感動のミュージカル「グレイテスト・ショーマン」徹底解説！夢を追い求めた男の物語

「グレイテスト・ショーマン」とは？作品の基本情報

ミュージカル映画の新たな金字塔！

「グレイテスト・ショーマン」は、2017年に公開されたアメリカ合衆国のミュージカル映画です。「ラ・ラ・ランド」で注目を集めたベンジ・パセック＆ジャスティン・ポールが音楽を手がけ、ヒュー・ジャックマン主演で贈る興行師P・T・バーナムの半生を描いた作品として話題になりました。

リリース後、本作のサウンドトラックは大ヒットを記録。「This Is Me」をはじめとする劇中歌は世界中で愛され、第90回アカデミー賞では主題歌賞にノミネートされるなど高い評価を得ています。

夢を追い求めた実在の興行師ツイステッド・ショーマンことP.T.バーナムの半生を描く

この映画の主人公は、19世紀アメリカで実在した伝説の興行師フィニアス・テイラー・バーナム（通称P.T.バーナム）その人です。「グレイテスト・ショーマン」の物語は、バーナムの半生に想を得てフィクショナライズされています。

バーナムは貧しい家庭に育ちながらも、独創的な発想力と行動力で大規模な見世物小屋「バーナム・ミュージアム」を設立。小人や大男、ヒゲ女など、社会から疎外されていた人々を集めたショーで一大センセーションを巻き起こしました。彼の型破りなエンターテイメント精神が、現代のショービジネスの礎を築いたのです。

映画はこうしたバーナムの人生を、夢を追い求める男の感動譚として昇華。実在の人物を基にしつつ、スペクタクルなミュージカルシーンと胸を打つメッセージ性で、多くの観客の心を掴みました。

「グレイテスト・ショーマン」のあらすじを詳しく解説！

貧しくも野心に燃えるバーナムの青年時代

物語は主人公フィニアス・テイラー・バーナム（演:ヒュー・ジャックマン）の少年時代から始まります。仕立屋を営む父のもと貧しい暮らしを送っていたバーナムでしたが、”いつか人々を魅了するショーを作る”という野望を抱き続けていました。

やがて成長し、上流階級の令嬢チャリティ（演:ミシェル・ウィリアムズ）と恋に落ち結婚。二人の娘が生まれ一家は幸せな日々を送りますが、バーナムの雇用主である船会社が倒産したことで窮地に陥ります。

さまざまな個性を持つ”フリーク”たちを集めて夢のサーカス団結成！

失意の中、娘の何気ない言葉からインスピレーションを得たバーナムは、銀行から融資を受けて「バーナム・ミュージアム」をオープン。当初は蝋人形などを展示していましたが、なかなか客は集まりませんでした。

そこでバーナムは、小人のチャールズ・ストラットン（演:サム・ハンフリー）、ヒゲ女のレティ・ラッツ（演:キアラ・セトル）ら、外見的特徴から社会的弱者の烙印を押されていた人々をスカウト。彼らの個性を生かしたパフォーマンスで「バーナムのサーカス」を結成します。

ユニークなフリークスによるショーは瞬く間に話題となり、サーカスは大盛況に。バーナムの夢は実現したかに思われました。しかし皮肉なことに、彼らを「気持ち悪い」と批判する者も現れ、一家は上流階級から偏見の目を向けられることになります。

成功の代償?バーナムを悩ませる女性ジェニー・リンドとの関係

欧州でオペラ歌手として名声を博すジェニー・リンド（演:レベッカ・ファーガソン）のアメリカ公演を成功させ、名声と富を得たバーナム。上流階級への仲間入りを果たすべく、彼は全米ツアーの成功に全てを注ぎ込みます。

一方で、サーカス経営はバーナムの右腕となった若きフィリップ（演:ザック・エフロン）に一任。フィリップは空中ブランコ乗りのアン（演:ゼンデイヤ）に恋心を抱きますが、有色人種への偏見から周囲は交際に反対します。

ツアーが進むにつれ、バーナムはジェニーへの好意と家族への愛の間で葛藤します。そしてついにジェニーから「お別れのキス」をされた彼は、スキャンダルとなり妻子との亀裂が決定的に。バーナムは得たものの大きさと、失ったものの尊さを思い知ることになります。

すべてを失ったバーナムに、再起のチャンスが！

経営難とスキャンダルにより、ついにサーカスは閉鎖に追い込まれます。一方で「俺たちには居場所がない」と訴えるサーカス団のメンバー。彼らの思いに心を打たれたバーナムは、チャリティの実家に駆けつけ、自らの過ちを懺悔します。

妻子に許しを得たバーナムは、フィリップと共に新たな形のサーカス「リングリング・ブラザーズ」を旗揚げ。テントを使った野外公演というスタイルで、劇的な復活を遂げます。

バーナムは「人の想像力を刺激できるなら、それが真実だ」と語り、観客を魅了するショーを追求する人生を選択。かつての仲間たちと共に、新時代のエンターテイメントを切り拓いていくのでした。

