『トリコ』徹底解説!あらすじから名シーン、世界観の秘密まで

『トリコ』ってどんな漫画?作品の概要を解説

ストーリーの舞台設定と主人公トリコの紹介

『トリコ』は、「グルメ時代」と呼ばれる架空の世界を舞台としたグルメバトル漫画です。この世界では食材の価値が非常に高く、高級食材の捕獲や調理をめぐって熾烈な争いが繰り広げられています。

主人公のトリコは「美食屋(ビショクヤ)」と呼ばれる食材ハンターで、非凡な戦闘力と「グルメ細胞」という特殊な能力を持つ超人的存在。自身の「人生のフルコース」を完成させるため、世界中の珍味を求めて旅を続けています。

読者を引き付ける抜群の勘とカリスマ性を持つトリコですが、一方で豪快で単純、時にお調子者な一面も。型破りな主人公像が物語に活気を与えています。

『トリコ』の基本情報 – 連載期間、単行本数、アニメ化など

『トリコ』は2008年から2016年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、全43巻という大長編になった人気作品です。シリーズ累計発行部数は2023年8月時点で3000万部を突破するなど、その人気ぶりが窺えます。

漫画はアニメ化もされ、2011年から2014年まで全147話が放送されました。加えてゲーム化も果たすなど、幅広いメディア展開で多くのファンを獲得しています。

原作島袋光年
連載期間2008年 – 2016年
掲載誌週刊少年ジャンプ
単行本全43巻
アニメ2011年 – 2014年
全147話

『トリコ』のストーリー大筋をネタバレなしで解説

物語の導入部 – 主人公トリコと相棒小松の出会い

物語は主人公トリコが、ホテルグルメの料理長・小松から幻の食材「ガララワニ」の捕獲を依頼されるところから始まります。

危険度MAXのガララワニ捕獲の任務に小松が同行することになり、トリコと小松の型破りなコンビが誕生。華麗な戦闘センスと料理の腕を合わせた彼らの活躍は、序盤から物語を大いに盛り上げていきます。

前半の盛り上がりどころ – グルメ界編

物語が本格的に動き出すのは、人間界の食材とは比べ物にならない「グルメ界」の食材の存在が明らかになってからです。トリコたちはさらなる食材を求めて、危険に満ちたグルメ界へと足を踏み入れていきます。

グルメ界の過酷な環境を生き抜くため、トリコたちは己の能力をどんどん開花させていきます。特にトリコのグルメ細胞の覚醒は物語の鍵を握る重要な展開となっていくのです。

後半・終盤の見どころを軽く紹介

中盤以降はスケールの大きなエピソードが続きます。物語のスケールはどんどん広がり、トリコたちはより強力な敵や難解な謎に立ち向かっていくことに。

GOD、アカシア、そしてグルメ細胞の秘密…。物語のカギを握るキーワードが続々と登場し、大きな盛り上がりを見せます。

そしてクライマックスに差し掛かると、ついに「美食會(びしょくかい)」や「NEO」といった組織の思惑が明らかに。地球の命運を左右する戦いが繰り広げられ、最後まで目が離せない展開が待っています。

作品を彩る魅力的なキャラクター達

トリコの相棒・小松の活躍と絆

料理人としてトリコの冒険に同行する小松は、最初こそ一般人でしたが次第に成長し、物語のカギを握る重要人物へと変貌を遂げていきます。

小松が持つ驚異的な食感・味覚と、料理人としての技術はトリコにはない能力。小松の料理がピンチを幾度となく救っています。

またトリコとの揺るぎない信頼関係は物語の軸となるもの。ガララワニ捕獲の際に芽生えた絆はその後も深まり続け、食材の捜索だけでなく時に命を懸けた闘いを共にすることに。二人の友情は読者の心を熱くさせる名コンビぶりを発揮します。

ライバルにして友 – トリコと四天王の関係性

個性的な面々が揃う四天王は、トリコにとってライバルであり、切磋琢磨し合う仲間でもあります。

美食屋御用達のグルメフォーチュンで活躍する毒使いのココ、美しさと強さを兼ね備えたサニー、音波を操る凶悪犯のゼブラ、そしてトリコ。彼らはそれぞれ強烈な個性と独自の能力を持ち、互いを高め合っていきます。

普段は競い合うライバルですが、窮地に陥ると力を合わせるのも四天王の関係性。時に対立し、時に助け合う四天王とトリコの関係は物語に奥行きを与えています。

強敵と味方 – 美食會やIGOなどの組織、登場人物を紹介

作中に登場する組織として、まず重要なのがIGO(国際グルメ機構)でしょう。食材の管理や捕獲を行うIGOは、トリコたちの依頼主でもあり、味方としてサポートしてくれる心強い存在です。

