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はじめに
『ミッドサマー』は、2019年公開のサイコロジカルホラー映画です。『ヘレディタリー/継承』で注目を集めた新鋭アリ・アスター監督の作品で、フローレンス・ピューが主演を務めました。本記事では、この衝撃のホラー映画「ミッドサマー」のあらすじとストーリー内容を、ネタバレを含む形で詳しく解説していきます。未見の方はぜひ本作を観てから読むことをおすすめしますが、これから鑑賞する予定の人も読んでいただければと思います。
映画『ミッドサマー』の基本情報
あらすじ
『ミッドサマー』は、アメリカの大学生グループがスウェーデンの夏至祭に招かれるが、のどかな村が凄惨な異教の儀式を行う狂気のカルト集団だったことに気づくというストーリーのホラー映画です。
監督・キャスト・評価など
- 監督: アリ・アスター
- 主演: フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィル・ポールター
- 公開年: 2019年
- 製作国: アメリカ、スウェーデン
- 上映時間: 148分
- 興行収入: 4700万ドル
批評家から高く評価され、Rotten Tomatoesでの批評家支持率は89%、Metacriticのスコアは72点となっています。前作に続きアスター監督の才能が発揮された作品と言えるでしょう。
制作の背景
アスター監督はプロデューサーから「スウェーデンが舞台のホラー」という企画を提案され、当初は難色を示したものの、閃いたアイデアを形にしたのが本作です。撮影はハンガリーのブダペストで行われました。
【ネタバレあり】ミッドサマーの主要登場人物
ダニー・アーダー(演 – フローレンス・ピュー)
心理学専攻の大学生。双極性障害の妹が両親を殺害し自殺したトラウマを抱えている。彼氏のクリスチャンとは倦怠期。スウェーデン旅行に半ば強引についていくが、ホルガ村の異教の儀式に巻き込まれていく。
クリスチャン・ヒューズ(演 – ジャック・レイナー)
文化人類学専攻の大学院生で、ダニーの彼氏。彼女に愛想を尽かしながらも、別れ話を切り出せずにいる。テーマを盗まれそうになり、親友のジョシュとの関係が悪化。現地の儀式に巻き込まれ、女性との交合を強要される。
ジョシュ(演 – ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)
文化人類学専攻の大学院生で、クリスチャンの親友。ホルガ村の風習を論文のテーマにしようとするが、クリスチャンに先を越されそうになり、禁断の書物「ルビ・ラダー」を盗撮しようとする。
マーク(演 – ウィル・ポールター)
クリスチャンの友人の一人で、明るいムードメーカー的存在。神聖な木に放尿して村人の怒りを買い、女性に誘われて姿を消す。
【ネタバレあり】ミッドサマーのあらすじ
ストーリー前半:家族の悲劇と不気味な村
大学生のダニーは、双極性障害の妹が両親を殺害して自殺するという悲劇に見舞われる。数ヶ月後、文化人類学を学ぶ彼氏のクリスチャンが、仲間3人とスウェーデンのホルガ村を訪れると知り、ダニーは同行することに。
一行はホルガ村に到着し、白服を着た村人たちの歓迎を受ける。村の伝統的な夏至祭が行われるという。しかし、ハーブの幻覚作用や白夜のせいで、ダニーは妹の幻影に悩まされる。村人が岩から身投げする儀式に立ち会い、不気味な伝統に戸惑う一行。ダニーたちは村に留まることを決めるが、途中で去ったはずの外国人カップルの叫び声が聞こえ、不穏な空気が漂い始める。
ストーリー後半:恐ろしい真実が明らかに
クリスチャンとジョシュは論文のテーマをめぐって対立。ジョシュは禁断の書「ルビ・ラダー」を盗撮しようとして姿を消す。一方、ダニーは村の儀式に巻き込まれ、クリスチャンも全裸の女性たちに取り囲まれ、交合の儀式に参加させられる。
その後、ダニーはジョシュの焼死体や「血のワシ」にされたサイモンの死体を目撃。怯えるクリスチャンを見つけ出すが、自ら彼を生贄に差し出す決断を下す。最後は巨大な熊の死骸に包まれたクリスチャンが黄色い三角屋根の神殿に置かれ、村人たちによって火がつけられる。ダニーは村人とともに狂気の絶叫を上げ、奇妙な笑顔を見せるのだった。
ミッドサマーの結末と考察ポイント
ラストシーンの解説
ダニーは恋人のクリスチャンを犠牲に差し出し、自らカルトの一員となることを選択します。彼女の不気味な微笑みは、アスター監督によれば「狂気に堕ちた者だけが味わえる喜び」を表しているのだとか。彼女は「自己を完全に失い、ついに自由を得た」のです。
考察ポイント
本作は、ダニーの喪失と再生を描いた物語と言えるでしょう。家族を失った彼女は、古代からの異教の儀式に身を委ね、新たな帰属先を見出します。また、スウェーデンの白夜の下で繰り広げられる惨劇は、人間の本能的な恐怖や悪夢のようなシュールさを描き出しています。美しいロケーションと残酷な儀式の対比も印象的です。監督は本作について、「ホラー映画の文脈で、人間関係の崩壊を描いた」と語っており、ダニーとクリスチャンの関係性にも注目です。
まとめ
『ミッドサマー』は、スウェーデンの夏至祭を舞台に、米国人旅行者たちが凄惨な運命をたどる衝撃のホラー作品です。絵のように美しい自然と恐るべき異教の儀式のギャップ、人間の原始的な狂気が盛り込まれた展開は、観る者の心に深い印象を残すでしょう。グロテスクな表現も含まれますが、ダニーの喪失と再生、人間関係の葛藤など、示唆に富むテーマ性も持ち合わせています。本記事で紹介したあらすじを踏まえた上で、ぜひオリジナル作品を鑑賞いただければと思います。