【あらすじ】『沈黙の艦隊』壮大なスケールで描く潜水艦サスペンス漫画！

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原子力潜水艦を舞台にしたサスペンス漫画『沈黙の艦隊』

『沈黙の艦隊』は、かわぐちかいじ原作の潜水艦を舞台にしたサスペンス漫画です。1988年から1996年にかけて「モーニング」で連載され、第14回講談社漫画賞一般部門を受賞するなど高い評価を受けました。

物語の主人公は、海上自衛隊の潜水艦艦長・海江田四郎。彼は潜水艦「やまなみ」の事故により全乗組員76名とともに行方不明になりますが、その裏には大きな秘密が隠されていました。

物語は、海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」が事故で沈没したというニュースから始まります。しかし、海江田の同期である深町が真相を探るうちに、この事故が偽装工作だったことが明らかになります。

海江田たちは実は日米が極秘に建造した原子力潜水艦「シーバット」の乗組員に選ばれており、事故は彼らを新型潜水艦に乗せるための芝居だったのです。

アメリカ海軍に引き渡された「シーバット」で訓練航海に出た海江田は、ある決意を胸に秘めていました。彼は潜水艦の優れた性能を利用し、乗組員とともに反乱を起こすのです。

海江田たちは「シーバット」の名を「やまと」と改め、音響魚雷で姿を消し、日本近海から姿を消しました。彼らは独立を宣言し、自らを「沈黙の艦隊」と名乗ります。

一方、アメリカのニコラス・ベネット大統領は「やまと」を危険なテロ集団とみなし、徹底的に追跡する方針を打ち出します。世界中の海軍が「やまと」の捜索に乗り出す中、海江田たちは圧倒的な戦闘力で各国の艦隊を翻弄します。

「やまと」は原子力潜水艦の長距離巡航能力と、海江田の鮮やかな操艦による奇襲戦法で、アメリカやソ連の海軍を次々と撃破していきます。さらに、「やまと」には核ミサイルが積まれている可能性が浮上し、事態は一層緊迫していきます。

一方、海上自衛隊の潜水艦「たつなみ」の艦長・深町は、「やまと」の潜在的な脅威に気づきます。「やまと」と「たつなみ」の一騎打ちは、物語の見どころの一つとなっています。

日本政府は「やまと」による暴走を危惧しつつも、彼らとの対話による解決を模索します。内閣官房長官の海原と外務次官の天津が、粘り強く「やまと」との交渉を試みるのです。

竹上登志雄内閣総理大臣は、強硬姿勢をとるアメリカを宥めながら、官房長官の海原と外務次官の天津に「やまと」との対話を命じます。天津は外交ルートを通じて海江田との接触を図りますが、その道のりは困難を極めました。

交渉が進展しない中、ベネット大統領はついに軍事力による「やまと」撃沈を命令します。世界最強の海軍力を誇るアメリカの前に、「沈黙の艦隊」の運命やいかに――。

果てしない追跡の末、「やまと」はニューヨーク港に出現します。そこで海江田は初めて「沈黙の艦隊」の真の目的を明らかにするのです。

ニューヨークに到着した「やまと」は、港に停泊したまま国連本部に向かいます。国連総会の場で、海江田は「沈黙の艦隊」の理念を説きます。

海江田の構想は、「政軍分離」をはじめとした、軍備を個別の国家から切り離して国際管理下に置く「世界政府」の樹立でした。核兵器などの脅威から解放され、戦争のない世界を作ることが「沈黙の艦隊」の目的だったのです。

しかし、海江田の理想は突如として砕かれます。演説中、海江田は何者かに狙撃されて倒れます。撃たれた海江田は瀕死の重傷を負い、「やまと」に搬送されます。

傷を負った海江田は意識不明のまま、「やまと」の食堂に安置されます。部下たちに看取られながら、かすかな心音だけが世界中に中継されます。

海江田の生死をめぐって世界は混乱に陥る中、かわぐちかいじの壮大な物語は驚愕のクライマックスを迎えるのでした。