『ドクトル・ジバゴ』衝撃のあらすじを完全ネタバレ!愛と革命の激動を3分で徹底解説

『ドクトル・ジバゴ』とは?名作映画の概要を紹介

ロシア革命を背景に描かれる悲恋の物語

『ドクトル・ジバゴ』は、ロシア帝政末期からロシア革命、内戦を経てソビエト連邦が成立するまでの激動の時代を背景に、知識人として生きることの苦悩と、二人の女性との悲恋を描いた叙事詩的な物語です。原作はロシアの作家ボリス・パステルナークによる同名小説であり、スターリン批判の書として知られています。

豪華キャストと美しい映像美が魅力

1965年に公開された映画版の監督は、『アラビアのロレンス』などで知られるデヴィッド・リーン。主人公ユーリ・ジバゴ役をオマー・シャリフ、ヒロインのラーラ役をジュリー・クリスティが演じ、当時の最高の映画スターたちが集結しました。美術や衣装、撮影など、映像のクオリティの高さも本作の大きな見所の一つです。

アカデミー賞5部門を受賞した不朽の名作

映画『ドクトル・ジバゴ』は第38回アカデミー賞で脚色賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、音楽賞の5部門を受賞。批評家からも観客からも絶賛され、興行的にも大成功を収めました。公開から半世紀以上経った現在でも色あせない魅力を放ち続ける、映画史に残る不朽の名作です。

あらすじ①ロシア帝政末期、ユーリとラーラの出会い

医師志望の青年ユーリ・ジバゴ

主人公のユーリ・ジバゴは裕福な家庭に育ち、医学生として将来を嘱望されていました。当時ユーリには婚約者のトーニャがおり、ラーラには革命家の恋人パーシャがいました。

美しい娘ラーラと革命家パーシャ

ラーラは貧しい家庭の出身でしたが、その美貌から周囲の注目を集める存在でした。熱心な革命家パーシャと恋仲にありましたが、母親の愛人である皮肉屋弁護士コマロフスキーからも求愛されていました。

皮肉屋弁護士コマロフスキーの企み

ラーラを我が物にしようと画策するコマロフスキー。ラーラの母親を脅し、ラーラを強姦します。ラーラはコマロフスキーへの復讐を誓い、パーシャから拳銃を手に入れ、コマロフスキーを打ちますが、弾は急所を外れた為コマロフスキーは助かりました。

あらすじ②第一次世界大戦とロシア革命の勃発

戦地に赴く医師ユーリと看護師ラーラ

第一次世界大戦が勃発し、ユーリは医師として、ラーラは看護師として戦地に赴きます。パーシャも志願兵となり出征。戦場で再会したユーリとラーラは、互いに強く惹かれ合います。

パーシャはラーラを捨て革命に身を投じる

ロシア革命が勃発すると、パーシャは革命理想の実現のために戦うことを決意。ラーラへの愛よりも革命を優先し、妻子を顧みずに革命運動に身を投じていったのでした。

あらすじ③革命後の混乱と愛の選択

ユーリの妻子を連れた疎開生活

ロシア革命後、ソビエト政権下で迫害を恐れたユーリは、妻のトーニャと娘とともにウラルの田舎町ユリャーチンへと疎開します。医師として働きながらも、詩人としての才能を開花させ、平穏な日々を送っていました。

ラーラとの再会と密やかな愛

ある日、ユーリはユリャーチンの図書館でラーラと偶然再会します。ラーラはパーシャが行方不明になったことを告げ、すがるようにユーリを求めます。妻への罪悪感を感じながらも、ユーリはラーラとの仲を深め、秘密の恋人関係となります。

ユーリの逡巡と決断、二人の運命は

ユーリは妻子を愛しながらも、ラーラへの愛も捨てきれずに悩み続けます。一方、革命政府から目をつけられたユーリは、反革命分子として追及を受けます。窮地に陥ったユーリは、愛するラーラを守るために、彼女を故郷に帰すことを決意します。

悲劇的ラストシーン、愛の結末

ラーラを見送った後、ユーリは詩作に没頭しますが、ストレスから心臓発作で倒れてしまいます。その後、ユーリはモスクワで偶然ラーラを見かけますが、彼女に会う前にその場で息絶えてしまいました。愛する二人は永遠に結ばれることはありませんでした。

映画『ドクトル・ジバゴ』の見所と意義

歴史ロマンスの金字塔

壮大な歴史のうねりを背景に描かれた『ドクトル・ジバゴ』は、スケールの大きなロマンス映画の金字塔と言えます。時代の混乱に翻弄される人々の生き様を克明に描きつつ、愛憎渦巻く人間ドラマを巧みに織り交ぜた点が高く評価されています。

原作とは異なる解釈、映画ならではの魅力

映画版の『ドクトル・ジバゴ』は、原作小説の思想性を薄めて恋愛要素を前面に押し出すなど、原作とはかなり異なる解釈がなされています。政治色を排除し、よりメロドラマ色を強めた映画版は、娯楽大作としての魅力を存分に発揮しています。

混沌の時代を生きる人間を描いた普遍的テーマ

革命の理想と現実、個人の幸福と社会の要請、愛と義務の狭間で揺れ動く人間の姿は、今なお多くの人の共感を呼びます。時代と場所を越えて普遍的に通じる人間ドラマを描いた作品として、『ドクトル・ジバゴ』の輝きは色褪せることがありません。