【あらすじ】映画『雨に唄えば』のストーリーを詳しく解説!名シーンや見所も紹介

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映画『雨に唄えば』の基本情報

公開年と監督

『雨に唄えば』は、1952年にアメリカで公開されたミュージカル映画です。監督は、ジーン・ケリーとスタンリー・ドーネンが務めました。二人は当時、MGMのミュージカル映画を牽引する存在であり、本作では監督だけでなく、脚本や振付にも携わっています。

主要キャスト

主演は、監督も務めたジーン・ケリーが演じるドン・ロックウッド。サイレント映画時代のスターで、トーキーへの移行に苦戦する姿を熱演しました。ヒロインのキャシー・セルデンには、当時19歳の新人女優だったデビー・レイノルズが抜擢されました。コメディ担当のコズモ・ブラウン役には、ドナルド・オコナーが扮し、ケリーとの軽妙なやり取りが光ります。

興行収入と評価

『雨に唄えば』は公開当時、アメリカ国内で約320万ドルの興行収入を記録し、大ヒットを飾りました。批評家からの評価も高く、アカデミー賞では作曲賞にノミネートされています。その後も不朽の名作として親しまれ続け、アメリカ映画協会(AFI)選出の「AFI’s 100 Years…100 Movies」では第10位にランクインしています。

『雨に唄えば』のあらすじを詳しく解説!

(C)Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc

サイレント映画からトーキーへの移行期を舞台に

物語は1920年代後半のハリウッドが舞台です。サイレント映画からトーキー(トーキング・ピクチャー)への移行期にあたり、映画業界は大きな転換期を迎えていました。主人公のドン・ロックウッドは、サイレント映画時代を代表するスターですが、自身の出演作品が次々とトーキーに置き換わっていく状況に戸惑いを感じています。

主人公ドンとリナの関係

ドンには、映画の中だけの相手役であるリナ・ラモントがいます。リナは自己中心的な性格で、ドンを自分のものだと思い込んでいました。一方、ドンはリナに愛想を尽かしており、2人の関係は映画の中だけのものでした。ある日、ドンは自動車のトラブルに見舞われた際、通りがかりの女性キャシー・セルデンと出会います。

ドンとキャシーの出会い

キャシーはドンの車に飛び乗り、彼を困惑させます。しかし、その出会いがきっかけで、2人は急速に惹かれ合っていきました。キャシーは映画スターに憧れを抱いていましたが、自らは舞台女優を目指していました。ドンは、キャシーの飾らない性格に好感を持ち、次第に彼女に惹かれていきます。

トーキー映画への挑戦

ドンの所属映画会社は、トーキー映画に参入するため、サイレントで製作中だった新作を急遽トーキーに変更することを決定します。しかし、ドンとリナはトーキー映画の経験がなく、台詞の発声などに苦戦を強いられます。特にリナは、高い声でセリフを話すため、映画のテスト上映では観客から笑われてしまいます。

リナの秘密とキャシーの活躍

リナの滑稽な声は映画の致命的な欠陥となってしまい、プロデューサーはキャシーにリナの声を吹き替えさせることを思いつきます。キャシーは、リナの口パクに合わせて歌とセリフを吹き替え、無事に映画を完成させます。しかし、吹き替えが発覚すると、リナの評判は地に落ちてしまいました。

劇中劇「雨に唄えば」

物語のクライマックスでは、ドンとキャシーが主演する新作ミュージカル映画『雨に唄えば』が制作されます。ドンが雨の中で歌い踊るシーンは、ミュージカル映画の金字塔として知られ、今なお多くの人々を魅了し続けています。

ハッピーエンド

最後に、完成した『雨に唄えば』の上映会で、ドンはリナの口パクとキャシーの声のずれを暴露し、キャシーを舞台に引き上げます。2人の愛は観客に認められ、キャシーはスターダムへの道を歩み始めるのでした。こうして、ドンとキャシーの波乱に満ちた恋は幸せな結末を迎えます。

『雨に唄えば』の見所と名シーン

ジーン・ケリーの華麗なダンス

『雨に唄えば』最大の見所は、ジーン・ケリーの卓越したダンスです。彼の躍動感溢れるタップダンスは、スクリーンから観客を引き込む魔法のような力があります。ケリーの美しいフォームと表現力豊かな演技は、まさに映画の中にしか存在しない特別なものです。

「雨に唄えば」の名シーン

ラストの「雨に唄えば」のシーンは、映画史に残る名場面として知られています。雨の中、ジーン・ケリーが傘を片手に歌い踊る姿は、ミュージカル映画の醍醐味を凝縮した至高のシーンです。カメラワークとケリーのパフォーマンスが見事に調和し、観る者を別世界へいざなってくれます。

「Moses Supposes」の軽快なタップダンス

ドンとコズモが披露する「Moses Supposes」は、二人の息の合ったタップダンスが楽しめるナンバーです。初対面という設定の二人が、即興でステップを踏みながら歌う様は、まるで生き生きとしたステージパフォーマンスのようです。

「Make ‘Em Laugh」の愉快なコメディ

「Make ‘Em Laugh」では、ドナルド・オコナー扮するコズモが、ドンを励ますために歌うコメディナンバーを披露します。アクロバティックなダンスと軽快な歌声で、思わず笑みがこぼれるシーンです。オコナーの身体能力の高さも見事に発揮されています。

まとめ:『雨に唄えば』が不朽の名作である理由

『雨に唄えば』は、巧みな脚本とキャッチーな楽曲、華麗なダンスが織りなす最高のエンターテイメントです。ハリウッドの転換期を舞台に、スターの栄光と挫折、夢を追う若者たちの姿を描いた物語は、今なお色褪せることがありません。ジーン・ケリーとデビー・レイノルズ、ドナルド・オコナーの魅力的な演技と歌声に、思わず引き込まれてしまう作品です。単なる娯楽作品を超えた普遍的なテーマ性と、ミュージカルの最高傑作として、『雨に唄えば』は映画史に輝き続けるでしょう。