【グレムリン】あらすじを完全ネタバレ!キュートでブラックなクリスマス・ホラーの見所を解説

グレムリンとは?作品情報と基本設定

グレムリンは、1984年に公開されたアメリカのホラーコメディ映画です。製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグ、脚本にはクリス・コロンバスが名を連ね、監督はジョー・ダンテが務めました。主演はザック・ギャリガン、フィービー・ケイツ、ホイト・アクストンなど。全米興行収入1億5300万ドルを記録し、大ヒットを飛ばしました。

映画の主人公は、ビリー・ペルツァー(ザック・ギャリガン)という20代の青年。ある日、ビリーの父親のランダルがクリスマスプレゼントとして、「モグワイ」と呼ばれる不思議な生き物を連れ帰ります。そのモグワイに「ギズモ」と名付けたビリーは大喜びするのですが、世話をする上で守らなければならない「3つのルール」があることを知らされるのでした。

モグワイ(ギズモ)について

モグワイとは、中国の伝説に登場する「魔怪」のこと。ギズモは体長20cmほどの小さな生き物で、まるがお耳に大きな目、毛むくじゃらの体が特徴です。性格は大人しく、ビリーともすぐに仲良くなります。

しかし、そんな可愛らしいギズモにも大きな秘密が隠されていました。飼育の際は、以下の3つのルールを厳守しなければならないのです。

  1. 明るい場所には決して連れて行かないこと(日光に当たると死んでしまう)
  2. 水に濡らしてはいけない
  3. 真夜中の12時以降は、絶対に食べ物を与えないこと

グレムリンへの変身について

そして、この3つのルールを破ると恐ろしいことが起こります。

水に濡れると、ギズモの背中からモグワイが次々と生まれてきてしまうのです。しかも、最初は可愛らしかった彼らですが、真夜中の12時を過ぎて食事をとると、やがてイタズラ好きな「グレムリン」へと姿を変えてしまいます。

グレムリンは、モグワイの数十倍の大きさに成長し、ギザギザ歯に赤い目、ウロコ状の皮膚をもつ怪物の姿をしています。しかも彼らは凶暴な性格で、ビリーの街で次々と悪さを働くことになってしまうのです。

【ネタバレ注意】グレムリンのあらすじを時系列で完全解説!

ここからは、ネタバレも含めてグレムリンのあらすじを時系列順に詳しく紹介していきます。

ビリーの家でギズモが起こしてしまった悲劇

大切に飼っていたギズモでしたが、ビリーの不注意から悲劇が起こってしまいます。まずビリーの友人ピートが水をギズモにかけてしまい、モグワイが大量発生。さらに真夜中に食事を与えたため、凶暴なグレムリンへと変貌してしまったのです。

リーダー格のストライプを筆頭に、グレムリンたちはペルツァー家で大暴れ。ビリーとその母親リンは必死にグレムリンを退治しますが、ストライプだけが逃げ出してしまいます。町に逃げたストライプは、プールで水を浴びて大量のグレムリンを生み出してしまうのでした。

町を襲うグレムリンたち

ストライプ率いるグレムリンの大群は、町中へとなだれ込みます。酒場で大騒ぎしたり、映画館に押し入って悪さをしたり、とにかく手当たり次第。警察も出動しますが、グレムリンたちの凶悪ぶりに為す術もありません。

一方、ビリーは町の老婆から、グレムリンを倒すにはビリーも太陽の光が必要だと教えられます。クリスマスイブのこの日、なんとかグレムリンの脅威を食い止められるのでしょうか?

リーダー・ストライプとの対決

ビリーと恋人のケイトは、ギズモを連れ、町のデパートでグレムリンと対決します。噴水のある広場に集まったグレムリンたちに窓からスポットライトを当て、次々と倒していくビリー。しかし、ストライプだけは最後まで生き残り、ケイトたちに襲いかかるのでした。

危機一髪のところを、ビリーがデパートの屋上にあった電光掲示板を利用し、日光を浴びせることでストライプを倒します。かくして、町からグレムリンの脅威は去ったのでした。そしてギズモは、再び中国人老人の元へと旅立っていったのです。

