマは、半世紀たった現代でも色褪せることはありません。ホラー映画でありながら、人間の奥深い部分に迫る姿勢は、多くの観客の共感を呼ぶのです。

これらの要素が渾然一体となって生み出された映画が、エクソシストなのです。ホラー映画の金字塔として、今なお輝き続ける理由がここにあります。

後世の映画人たちに多大な影響を与え、ジャンルの頂点に君臨し続ける不朽の名作。それがエクソシストという映画なのです。