【ネタバレ】映画「ドラゴンタトゥーの女」のあらすじを時系列でわかりやすく解説

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「ドラゴンタトゥーの女」とは?作品の基本情報

原作小説について

「ドラゴンタトゥーの女」は、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説が原作です。2005年に『ミレニアム』シリーズの第1作として出版され、北欧を舞台に記者とハッカーがタッグを組んで迷宮入りの事件に挑む姿を描きました。

刺激的かつ重厚なストーリー展開で注目を集め、ラーソンの没後、世界で3000万部を売り上げる空前のベストセラーとなりました。2009年にはスウェーデンで映画化。続いて2011年、ハリウッド版が製作されます。

米国版映画のリメイク経緯

監督は『セブン』『ファイト・クラブ』などの話題作で知られるデヴィッド・フィンチャー。主演はダニエル・クレイグとルーニー・マーラという、実力派コンビが抜擢されました。原作の世界観を活かしつつ、娯楽大作としての魅力を盛り込んだ新生『ドラゴンタトゥー』が誕生したのです。

監督とキャストの紹介

デヴィッド・フィンチャー監督は『ファイト・クラブ』『ソーシャル・ネットワーク』など話題作を多数手がける。主演は『007』シリーズのダニエル・クレイグ。事件の調査を依頼された記者ミカエル役を演じます。

ヒロインのリスベット役は無名に近かったルーニー・マーラ。体当たりの演技が原作ファンにも絶賛されました。脇を固めるクリストファー・プラマーやステラン・スカルスガルドら名優たちの熱演も見逃せません。

映画「ドラゴンタトゥーの女」のあらすじを時系列で追う(前半)

(C)MGM(C)オプティマム・リリーシング(C)BBCフィルムズ(C)ベータ・シネマ(C)レラティビティ・メディア(C)スコット・ルーディン・プロダクションズ(C)イエロー・バード

ヒロインの過去と現在の状況

物語の主人公は、経済雑誌の記者ミカエル・ブルムクヴィスト(演:ダニエル・クレイグ)。彼は名誉毀損で有罪判決を受け、社会的信用を失います。しかし、そんな彼の前に一人の老人ヘンリック・ヴァンゲル(演:クリストファー・プラマー)が現れます。

ヘンリックは、40年前に起きた姪ハリエットの失踪事件について調査して欲しいと依頼。ミカエルは事件の真相を暴く代わりに、汚名返上のための協力を約束されます。こうしてミカエルは孤島に立つヴァンゲル家の館へ足を踏み入れるのです。

40年前の失踪事件

事件が起きた当時、ハリエットが暮らす孤島は事故のため外界から閉ざされていました。それ以来、毎年、失踪した日に謎の花束が届くという不可解な出来事が起きていたのです。

調査開始からミカエルとリスベットの出会いまで

捜査を進めるミカエルは、やがて一人の女性ハッカー、リスベット・サランデル(演:ルーニー・マーラ)と出会います。彼女は幼い頃から虐待を受けて育ち、人を信じることができずにいました。ボーイッシュな風貌に全身のタトゥーが印象的な、一風変わった女性です。

当初は互いを警戒し合う二人でしたが、共に事件解明に乗り出すうち、次第に信頼が芽生えてきます。しかし、ヴァンゲル家に隠された驚くべき事実が明らかになるにつれ、二人の前に数々の障害が立ちはだかるのでした。

映画「ドラゴンタトゥーの女」のあらすじを時系列で追う(後半)

(C)MGM(C)オプティマム・リリーシング(C)BBCフィルムズ(C)ベータ・シネマ(C)レラティビティ・メディア(C)スコット・ルーディン・プロダクションズ(C)イエロー・バード

捜査で明らかになる事実

捜査を進める中で、ミカエルとリスベットはヴァンゲル家に隠された女性蔑視の連鎖と、一族に巣食う猟奇的な連続殺人犯の存在を突き止めます。そして調査の末に、二人は事件の全貌を知ることになるのです。

連続殺人の被害者と加害者の関係、信じがたい犯人像とその歪んだ動機・・・次々と明かされる真実に、ミカエルたちは言葉を失います。事件の背後には、60年代という時代の閉塞感や差別意識が色濃く反映されていたのです。

衝撃の事件の真相

一方、自らも過酷な運命に翻弄されてきたリスベットは、被害者たちに感情移入せずにはいられません。彼女なりの正義を胸に、事件の黒幕に立ち向かっていく姿は、痛々しくも凛々しい美しさに満ちています。

ヒロインの活躍

孤独と不信感を抱えてきたリスベットが、捜査を通じて少しずつ心を開いていく過程は、本作のもう一つの見どころ。ミカエルとの信頼関係を軸に、「ドラゴンタトゥー」を背負った女性の成長物語が描かれているのです。

