【ネタバレ】映画「ハンニバル」のあらすじと見どころ解説!シリーズの見る順番も

映画「ハンニバル」の基本情報

ハンニバル・レクターシリーズにおける本作の位置づけ

「ハンニバル」は、トマス・ハリスの小説を原作とした「ハンニバル・レクター」シリーズの映画第3作目に当たる作品です。シリーズの時系列では、「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」の後日談という位置づけになります。
前作「羊たちの沈黙」から10年後を舞台に、FBIを辞職したクラリス・スターリングと、脱獄し潜伏するハンニバル・レクターの再会が描かれます。監督は「エイリアン」や「ブレードランナー」で知られるリドリー・スコットが務めました。

あらすじを知る前に抑えておきたいポイント

本作は、グロテスクな描写が非常に多い作品として知られています。日本での公開時にはR-15指定を受けたほどで、かなりショッキングなシーンが随所に登場します。
また、前作「羊たちの沈黙」の知識がないと理解しづらい部分も多いので、できればそちらを先に観てから本作を見ることをおすすめします。ただし、「羊たちの沈黙」自体もかなりの猟奇的描写を含んでいるので、注意が必要です。

映画「ハンニバル」の登場人物

ハンニバル・レクター(演:アンソニー・ホプキンス)

天才的頭脳を持つ一方、食人を行う残虐な連続殺人鬼。前作でFBIに拘束されるも脱走し、本作では変装してイタリアに潜伏している。かつて自分を侮辱した男メイスン・ヴァージャーに復讐を誓っている。
クラリスとは奇妙な絆で結ばれているが…。アンソニー・ホプキンスが 「羊たちの沈黙」に引き続き怪演。

クラリス・スターリング(演:ジュリアン・ムーア)

FBIの女性捜査官。前作でハンニバルとの対決を経験している。本作の時点ではFBIを辞職しているが、ハンニバル捜査への協力を求められる。正義感が強く有能、かつハンニバルにも惹かれている複雑な心理状態。
ジョディ・フォスターの代役としてジュリアン・ムーアが好演。

メイスン・ヴァージャー(演:ゲイリー・オールドマン)

かつてハンニバルの治療を受けた大富豪。ハンニバルにひどい傷を負わされ復讐心に燃えている。金と権力を使い、ハンニバルをおびき出そうとする。
大幅に顔の造形が施されているため一見判別しづらいが、ゲイリー・オールドマンが演じている。

「ハンニバル」のあらすじ【ネタバレあり】

バッファロー・ビル事件から10年後の世界

事件から10年、クラリス・スターリングはFBIを辞職し、ハンニバル・レクターは変装して海外に潜伏している。FBIはハンニバルの行方を追っていたが、メイスン・ヴァージャーという大富豪も彼に復讐するために捜索していた。

FBIを辞職したクラリス・スターリングの現在

クラリスは現在、麻薬捜査で銃撃戦に巻き込まれ、多数の死傷者を出したことから責任を問われていた。そこでメイスンは、司法省高官と通じてクラリスをハンニバル捜査に引き込もうと目論む。

ハンニバル・レクターの潜伏先

一方ハンニバルは、フィレンツェに潜伏。ある高級スキンクリームの残り香からその居場所が特定される。地元警察のパッツィ刑事はハンニバルに気づくが、単独で逮捕しようとして返り討ちに遭う。

復讐に燃えるメイスン・ヴァージャー

ハンニバルを逮捕すれば莫大な報奨金が出ると知り、ハンニバル捜査に乗り気なメイスン。再びハンニバルと対峙したいクラリスを、汚職警官に協力させてハンニバルとの対面に向かわせる。

イタリアで接触するレクターとクラリス

メイスンの差し金で、クラリスがイタリアでハンニバルとの接触を試みる。クラリスはメイスンの罠とは知らず、ハンニバルを追跡。再会を果たすが、そこでハンニバルはメイスンの部下に襲撃され、クラリスも銃撃されて意識を失う。

クラリスを罠にはめる者たち

目覚めたクラリスは、高官の別荘で手当てを受けていた。そこへ現れたハンニバルは、彼女を陥れた高官を捕らえ、生きたまま脳を切り取って食べさせる、衝撃の復讐劇を演じる。

レクターの恐るべき復讐

FBIが急襲する中、ハンニバルはメイスンを猪の群れに突き落とし惨殺。一方クラリスは、自分とハンニバルを手錠でつなごうとするが、ハンニバルはその手錠ごと自分の手を切断して、単独で逃亡を遂げる。

「ハンニバル」の見どころ解説

前作から引き継がれるキャラクターの変化

「羊たちの沈黙」から10年後という設定で、主要キャラクターたちがどのように変化したかに注目。特にクラリスは、正義感の強い新人捜査官から、揺れ動く複雑な心理を持った女性へと成長。ハンニバルへの感情も、恐怖だけでなく憧れのようなものも含まれている。

オスカー俳優たちの怪演

アカデミー賞受賞者のアンソニー・ホプキンスとジュリアン・ムーアという2大スターの共演。特にホプキンスの、穏やかな口調での残酷表現や微妙な表情演技は、本作でも光っている。メイスン役のゲイリー・オールドマンの変貌ぶりにも注目。

グロテスクな描写と心理戦

「羊たちの沈黙」以上にグロテスクで衝撃的な場面が随所に。特に、ハンニバルが人間の脳を食べるシーンは悪名高い。一方で、ハンニバルとクラリスの心理的駆け引きという静かな見せ場もあり、メリハリが効いている。

ハンニバル・レクターシリーズの見る順番

公開順と時系列順の違い

ハンニバル・レクター シリーズは、小説の出版順や映画の公開順と、作中の時系列順が一致していないので注意が必要。基本的には、「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」の順で物語が進行する。

シリーズを楽しむためのおすすめの見方

映画公開順でみるのがおすすめ。つまり、「羊たちの沈黙」→「ハンニバル」→「レッド・ドラゴン」→「ハンニバル・ライジング」の順。「羊たちの沈黙」を先に見ることで、本作の人間関係も分かりやすくなる。ただしどの作品もグロテクスな描写が多いので、苦手な人は注意。

まとめ

「ハンニバル」は、「羊たちの沈黙」の10年後を舞台に、ハンニバル・レクターとクラリス・スターリングの関係を描くサスペンス映画。凄惨な描写が話題となる一方、2人の心理的な駆け引きも見どころ。オスカー俳優たちの演技合戦にも注目だ。シリーズ3部作の完結編として、色濃く残る衝撃作である。