一方、IGOに敵対する存在が「美食會(びしょくかい)」。世界中の食材を独占しようと暗躍するこの組織は、凶悪な幹部を多数抱え、物語後半の強敵として立ちはだかります。中でもトップに立つ三虎の存在感は圧倒的です。

他にも「美食屋」のような特殊な職業集団や、トリコの師匠筋にあたる次郎など、『トリコ』の世界には個性的なキャラクターが満載。彼らが織りなす人間ドラマも物語の醍醐味と言えるでしょう。

『トリコ』世界を知る – 独自の設定や用語解説

基礎知識その1:グルメ細胞とグルメ界

『トリコ』の世界観を語る上で外せないのが「グルメ細胞」の存在です。この特殊な細胞を摂取することで、人は超人的な力を得ることができます。トリコや四天王の強さの源泉もここにあります。

そしてグルメ細胞に関連して重要なのが「グルメ界」。人間界の何倍もの広さを誇るこの異世界には、地上では見られない珍しい食材が数多く存在しています。

しかしグルメ界の環境は過酷を極め、そこで採れる食材を求めるには相応の覚悟と実力が求められます。トリコたちの冒険の多くはこのグルメ界が舞台となっています。

基礎知識その2:捕獲レベルと食材の設定

『トリコ』に登場するグルメ食材には、それぞれ「捕獲レベル」が設定されています。これは食材の希少性や捕獲難易度を表すもので、高いレベルになるほどその食材の価値は跳ね上がります。

例えば作中屈指の高級食材であるBBコーンの捕獲レベルは35。ガララワニと同様、一般人では到底捕獲できないレベルの代物です。

食材名捕獲レベル
ガララワニ5
虹の実6(天然物は12)
フグ鯨29
BBコーン35(グルメ界のものは不明)

こうした捕獲レベルの設定は、食材の魅力を高めるだけでなく、トリコたちの強さを示す物差しとしても機能しています。物語が進むにつれてより高いレベルの食材が登場するので、その変遷を追うのも一つの楽しみ方と言えるでしょう。

その他『トリコ』を楽しむために知っておきたい豆知識

グルメ細胞や捕獲レベルの他にも『トリコ』の世界観を形作る重要な設定が多数存在します。

  • 美食屋– 食材の捕獲を生業とするプロハンター
  • フルコース – ビショクヤそれぞれが理想とするフルコースメニューの事
  • ニトロ – グルメ界の歴史に大きく関わる謎の生命体
  • 食運 – 食材との縁を表す概念で、強い食運を持つ者ほど稀少な食材に出会える
  • グルメ細胞の悪魔 – グルメ細胞の中に存在するもう一つの人格

他にもビオトープやチェーンアニマルなど、『トリコ』の世界観を彩る固有の概念が数多く登場します。これらの設定を予習しておくことで、物語をより深く理解しながら楽しむことができるでしょう。

『トリコ』ベスト名シーン3選

ここからは作中屈指の名シーンを振り返っていきましょう。ファン投票などでも根強い人気を誇るシーンの数々からは、『トリコ』の魅力が凝縮されています。

BBコーン編での「王食晩餐」

四天王が勢揃いし、最強技「王食晩餐」を披露したシーン。あまりのインパクトに、この技は『トリコ』を代表する必殺技の一つとなりました。

ブラックカーペットでの次郎との再会

第1ビオトープ編で登場したトリコの師匠・次郎。その再会シーンでは、ブラックカーペットを一瞬で駆け抜ける次郎の超人的な身のこなしが印象的でした。

美食會襲来の最中、トリコと小松の再会

美食會に拉致された小松を助けに向かうトリコ。二人の再会シーンは『トリコ』一の感動シーンとして、多くの読者の涙を誘いました。


登場人物それぞれの想いが交錯する名シーンの数々からは、『トリコ』という物語の奥深さがひしひしと伝わってきます。もちろんまだまだ語り尽くせない名場面は数多くありますが、ここまでを見ていただければ『トリコ』の面白さの核心は十分に伝わったのではないでしょうか。

美味しいグルメと白熱したバトル、友情と冒険。様々な要素が絶妙にブレンドされた『トリコ』の世界は、少年マンガの王道を行く傑作と言えます。もしまだ読まれたことのない方は、ぜひ本記事をきっかけに『トリコ』の世界に触れてみてください。