映画「ドラゴンタトゥーの女」の見どころと評価

ハラハラドキドキのストーリー展開

本作最大の魅力は、予測不能な展開が続く緻密なストーリーにあります。事件の核心に迫るにつれ、次々と驚くべき事実が明らかになっていきます。張り巡らされた伏線が少しずつ回収され、やがて衝撃の真相へとたどり着く・・・まさにミステリーの醍醐味と言えるでしょう。

秘めた過去を持つ魅力的なキャラクター

また、個性的な登場人物たちも見どころの一つ。主人公コンビはもちろん、彼らを取り巻く脇役たちも魅力的です。ミカエルの同僚で皮肉屋のジャーナリストや、融通の利かない刑事など、ちょっとした脇役にも存在感があります。

それぞれのキャラクターの背景や心情が丁寧に描かれ、ストーリーに奥行きを与えています。登場人物たちの人間関係の機微に目を凝らしていると、ラストまで飽きることなく物語を楽しめるはずです。

ダニエル・クレイグとルーニー・マーラの演技力

何より、ダニエル・クレイグとルーニー・マーラの名コンビぶりは特筆もの。『007』シリーズとは一味違う渋い役柄を演じ切ったクレイグ。一方、当時無名に近かったマーラは、体当たりの熱演で一躍脚光を浴びます。彼女のヒロイン役は高い評価を受け、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされました。息の合った二人の掛け合いが、全編を通して物語を引っ張っています。

原作小説を忠実に再現しつつ独自の解釈を加えた映画

原作ファン納得の設定

『ドラゴンタトゥーの女』の最大の魅力は、原作小説の緻密な物語を丁寧に映画化しつつ、所々に新解釈を加えている点にあります。舞台となる1960年代後半の北欧の雰囲気は見事に再現され、これぞスティーグ・ラーソンの世界観という納得の仕上がりです。

原作ファンを唸らせる”小ネタ”の散りばめ方も秀逸。伏線の張り方など、小説の特徴を踏襲しつつ、さらに磨きをかけた印象です。主要登場人物の造形やビジュアルは、イメージを崩さない程度に映画向けに調整されています。

キャラクター造形の違い

一方で、リスベットの生い立ちなど、小説では語られない部分を想像力豊かに補完しているのも特徴の一つ。原作では言及のみだったミカエルの娘が実際に登場するなど、映画オリジナルのキャラクター設定も加えられています。

また、物語のクライマックスに向けての盛り上げ方も、原作とは一味違う印象。事件の全貌が明らかになるタイミングなどに変更を加え、観客を飽きさせない工夫が随所に見られます。脇役の掘り下げ方にも独自の解釈が加えられ、小説よりも濃密な人間ドラマが描かれているのが特徴です。

オリジナルの結末

ラストシーンにも、原作とは異なる展開が用意されています。事件解決後のミカエルとリスベットの関係性など、小説では曖昧に留められた部分に、映画なりの解釈を示唆する結末が用意されているのです。「ミレニアム」シリーズの続編を想定した終わり方には、原作ファンから疑問の声も上がりましたが、独自路線で勝負する映画版の意欲的な姿勢の表れと言えるでしょう。

「ドラゴンタトゥーの女」を見終わったら他のシリーズ作品もチェック!

映画「蜘蛛の巣を払う女」との関連性

本作『ドラゴンタトゥーの女』を楽しんだ方には、ぜひ他のシリーズ作品もチェックしていただきたい。まず、映画の続編として2018年に公開された『蜘蛛の巣を払う女』がおすすめです。

「ドラゴンタトゥー」から7年後の世界が舞台。ヒロインのリスベットを演じるのは、新たにクレア・フォイを迎えての作品です。米国とスウェーデンの対立を背景に、彼女が新たな陰謀に立ち向かっていきます。『ゴースト・イン・ザ・シェル』などで知られるルーパート・サンダーズ監督がメガホンを取っており、ファン待望のシリーズ復活作となっています。

原作小説「ミレニアム」シリーズの面白さ

また、スティーグ・ラーソン原作の「ミレニアム」シリーズ小説も見逃せません。全3部作で展開される重厚な物語は、本作だけでは語り尽くせない魅力に溢れています。登場人物たちの人間ドラマが3作品の間で丹念に積み上げられ、一つの壮大な物語世界を作り上げているのです。

社会派ミステリーとしての深みはもちろん、スリリングな展開で最後まで目が離せません。特に2作目の『火と戯れる女』は、「ドラゴンタトゥー」とはまた違った方向にストーリーが展開。予想だにしない驚きの連続で、一気読み必至の面白さです。

気になった方は、ぜひ小説版「ミレニアム」シリーズを手に取ってみてください。より奥深く描かれた登場人物たちの物語が、あなたを待っています。