作品の見どころ：斬新な音楽と圧巻の歌唱シーン

ヒュー・ジャックマンとザック・エフロンのコンビネーションに注目！

本作の大きな魅力は、ミュージカルシーンの素晴らしさです。特に主演のヒュー・ジャックマンは「レ・ミゼラブル」でも存在感を示した歌唱力の持ち主。若き後継者フィリップ役のザック・エフロンとのコンビネーションは、まさに白眉と言えるでしょう。

バーナムの心情を象徴するような重厚な歌声と、フィリップの伸びやかな歌声が響き渡る様は圧巻。観客はその歌声に導かれるように、19世紀の美しくもエネルギッシュなアメリカの情景へとタイムスリップします。

名曲「This Is Me」に注目！キアラ・セトルの迫真の歌声に感動

サントラの大ヒットでも話題となった楽曲の数々も見逃せません。中でもヒゲ女レティを演じたキアラ・セトルが熱唱する「This Is Me」は、差別や偏見に立ち向かう決意を力強く歌い上げる名曲中の名曲です。

「俺たちは生まれたときから、自分らしくあることを許されている（I’m not scared to be seen. I make no apologies, this is me）」。胸を打つフレーズの数々は、聴く者の心を揺さぶり、深いカタルシスをもたらします。

また、バーナムとチャリティの愛を象徴するデュエット曲「A Million Dreams」も感動的。二人が紡ぐハーモニーは、夫婦の”絆”の強さと美しさを歌い上げています。

「グレイテスト・ショーマン」が伝えたかったテーマとメッセージ

社会的弱者への眼差しと”多様性の肯定”

本作は単なる夢追い人の物語ではありません。むしろ、私たちが無意識に抱いている価値観への問いかけに主眼が置かれています。

社会から疎外されていたサーカス団のメンバーたちは、バーナムによって”表舞台”に引き上げられます。彼らは自らの個性を武器に、堂々とありのままの姿を観客にさらけ出します。

一方、バーナムは彼らを利用して富を得ながら、世間体を気にして付き合いを避けるという二面性を見せます。しかし最後は、彼らこそが真の”仲間”であることを認識するに至ります。

このストーリーが示唆するのは、あらゆる個性を受け入れ、多様性を称賛することの大切さです。私たちは皆、他者との”違い”を尊重し合える社会を目指すべきなのです。

夢を諦めない勇気と家族の絆の尊さ

バーナムは「人を驚かせ、感動させるショーを作る」という揺るぎない夢を持ち続けました。生まれ持った才能を武器に、幾多の困難を乗り越えていくその生き様は、観る者に「夢を追うことの尊さ」を教えてくれます。

また、名声に酔いしれて家族を疎かにしたことで、妻子との関係が悪化した場面は印象的。最後はチャリティの愛によって立ち直りますが、バーナムは「本当に大切なものは目の前にある」ということを思い知ります。

私たちは皆、夢を追い求める力と同時に、支えてくれる存在への感謝を忘れてはいけません。人生で真に大切なのは、目標を達成することだけでなく、愛する人と時間を分かち合うことなのです。

史実のP.T.バーナムとの比較 – 物語が持つ”真実”とは？

映画の主人公バーナムのモデルとなったP.T.バーナムは、実在の人物です。1841年に「バーナム・ミュージアム」を設立し、社会の片隅にいた人々に脚光を当てたショーを展開しました。

ただし映画はフィクションであり、脚色された部分も少なくありません。史実のバーナムは差別的な見世物を行っていた側面もあり、必ずしも「ヒーロー」とは言えない人物でした。

一方、映画が描くバーナムは、差別と闘い、仲間を大切にする理想の人物像と言えるでしょう。これは、現代人の感性に訴えかけるための”物語の真実”と捉えることもできます。

エンターテインメントとしての映画が持つメッセージ性は、時に歴史を越えて人々の心に響くのです。その意味で、フィクションであっても作品が示す”夢”や”勇気”の価値は、私たちにとって真実味を帯びていると言えるでしょう。

まとめ：あなたの心に響くはず！「グレイテスト・ショーマン」は必見の感動作

いかがでしたか？「グレイテスト・ショーマン」は、夢を追い求める男の姿を通して、人生で大切なことは何かを問いかける作品です。

ショービジネスの魅力を最大限に引き出した圧巻の映像と音楽。しかしその華やかさの裏にあるのは、人種や身分を越えて、一人ひとりの”個性”が輝ける世界を目指すメッセージなのです。

ラストシーンでバーナムは、「誰もが特別で、誰もがスターになれる資格がある」と語ります。平等で多様性に富んだ社会の実現は、私たち一人ひとりの手にかかっている。そんな熱いメッセージが込められた本作は、きっとあなたの心に響くはずです。

ぜひ劇場で、もしくはDVDやストリーミングで「グレイテスト・ショーマン」をご覧ください。胸が熱くなり、夢に向かって踏み出したくなる。そんな感動体験があなたを待っているでしょう。