【ネタバレ】映画「アンノウン」のあらすじを3分で理解!観るべき5つのポイントも

映画「アンノウン」の基本情報

原作と製作陣

「アンノウン」は、フランスの作家ディディエ・ヴァン・コーヴラールの小説『Out of My Head』を原作としています。脚本はオリバー・ブッチャーとスティーヴン・コーンウェルが担当。「ホステル」シリーズなどで知られるジャウム・コレット=セラが監督を務めました。製作はジョエル・シルバー、レナード・ゴールドバーグ、アンドリュー・ローナの3名。彼らは「マトリックス」シリーズや「シャーロック・ホームズ」シリーズなど、数々の大ヒット作を手掛けてきたプロデューサーとして知られています。

キャストと公開日

主人公のマーティン・ハリス博士を演じたのは、「96時間」シリーズや「スター・ウォーズ エピソード1」で知られるリーアム・ニーソン。妻役のエリザベスを「イングロリアス・バスターズ」のダイアン・クルーガーが、ジーナ役を「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のジャニュアリー・ジョーンズが演じました。そのほか、エイダン・クイン、フランク・ランジェラ、セバスチャン・コッホらが脇を固めています。「アンノウン」は2011年2月18日に全米で公開され、日本では同年5月7日に封切られました。

興行成績と評価

「アンノウン」の製作費は約3,000万ドル(約30億円)。全世界での興行収入は1億3,078万ドル(約137億円)を記録し、大ヒットを飾りました。批評家からは「リーアム・ニーソンの安定した演技が光る」「ラストまで飽きさせないミステリー仕立ては秀逸」など概ね好意的な評価を得ています。一方で「設定に若干無理がある」「もう少し丁寧な脚本が欲しかった」といった声もありました。Rotten Tomatoesでの批評家支持率は55%、Metacriticのスコアは56/100点となっています。

「アンノウン」のあらすじを3分で把握!

記憶喪失から始まるミステリー

アメリカ人の植物学者、マーティン・ハリス博士(リーアム・ニーソン)はベルリンで開かれる学会に妻のエリザベス(ダイアン・クルーガー)と共に参加します。ところが到着早々、マーティンはタクシーに乗っている最中に事故に遭い、意識不明の重体となって病院に運ばれます。4日後、目覚めたマーティンでしたが、事故の衝撃で記憶を失っていました。

妻に否定され、すり替えられた身分

記憶をなくしたマーティンは、とりあえずホテルに戻ることに。しかし、そこで衝撃の事実が待ち受けていました。なんと、エリザベスはマーティンのことを知らないと言い、別の男性を夫のマーティンだと紹介したのです。誰もマーティンのことを覚えておらず、事故前に電話をしたはずの親友も、別の男性と話をしたと証言します。果たしてマーティンの記憶は正しいのか? 本当の自分は一体何者なのか? すり替えられた身分と向き合うマーティンの戸惑いが描かれます。

陰謀の存在が明らかに

自分が何者なのかを突き止めようと奮闘するマーティン。事故の際に命を救ってくれたタクシー運転手のジーナ(ジャニュアリー・ジョーンズ)と共に手掛かりを探します。やがて、マーティンが暗殺者集団「セクション15」のメンバーで、学会に潜入して重要人物を狙っていたことが判明。記憶喪失は任務遂行のための偽装工作で、もう1人のマーティンは予備要員だったのです。しかし、事故による記憶喪失は想定外。マーティンは何も知らないまま、標的の暗殺を邪魔する存在となってしまいます。

衝撃のクライマックスへ

次第に明らかになる驚愕の事実の数々。マーティンは記憶を取り戻しつつ、自分が殺し屋だったことを受け入れられずにいました。一方、予備要員として送り込まれたもう1人のマーティンは、計画通りに暗殺を決行しようとします。標的となったのは、学会に招かれたシャーダ王子。彼を狙った爆破テロが迫る中、記憶が完全に戻ったマーティンは、自らの信念に従って行動を開始。ジーナと協力し、テロ阻止に向けて命がけの戦いに身を投じていきます。

