【ネタバレあり】アニメ「有頂天家族」全13話の魅力をあらすじで徹底解説!原作との違いにも言及

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「有頂天家族」ってどんなアニメ?森見登美彦原作の人間ドラマ

2013年放送 P.A.WORKSによる全13話のアニメ化

「有頂天家族」は、2013年7月から9月にかけて、フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送されたテレビアニメです。制作はP.A.WORKS、監督は吉原正行が務めました。

原作は森見登美彦による同名の小説で、2007年に刊行されるやベストセラーとなり、2012年には続編「有頂天家族 二代目の帰朝」が発表されています。アニメ版は全13話で、原作の主要エピソードをベースにオリジナル要素も盛り込みつつ展開されました。

京都・下鴨神社の名家を舞台に凸凹な面々が繰り広げる騒動

舞台は現代の京都、下鴨神社の東に位置する「糺(ただす)の森」。この地に代々住まう旧家・下鴨家と、彼らに仕える狸の一族を中心に、人間と妖怪が入り混じる不思議な世界が描かれます。

「有頂天家族」は、華やかな京都を背景に、ユーモアと哀愁を織り交ぜながら、型破りな登場人物たちが巻き起こす騒動の数々を描いた人間ドラマです。妖怪ファンタジーの装いをまとっていますが、その本質は家族の絆や、夢と現実の狭間で揺れ動く人々の心の機微に迫る物語と言えるでしょう。

「有頂天家族」全13話のあらすじを簡潔に紹介!

第1話 納涼床の女神

京都では人間、狸、天狗が共存している。狸の矢三郎が女子高生に変身したことで師匠の大天狗、赤玉先生を怒らせる。赤玉先生は矢三郎に、弟子の弁天に手紙を届けるよう命じる。弁天は人間の美女で、天狗の力で空を飛ぶ。矢三郎はこの手紙を携えて弁天を探すために町へ向かう。

第2話 母と雷神様

ビリヤードを楽しむタカラヅカ風の美青年・黒服の王子は下鴨家の母だった。母から依頼された矢三郎は、蛙になった兄・矢二郎を珍皇寺の井戸で訪ねる。矢二郎は、最近兄の矢一郎に同情していると語る。同時に、矢三郎は偽電気ブラン工場で働く末弟・矢四郎を助けるため、雷雲が迫る中を向かう。矢四郎はその時、重大な危機に直面していた。

第3話 薬師坊の奥座敷

京都の夏、五山の送り火に合わせて狸たちも夜空で騒ぐ計画があった。しかし、下鴨家の矢一郎が納涼船の手配を試みるも失敗に終わる。そこで矢三郎が矢一郎から頼まれ、納涼船の準備を引き受ける。矢三郎は弟の矢四郎と共に赤玉先生の元を訪ねることになる。

第4話 大文字納涼船合戦

矢三郎が弁天から借りた空飛ぶ奥座敷で、五山の送り火を観る納涼会が開かれた。赤玉先生が上座に座り、矢一郎は亡き父に倣い布袋に化ける。矢三郎と矢四郎は楽しみながら会を盛り上げ、母がそれを見守る。そこへ大型船に乗った夷川家が現れ、緊張感が夏の夜空に広がる。

第5話 金曜倶楽部

「金曜倶楽部」とは七人の食通で構成され、忘年会で狸鍋を楽しむグループで、矢三郎たちの父総一郎も彼らによって鍋にされた。このグループの一員である弁天は、五山の送り火の夜に矢三郎が壊した空飛ぶ奥座敷の件で矢三郎を探していた。矢三郎は金曜倶楽部で芸を披露せざるを得なくなり、逃げていたが最終的に弁天に見つかる。

第6話 紅葉狩り

弁天に連れられて矢三郎と淀川教授は夜の屋上で紅葉狩りを楽しんだ後、酔いつぶれた淀川教授を矢三郎が世話することになる。弁天はその後姿を消し、目を覚ました淀川教授は「食べることは愛すること」という持論を展開し、矢三郎の父・総一郎が金曜倶楽部の忘年会で狸鍋になった不思議な出来事を矢三郎に語る

第7話 銭湯の掟

矢三郎は弁天から逃げる間、風呂嫌いの赤玉先生を風呂に連れ出そうと矢四郎に頼まれ、口論の末に銭湯に行くことになる。しかし、待ち受けていたのは偽右衛門選挙を企てる金閣と銀閣だった。

第8話 父の発つ日

矢一郎と矢三郎は、父・総一郎がなぜ狸鍋にされたのか、また矢二郎がなぜ蛙となって井戸に篭ることを選んだのかを確かめるため六道珍皇寺の井戸を訪れる。矢二郎からの意外な告白に衝撃を受けた兄弟は、赤玉先生から総一郎の死に関してさらに新たな事実を聞かされる

第9話 夷川の娘・海星

長年の対立を持つ下鴨家と夷川家が、偽右衛門の後継者を巡り再び対立。矢一郎と夷川家の早雲が偽右衛門選挙で衝突することになる。この重要な会議での赤玉先生の立ち会いを求めるも、赤玉先生は出席を拒否。結局、矢三郎が赤玉先生の説得を担うことになる。

第10話 夷川早雲の暗躍

総一郎の命日であり、偽右衛門を決定する日が到来。この日は金曜倶楽部の忘年会でもあり、狸鍋が振る舞われる。矢一郎は父の跡を継ぐべく奮闘し、対抗する早雲は策謀を巡らせる。偽右衛門の座を巡る緊張の中、下鴨家は祝勝会の準備を進めるが、突然の暗雲が家を覆う。

第11話 捲土重来

父・総一郎が狸鍋にされた真相を知った矢三郎は、すでに矢一郎と母が陰謀により捕らわれていることを知る。弁天の助けで何とか脱出した矢三郎は二人の救出を試みるが、それが逆に彼をさらなる危機に陥れる。一方、金曜倶楽部では忘年会の狸鍋の準備が進んでいる。

第12話 偽叡山電車

家族の危機を知った矢四郎は、金閣の蔑視的な言葉に動かされ、意を決して蛙になった兄・矢二郎のいる六道珍皇寺へ走る。その間、金閣・銀閣の罠に陥った矢三郎は檻の中で絶望的な状況にあった。矢四郎は家族を救うため、雨の中を孤独に奔走する。

第13話 有頂天家族

仙酔楼では金曜倶楽部による狸鍋の準備が進み、檻に入れられた狸が運ばれていた。同時に、狸の頭領・偽右衛門を決める会議が行われ、脱出に成功した矢一郎と早雲が激しく対立していた。早雲の挑発に矢一郎の怒りが爆発する。狸、天狗、人間が絡む波乱万丈の展開が続く

まとめ:スリリングでハートフルな世界に誘う抱腹絶倒の人間ドラマ

以上、アニメ版「有頂天家族」全13話のあらすじと見どころ、原作小説との比較を紹介してきました。

本作は、古都・京都を舞台に、奇想天外な人間と妖怪たちが織りなす抱腹絶倒の人間ドラマです。原作の持つユーモアとペーソスを見事に映像化しつつ、京都愛に溢れた美麗な映像美、そして声優陣の名演技が見事に調和した秀作と言えるでしょう。

スリリングな展開に、ハートフルなキャラクター。現代の日本を舞台に、人間と妖怪が織りなす痛快無比の物語。ぜひ、アニメ版「有頂天家族」の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。