【ネタバレ】映画「マッチング」の衝撃結末とあらすじを解説!現代社会への警鐘から見えてくるもの

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映画「マッチング」のあらすじ~出会いからストーカー被害、そして惨劇へ

孤独なウェディングプランナー・唯島輪花の日常

(C)KADOKAWA

映画「マッチング」の主人公は唯島輪花(演:土屋太鳳)、30代のウェディングプランナーです。ナガタウエディングで7年目を迎え、仕事にやりがいを感じている反面、恋愛には奥手で、孤独を感じる日々を過ごしていました。

同僚の勧めでマッチングアプリ「ウィルウィル」に登録する輪花

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そんな輪花の様子を見かねた同僚の伊藤尚美(演:片山萌美)から、一緒に働く男性社員との出会いを期待して、マッチングアプリ「ウィルウィル」を勧められます。半ば強引に登録させられた輪花でしたが、アプリを通じて100件以上もの「いいね」が届き、戸惑いを隠せません。 そんな中、尚美から「イケメンだよ」と太鼓判を押されたのが、「トム25歳」(演:佐久間大介)という爽やかな笑顔の男性でした。

マッチングした「トム」との出会いと違和感

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「トム」とマッチングし、意気投合した輪花は、早速2人で食事に行く約束をします。しかし待ち合わせ場所に現れたのは、プロフィールとは似ても似つかないような薄汚れた風貌の男。不気味な雰囲気と下品な言動に、輪花は違和感と恐怖を覚えます。 申し訳ないと言って、その場を去ろうとする輪花。しかし「トム」は意に介さず、付きまといながら「俺たち、ぴったりだと思うんだ」と意味深な言葉を残します。

輪花を狙う執拗なストーカー行為

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「トム」こと吐夢(とむ)と名乗るその男は、その後も輪花の行動を尾行し、執拗につきまといます。輪花の行動をすべて監視しているかのような言動で、輪花に愛を囁き、脅迫まがいの言葉を投げかけてきます。 ブロックしても次々と新しいアカウントを作り、メッセージを送りつけてくる吐夢。警察に相談するも、決定的な証拠がないと取り合ってもらえません。追い詰められていく輪花は、会社の同僚である「ウィルウィル」のチーフエンジニア影山剛(演:金子ノブアキ)に助けを求めますが…。

「アプリ婚連続殺人事件」~マッチングアプリを通じた猟奇的犯行

輪花の担当カップルが次々と犠牲に

吐夢のストーカー被害に怯える中、輪花が担当していた新郎新婦が結婚式を目前に惨殺される事件が発生します。犠牲になったのは、輪花が母校の教師時代に憧れていた片岡隼人(演:杉本哲太)とその妻。 驚愕する輪花でしたが、その後も「ウィルウィル」で知り合ったばかりの幸せいっぱいの新婚カップルが次々と獣のような惨殺犯の餌食になります。そのあまりにも凄惨な手口と、事件の不可解さに、世間やメディアは震撼します。

輪花自身にも迫る魔の手

結婚式場を狙う連続殺人犯「アプリ婚連続殺人事件」の犯人は一体誰なのか。吐夢の影は見当たりませんが、これ以上カップルを死なせたくないと必死になる輪花。 しかし、そんな彼女自身にも魔の手が迫ります。ある日、自宅で物音がしたので見に行くと、そこには血塗れの凶器を手にした吐夢が。思わず悲鳴を上げる輪花に吐夢は「愛しているから、2人で死のう」と狂気の笑みを浮かべて近づいてきて…。

容疑者として浮上する「ウィルウィル」のエンジニア

警察は吐夢を重要参考人として追っていましたが、決定的な証拠は掴めず、行方を眩ませていました。そんな中、事件の矛先は「ウィルウィル」のチーフエンジニアである影山剛に向けられることに。 剛は輪花をストーカーから守ると言って近づいていましたが、彼の家からは血痕反応が検出されます。犯行に使われた凶器と同じものが押収され、剛は逮捕されてしまうのです。一連の事件は彼の犯行だったのか、真相を知る輪花は戸惑います。

映画「マッチング」の考察~現代社会に警鐘を鳴らすサスペンス作品

マッチングアプリの光と影~利便性と危険性

映画「マッチング」は、現代社会に蔓延するマッチングアプリについて多角的に描いています。出会いのツールとしての利便性は確かにありますが、匿名性の高さから犯罪に利用される危険性も孕んでいます。 主人公の輪花が遭遇するストーカー被害や、連続殺人事件の裏で暗躍する尚美の存在は、マッチングアプリがはらむ負の側面を浮き彫りにしています。個人情報の管理や、ユーザーの安全確保など、対策すべき課題は山積みだと言えるでしょう。 一方で、人間関係の構築に有効活用できる点も忘れてはいけません。リアルな出会いが減る中、マッチングアプリは新たなコミュニケーションの形として定着しつつあります。光と影、表と裏。マッチングアプリの功罪を的確に描写した本作は、私たちに賢明な使い方を問いかけているのです。

孤独に蝕まれる現代人の闇

輪花の孤独な日常は、現代社会に生きる多くの人々の縮図とも言えます。恋人がいない、友人が少ない、家族とも疎遠…。人とのつながりが希薄になりがちな時代において、彼女のように心の拠り所を失っている人は決して少なくないでしょう。 そんな孤独に蝕まれた心の隙間を狙うのが、トムのようなストーカーや犯罪者たち。彼らはその寂しさに付け込み、巧みに言葉を紡いで獲物を誘い込みます。孤独であればあるほど、それは簡単なこと。心の闇に取り憑かれた者たちの所業と、それに怯える現代人の姿が描かれます。 本作が投げかける問いは、私たちはいかにして心を満たし、人とつながるべきなのか。それは、現代社会が抱える根源的な課題の1つと言えるでしょう。

人間関係とコミュニケーションのあり方への問題提起

「マッチング」というタイトルには、単なる出会い系アプリの話を超えた、象徴的な意味が込められています。マッチング=組み合わせ。本作では男女のマッチングだけでなく、家族や友人、同僚など、あらゆる人間関係のマッチングが描かれているのです。 輪花と尚美の関係性などを通して、他人を思いやり、理解し合うことの難しさが浮き彫りになります。価値観の違いや心の傷など、人にはそれぞれの事情があります。相手の痛みを想像し、寄り添うことの尊さを、本作は訴えかけているように思います。 また、SNSを介したコミュニケーションのあり方についても考えさせられます。便利な反面、ややもすると感情や表情が置き去りになりがち。だからこそ、生身の人間としての触れ合いを疎かにしてはいけない。物語はそのことを教えてくれています。 映画「マッチング」は、ひとつのサスペンスを通して、現代社会の人間模様に鋭いメスを入れた作品だと言えるでしょう。人の心の奥底に潜む闇、コミュニケーションの大切さ。観る者に多くのメッセージを投げかけてくれる、考えさせられる1本です。