「アンノウン」から目が離せない5つの見所

リーアム・ニーソンの熱演

本作の最大の魅力は、リーアム・ニーソンの熱演にあります。記憶を失い、自分が何者なのかもわからない混乱状態から、次第に真実を知り、自らの信念のために戦う姿を見事に演じ分けました。事故直後のふらつきや虚ろな表情、真実を知った後の葛藤と決意の表れ方など、ニーソンの演技は秀逸の一言。彼の存在感があってこそ、作品の緊張感とサスペンスが際立っています。

錯綜するストーリー展開

「アンノウン」は、記憶喪失という王道の設定を軸にしながら、その先の展開は予測不能。主人公の正体、事故の真相、学会を狙うテロリストの目的など、ミステリーを幾重にも重ねながら、驚きの真実へと導いていきます。真相が明かされるたび、それまでの出来事の意味が変わっていく面白さがあります。単なるサスペンス映画ではなく、どんでん返しのあるパズルのような物語が楽しめます。

息をのむアクションシーン

本作のアクションシーンは、スリリングかつリアルな仕上がりです。特に、ベルリンの街中で繰り広げられるカーチェイスは迫力満点。ぶつかり合う車、割れるガラス、炎上するタクシーなど、事故直後のマーティンが体験した恐怖が追体験できるようなシーンになっています。また、記憶が戻り始めたマーティンが見せる格闘シーンも必見。ジーナとの連携プレーや、もう1人のマーティンとの死闘など、ハラハラドキドキの展開が待っています。

美しいベルリンの街並み

「アンノウン」の舞台となったベルリンの街並みも魅力的です。東西冷戦の象徴だったベルリンの壁、歴史を感じさせるレンガ造りの建物、モダンなビル群など、新旧が混在する独特の景観が印象的。物語にマッチした陰影のある雰囲気を作り出しています。また、クライマックスで爆破テロの標的となるホテルは、かつてナチス時代の重要施設だったというディテールも効いています。ベルリンの持つ歴史の重みが、作品の奥行きを深めています。

ラストの意外な真相

「アンノウン」は、ラストまで観客を驚かせ続けます。マーティンの正体、事故の真相、テロリストの狙いなど、次々と衝撃の事実が明かされていきます。しかし、本当の驚きはそのさらに先に。ネタバレは避けますが、ラスト10分での展開は、これまでの常識を覆す衝撃の連続です。誰が味方で、誰が敵なのか。最後の最後まで目が離せない、息をするのも忘れるようなクライマックスが待っています。

まとめ:「アンノウン」はミステリー映画ファン必見の名作映画

ミステリー映画ファン必見の一本

記憶喪失、陰謀、裏切り、テロ、暗殺者――。「アンノウン」は、ミステリー映画の王道要素を詰め込んだ、まさにジャンルの「教科書」とも言える作品です。そこに、リーアム・ニーソンの熱演、息をのむアクション、美しいベルリンの街並み、意外な真相が加わり、ラストまで飽きさせない展開を実現。ミステリーやサスペンス映画が好きな人なら、絶対に見逃せない一本だと言えるでしょう。133分がアッという間に感じられる、スリリングな作品です。

記憶をなくした時、あなたならどうする?

「アンノウン」は、単なるエンターテインメント作品ではありません。記憶を失った時、愛する人に否定された時、自分が何者なのかわからなくなった時――。極限の状況に置かれた人間の苦悩と、それでも諦めない強さを描いた人間ドラマとしての一面も持っています。もし、あなたが主人公と同じ状況に陥ったら? 大切な人を取り戻すため、自分を取り戻すため、何ができるでしょうか。人生の意味を問いかける、深いテーマ性にも注目したい作品です。