グレムリンの魅力は?コメディ&ホラー要素を解説

こうしてあらすじを追ってみると、グレムリンという映画の大きな特徴が2つ見えてきます。1つはブラックなユーモアに富んだコメディ要素。そしてもう1つが、スプラッター描写も厭わないホラー要素の強さです。

個性豊かで愛すべきキャラクター・グレムリンたち

凶暴化したグレムリンたちは、人間に危害を加えるだけでなく、ギャンブルに興じたり、酒場で大騒ぎしたりと、とってもユーモラスな行動を見せてくれます。まるで人間社会の歪んだ姿を風刺しているかのようなブラックユーモアが、作品の大きな魅力の1つ。

また、ギズモという存在自体も、その愛らしさと同時に、破壊の象徴としての一面も持つ興味深いキャラクターだと言えるでしょう。

リーダー・ストライプの悪役ぶりに注目!

グレムリンたちを束ねるボスであるストライプは、終始ビリーたちの前に立ちはだかる最大の敵。自ら水に飛び込んでグレムリンを増殖させるなど、強い知性と残忍さをあわせ持った恐るべき存在として描かれています。

その一方で、彼の風貌はモヒカン頭にレザージャケット姿という、当時のパンク・ロッカーを想起させるものでもあり、反社会的な存在としての象徴性を感じさせます。

こうした絶妙なキャラクター造形も、この映画の大きな魅力となっているのです。

クリスマスが舞台のブラックコメディ映画としての側面

グレムリンのもう1つの見どころは、クリスマスを舞台にした、ある種のアンチ・クリスマス映画としての側面を持っている点でしょう。

町を覆い尽くすクリスマスデコレーション

冒頭から、雪に覆われた町並みやイルミネーション、クリスマスツリーの飾りなど、随所にクリスマスムードが演出されています。

しかし、そのキラキラとしたクリスマスの装飾が、グレムリンたちの凶行とマッチして不気味さを醸し出すのです。

クリスマスの夜に巻き起こるパニック

ギズモがプレゼントされたのもクリスマス。そしてグレムリンによる騒動が起こるのもまた、クリスマスイブの夜なのでした。

平和なはずのクリスマスの夜に恐怖が襲う様は、ホラー映画の王道的な展開ながら、コメディタッチで描かれているのが特徴的。クリスマスソングの替え歌を歌うシーンなど、随所にブラック・ユーモアが散りばめられています。

こうした一風変わったクリスマス映画としての切り口も、この作品の大きな魅力と言えるでしょう。

続編『グレムリン2 新・種・誕・生』について

1990年には、待望の続編『グレムリン2 新・種・誕・生』が公開されました。監督はふたたびジョー・ダンテ、主演もザック・ギャリガンが続投。前作から6年後を舞台に、ビリーとギズモの新たな冒険が描かれます。

前作キャラクターの再登場

本作でもビリー、ケイト、ギズモといったおなじみのキャラクターが登場。相変わらずかわいらしい姿のギズモと、ビリーたちとの絆が描かれます。

また、ミスター・ウィングの孫娘という新キャラクター、グレムリンのブレインなども登場し、物語に新展開をもたらします。

インテリグレムリンの暗躍

続編の目玉は、なんといっても個性豊かなグレムリンたちでしょう。中でも物語のカギを握るのが、高い知能を持った「ブレイン」というグレムリン。

電気実験によって誕生したブレインは、他のグレムリンを率いて、ビルの中で次々と悪事を企てていきます。ブレインをはじめとしたインテリなグレムリンたちの活躍が、シリーズならではのブラックコメディを盛り上げています。

まとめ:グレムリンはSFホラーの名作!あらすじと見所をおさらい

以上、グレムリンのあらすじと魅力をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 不思議な生き物「モグワイ」から生まれる、凶暴なグレムリンたち
  • ホラーでありながらブラックユーモアたっぷりの展開
  • クリスマスを舞台にしたアンチ・クリスマス映画としての一面
  • 続編で描かれるギズモと新グレムリンたちの活躍

これらの要素が絶妙に組み合わさった、まさにカルト的人気を誇る作品と言えます。

キュートでコミカルでありながら、スプラッターな描写も厭わないその斬新さは、ホラーコメディの金字塔として、今なお多くの映画ファンを魅了し続けています。

ぜひ機会があれば、ギズモとグレムリンたちの型破りな物語を楽しんでみてくださいね!